【バックギャモン】ソフト指し

先日、ソフト指しで「事件」が起こりました。将棋の学生名人戦においてソフト指しで失格になったというものです。過去にはプロ棋戦でもソフト指し疑惑がありルール化されたという経緯がありますが、アマチュア棋戦ではまだまだのようです。
バックギャモンの世界の話をしますと、コンピュータ解析ではバックギャモンのほうが将棋よりも早く「人間よりも強くなった」と言えます。今となってはコンピュータ解析の結果が最善手であることを疑うプレイヤーはいないと言っても過言ではなく、この解析結果をもとに実力認定やタイトル戦が行われるほどです。
しかし、試合中にソフト指しをするというような問題はほぼ起きていないと言ってもいいかと思います。ライブ(リアルボード)での対戦ではゼロでしょう。オンラインでもあまり意味がないと考えます。その理由は大きく2つあります。
1つは「ソフト指しをしたところで勝てるとは限らない」ということです。すべての手をソフト解析したところで、「どうしようもなく負ける」ということがバックギャモンでは起こり得ます。パフォーマンスレーティング(PR)0、少しのエラーもない状態でも負ける、ということも結構あります(私も、PR0.02で負けるということがありました)。最善を指し続けても勝てるとは限らない、それがバックギャモンというゲームなのです。
もう1つは「ポイントマッチの場合、ゲームごとに盤面がリセットされる」ということです。5ポイントマッチの場合だと、8点ゲームにならなければ大概は2ゲームから、多いときは5ゲーム6ゲームとなることがありますが、ゲームとゲームの間は必ず盤面がリセットされるので解析が意味をなさなくなるのです。これは裏を返せば「ゲーム中に席を立つことはない」ということを意味します。あるとすれば電話がかかってきてその電話を取る、急な体調不良になる、というケースくらいかと思います。その時に部屋を離れていればその間に解析を見ている可能性はないのか?と言われればゼロではないのですが、実はあまり意味のあることではありません。意味があるとすれば「ロールし出目が確定した後で外す場合」「有利な局面でロールしていない場合(ダブルをするかどうかが影響する場合)」のいずれかです。どちらも自分の手番でのことで、相手の手番の場合はほぼ問題になることはほぼありません(相手の出目によりダブルの有無を考える場合のみ意味がありますが…)。

以上がバックギャモンでソフト指しをする意味がないと考える理由です。最善手を調べることができたとしてそれを覆されるいい目を振られては終わりですし、そもそもその手の意味が理解できなければ意味がなく、それをわかるレベルならソフト指しをする必要もないでしょう。本当に全く意味はありません。

ちなみに、ソフト指しはオンライン対戦では(意味はないということを知ったうえでも)なくならないと思っています。ただし、BackgammonGalaxyでは試合後にエラーレート(いわゆるPRと同じものかは不明)が表示されますのでソフト指しをすると結構バレます。強い人に言わせれば「やってんな」というのはなんとなくわかるそうです。ということで余計なことをしないのが身のためと言えるでしょう。

私は過去に1度だけ「ソフト指し」を疑われたことがあります。当時はそれほど時間を使わなかったことで少し難しい局面で時間を使っていたら「止まっているとソフトを使っていると疑われる」と言われました。時間をあまり使わないという指し方が仇になった形ですが、やはり言われると不快な気分になりますよね。やってないんだから。その人とはそのあとも何も悪いことはないので(良好な関係のはず)、「その場のみのこと」で終わった話です。とはいえそういうこともあったのでオンラインでの試合には消極的というところはあって、今でもそうであるのですが…
#ちなみにINBCとも距離を取っているのですが、これと全く別の話です。

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