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ボカロ投稿曲:I Listen to the Song

『I Listen to the Song』は、ニコニコ動画のイベント『ボカコレ2023春』への参加曲です。

今回から、ルーキーではなくTOP100への参加となっております。

この曲は、今まで制作してきた楽曲とは大きく異なっている点が二つあります。

一つ目は、ボーカルに『Synthesizer V 小春六花 AI』を使用したことです。
名前の通りのAI歌唱ソフトで、初音ミクなどのボーカロイドと比較すると、まるで人間が歌っているかのような歌い方をします。この、小春六花AIの『AI歌唱』としての凄さは、すでに公開されている楽曲でわかっていたつもりでしたが、今回使ってみて改めてその素晴らしさを実感しました。
とにかく制作がしやすく、細かな調声もほとんどいりません。むしろ「人間がわざと機械っぽく(良くも悪くも楽譜通りに)歌っている」かのように聴こえてしまうほどです。そのため、具体的な調声作業というのは、実質的には『歌い方の癖』のようなものをあえて加えるというか、聞いたときの自然な感じを加味するようなアプローチとなりました。
もちろん、これはボーカロイドの場合でもやっている作業ですが、ボーカロイドはどうしてもある程度の機械っぽさが残ってしまうので、そこはあまり追求せず、その代わりに歌詞の聞き取りやすさの方を重視するようにしています。

二つ目は、歌詞が自分自身の心情をベースにしているということです。
この曲のテーマは「もっといろんな歌と出会いたい、それが楽しみの一つであり、人生の一部でもある」といったもので、これは私自身の音楽に対しての想いそのままです。音楽が自分の人生に与えた影響はかなり大きいと思ってはいますが、よく耳にするような「音楽に救われた」というほど大げさなものではなく、どちらかというと「音楽に導かれた」という方がしっくりくると感じています。今回はそういった気持ちを歌詞にしてみました。
私は普段は歌詞制作において、こういった自分語りのような方向性はほとんど考えておらず、どちらかというと創作に近い作り方をします。始めに背景となる場所や季節や時刻があり、そこに架空の登場人物がいて、という完全にフィクションの物語です。
そういったわけで、私としてはかなり珍しいパターンとなっています。

曲構成については、ずっとやりたいと思っていたスタイルのものが、そこそこのレベルでは出来たかなとは思っています。具体的には、ベースを軸とした構成や、Aメロの単一コード(Em7、厳密にはEm7 - F7 - Em7 - F7 - A#7)の部分などです。
好みが分かれそうなところではあるかと思いますが、気に入っていただけたら嬉しいです。

イラストと動画はkomaru様に作成していただきました。今回のMVは、私が今まで作成してきたものと比べて、最も見栄えのする出来だと思っています。

ちなみに、ボカコレのランキングについては、相変わらずかすりもしませんでした(笑)。

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