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Ctrl+Zで戻れない

昨晩は寝られなかった。旅先だったからなのか、はたまた他の理由があるのか。どちらにしても携帯電話なしに夜を超えることがいつの間に不可能になってた。

LINEの返信が来ないとか、既読がつかないとか、電話に出てくれなかったとか、そういう在り来りのことで悩みたくない。気にしたくない。女の子がチュチュアンナで下着を買ったときに入れてもらう赤い袋くらいありふれてる。どうせ悩むなら誰も悩んでいないような悩みを抱えたいと思うのも贅沢な悩みなのだろうか。

赤と言えば。飼っていた金魚が死んだ。10年前、40円で買った小赤だった。
「別れる男に花の名前を一つ教えてやりなさい。花は毎年必ず咲きます。」という川端康成の先哲のテキストがある。本で読んだわけではなくTwitterかなんかで知った。咲き始めたクリスマスローズの脇にそれを埋めた。花言葉は追憶。クリスマスローズはきっと来年も咲くと思う。

高速道路を降り、市街地を走る。旅先特有の茶色かったコンビニの看板がいつの間にか本来の色を取り戻している。またいつもの日常が始まる。

でもショートカットキーのようにCtrl+Zで元には戻れないね。

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