成人の日
20歳前後の数年の間、成人式の時期にインターネットで「自分の成人式の日について」急に語り始める人たちを見る度にモヤモヤした気持ちになっていた。
そんな私も今年27歳を迎える立派なアラサー。
なんだか成人式の日や、そこに至るまでの話を、自分語りをしたくなってしまった。
歳をとるとは、こういうことなんだなぁ。
中高の5年間、陰湿ないじめを受けていた。主犯格の女子グループにはあからさまに無視をされ、聞こえるように陰口を叩かれ、すれ違う度に「くさっ」と言われ(本当に臭かったんだとしたらごめんと思わなくもないが、お陰で「自臭症」という心の病になった、毎日2時間風呂で身体を洗い続けていた)、それ以外の人間たちからはまるで空気のように扱われていた。
そんな思春期を過ごしたので、成人式への憧れの気持ちは、ひっくり返って憎悪へと変身していた。まだ数年先のことなのに、家族には「行かない」と言い続けていた。
成人式を迎える頃。私は地元で地下アイドルとして活動していて、ありがたいことに式の前日も当日もライブの予定が入っていた。初日はその年最初のライブということもあって、式のことなどすっかり忘れて大いに楽しんでいた。
その帰り道、小さな事件が起きてしまった。
大荷物を携えて商店街を歩いていると、主犯格のグループのリーダーだった女とすれ違った。風の噂で県外の学校に進学したと聞いていたが、帰省していたのだろう。
脳がすれ違った女をリーダーだと認識した瞬間、私は足音を出さないよう端っこに寄って、息を潜めて気配を消して歩いた。
そこは、学校の廊下じゃないのに。
脊髄反射で動いたことで惨めな気分になって、成長できていない自分のことがとても嫌になった。
翌日のライブの日も、合間で外に出たら振袖姿の同級生を沢山見た。こちらはライブ衣装に上着を羽織った、なんともちぐはぐな姿だった。なんとも言えない気持ちになるばかり。
まあ、かと言って、成人式に出席したらもっと地獄だったと思うし、ライブは楽しかったので、これでよかったのだ。
行きたくないなら、行けないと思うなら、行かなくていいと思う。
ただ、どちらを選択しても、結局は自分の心の成長の度合いでその日がどう記憶に残るかが決まるものだと思う。
ていうか成人年齢引き下がったけど今の成人式ってどういうシステムになってるんだろうね?
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