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指揮について(特に撥弦に関わる)

 指揮を始めてかれこれ10年くらい。結構分かってきたこともあれば、分かったと思いきや、手のひらから砂がこぼれていくように、また振り出しに戻ることもある。
 文章を書く機会を頂いたので、なんとなくではあるがまとめてみようと思う。異論反論はあると思うが、あくまでも私見なのでご勘弁を。


【指揮棒の動き】

 マンドリンのピックの動きを想像してみて欲しい。先ず、ピックは弦の上方で空間を空け静止している。そこから、振り下ろされ、弦を弾いて運動を終える。

 この運動を制御するのが指揮としたら、つまり一番手っ取り早いのは、このピックの動きの通りに指揮棒を動かすことではないだろうか。トレモロは?と思われるかもしれないが、トレモロも弦に最初に振れるのはダウンピッキングと捉えて考えて頂きたい。

ピッキングの動線=指揮棒の動線

 弾く瞬間ピックは弦上空に静止するはず、ならば指揮者も一瞬指揮棒を上空に静止するムーブをとるといい。演奏と指揮の同期という観点に着目をして頂きたいのである。
 ピックが動き出せば指揮棒も動き出す。
 もはや、音の出る点は自ずと決まり指揮者とオケには十分に共有されているのではないか。

 因みに、オケでは指揮はヴァイオリンのボーイングの長さの分だけ動きなさいという教えもあったり無かったり。弓は弦に当てられてからがスタート。それはそれなりのタイミングになる。

 主として用いられる楽器の内実に興味を持つのは大事なことである。指揮者でマンドリン属を弾く人は、自分のピッキングと自分の指揮を重ね合わせてみよう。ギター、コントラバスの人は、マンドリンを借りてピッキングをしてみよう。
 因みに、ギターはギターでまたタイミングが違うしこのタイミングがまたいじらしいのである。ギターを振りきったら一流と言ったり言わなかったり。それはまた違う機会に。

 さて、指揮棒のスタートは上に瞬間静止した状態ならば、その後の動きについてはどうか。
 今は一番分かりやすい動きを考えてみる。
 あなたは今指揮棒を握って音楽が始まるか始まらないかの緊張感に包まれている。しかし、何を思ったかあなたは手の力を緩め指揮棒を離したのだ!指揮棒はスーと重力のままに自然と落下していく。。
 そこでだ、あなたは、いつ指揮棒が床に落ちるか大体予想がつくのではないだろうか?そう、そうなのだ。この動きが一番人間に想像つきやすく、不特定多数の人間に共有されやすい動きといえる。
 ペンでも何でも放り投げて、床に落ちるタイミングで手を叩いてみてほしい。それを2人で5人で10人で30人で100人一緒で。手を叩くタイミングは一致するか。かなり精度高くタイミングを大勢で共有できると予想する。これをそのまま指揮に活かせば良いのではないだろうか。指揮の動きが自然落下に近い動きを再現できたなら、ここだというタイミングは奏者に共有してもらいやすいはずだ。

 全人類、オギャアと生まれてからみんな地球に住み育ち、落下という現象を見慣れ、感覚として個人差無くもっている。これを応用するのだ。
 ピッキングの動きのトレースと自然落下の再現。

とりあえず今日はここまで。

追伸:最近食べた美味しいサムギョプサルとキツネうどんの写真を見てください。

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文責:BURI☆BURI NO BURI TARO

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