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アイドルマスターシャイニーカラーズの話-OO-ct. ――ノー・カラット-

 今週の限定煽り

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 先日、4月に追加された新ユニットShiisのシナリオ『OO-ct. ――ノー・カラット』が公開されました。数多くのプロデューサーを阿鼻叫喚へと叩き込んだ本シナリオ、普段はプレクトラム音楽に従事する皆様もすでにご覧になった事と思います。

Shiisとは
美琴さん:歌ダンスビジュアルすべて完璧。14歳に上京して以来長年活動してきたが未だに売れない24歳
にちか:事務員の妹で、アイドルとしての才能を見出されなかったが色々あってデビューにこぎつけた16歳
という正反対の二人によるアイドルユニットです。


 シナリオは基本にちかの視線で進みます。
 にちかは美琴さんともっと仲良くしたいのですが、優秀な美琴さんと上手にコミュニケーションが取れません。にちかはずっと美琴さんを見ているのに、美琴さんはにちかの事を見てくれない、ライブハウスでShiisの名前を使ってパンピーとはしゃぐにちかと遭遇しても、美琴さんは何も言わない。
 しかし、リハでのトラブルをきっかけに美琴さんは初めてにちかの事を見るようになり、美琴さんが普段使うスタジオで深夜までレッスンをして絆を深めます。自分を卑下するにちかに対して厳しい言葉を投げたりもしますが、一方で、それは本心でにちかに向き合っているのです。

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 一緒にめしを食わなくてもいい、仲良く語り合わなくてもいい、ただ、仲間としてアイドルとしてともに高めあっていければいい。そんな風ににちかが思い始め、二人の距離が縮まって綺麗に終わる……と思いきやラスト数分で一気にひっくり返されます。実力派ユニットshiisの16歳が面白い、という観点でにちかが注目を浴びるようになり、にちかだけテレビに出る一方で美琴さんは今までと何も変わらない実力のある売れないアイドルという立場が続く。そしてシナリオは終わります。(本当はもっと色々起こってたけど)

 1時間半ほどのシナリオをここまで読んで、現実世界の我々は気づくわけです。「ああ…このシャニマス界でにちかに注目する芸能界やオタクたちは俺たちだ……俺たちがShiisを追い詰めているんだ…」と。2021年3月に新ユニットが発表された時も、4月にキャラシナリオが追加された時も、pSSRが追加された時だって、にちかばっかり注目を浴びていました。7月のtwiiterの乗っ取りキャンペーンでは、丁寧に事細かな更新をする美琴さんよりも少ないツイートで大ボケをかましたにちかが話題をかっさらってました。本シナリオを読んでいる途中も「にちかを何とかしてくれ…!」ってずっと思っていたわけです、我々は。そんなところにこの価値観を丸ごとひっくり返すような展開なんですよ。

 本当は、本当に心配しなければならなかったのは、伸びしろしかない16歳ではなく、もう後がない24歳の方だったんですよ。14歳にアイドルを志して10年間売れてこなかったにも関わらず同じことを続けても売れるわけがない、加えて、アイドル最優先でずっと生きている。睡眠時間は長めに見積もって5時間程度、懐かしい友人との飲み会でもアルコールをとらない、おそらく金銭感覚もやばそうな描写があって、普通の人間として生きる力が不足しているように思われるんです。
それを明確に示しているのがこのシーンです。

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(水をこぼしても「こぼしちゃった…」とつぶやくだけで、にちかの方が素早く反応して拭くものを探す。)

 皮肉な事に、この会話の裏ではづきさんとシャニPが「アイドルがアイドルでなくなった後」の話をしています。

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 美琴さんはこの後どうするのか。もしアイドルとしても売れなかったら何をして食っていくのか。そんな危機感を感じさせる、しかも、現実的にあり得る未来。

 そして、にちかとシャニPが、これから美琴さんをどう救うのか、何も明示されないまま、二人の居場所も感じている事も何もかも違うまま、「奈落」で物語が終わります。

 我々はどうすればいいのでしょう。
 シャニマスって、ユニット7つあるんです。今回みたいな大きなシナリオ追加は月1で、そこに季節ものや越境シナリオもあったりするので、最短でも半年くらいは待たされるんですよ。えぐいシナリオを見せ、お前らもそれに加担していたんだと自覚させて、続きは半年後まで我慢してねと放置プレーなんです。
 何この鬼畜。アイドルマスターシャイニーカラーズの開発陣には人の心がありません。


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