引越しをしたい
Windows10の右下画面、時刻は22:40となっている。時間を確認しながら業務をしていたはずなのに。
時計が20時、21時、22時と時計がどんどん過ぎていった。人からの相談の対応や、お客さんからの問い合わせ調査、自分の通常業務をしていたら時間はすぐに過ぎる。片付けをして事務所を出る。
裏口のセキュリティロックを解除し、事務所の少し柔らかい床からアスファルトの固い感触に足触りが変わる。抱え込みたい頭、分からない仕様、終わらない業務を振り解くように、歩くスピードを一気に速くする。さっきまで座っていた自分と切り替える為に、ぐるぐる回していた頭のスピードを、今度は足を動かすスピードに変えていく。
徒歩50分、会社から家まではギリギリ歩ける距離だ。職場から徒歩で行ける距離ということで、知人と借りた2LDK。この家に帰るのも今日が最後になる。明日から新居に住む。
せっかくなのでノスタルジーっぽいことを感じてみようと高校の時、大学の時に聞いていた曲を聴きながら帰ってみた。シネマスタッフ、日記、いい曲だなー。いつもより体感長い距離を歩いた気がした。足がいつもより疲れていたので歩数計を確認すると、昼休みに散歩してたら1.8Kmくらい歩いてた。足が重いはずだな、と思った。ふとした自分の行動が、予期せぬところで影響してくること、あるよな。
家に着いた。お風呂を沸かして入る。携帯をいじりながら、お湯がぬるくなったら追い焚きをする。
2LDKは追い焚きがあるのがいい。それ以外は部屋がでっかいのがいい。
シャワーを浴びようと風呂の栓を抜く。私はお風呂の水がほぼ全部なくなっても、なんとなく面倒なのでバスタブの中にいることがある。背中には私がいることで排水溝に流れないお湯のかすかな暖かさがある。こないだ出張で行った名古屋で入ったお風呂の寝湯を思い出す。
そういえばあの時寝湯で気づいたら30分くらい寝てたな。風呂場で寝るのは好きだな。副交感神経、みたいなやつが完全にリラックスしている感覚があるな。
布団ではない、眠ることが約束されていない場所での寝る感覚は、体が自然に求めている欲求を感じる。さらに授業中に寝る、みたいな背徳感がない睡眠欲は、とても気持ちがいい。ちょっと寒くなって来たのでシャワーを浴びてお風呂から出る。
段ボールとゴミ、予想以上にそこそこあった荷物を雑に置いているリビングを抜けて布団に入る。ドライヤーを髪の毛にあてる。
時刻は0時30分を過ぎていた。目を閉じるがそんなに眠くない。youtubeから気に入ってる漫才を垂れ流す。寝れない。漫才が終わり、同じ芸人のラジオになった。次の動画に映ったらしい。寝れない。ゲストが来た。寝れない。いつのまにか違うゲストになっていた。寝れない。寝れない!!!!
せっかくなのでちゃんとラジオを聞くことにした。時間は3時になっていた。今日佐久間さんだっけ。いや、木曜日深夜か、マヂラブか。rajikoを起動するとちょうど時報が聞こえた。前からタイムフリーでちょろちょろ聞いていたCITY CHILL CLUBが生で放送されていた。MONO NO AWAREのベースの人が曲を流してる。全然知らん。どう通ったらこの曲を通過するんだろう。でもめっちゃいいな。今ここです。
眠れない、明日9時頃に鍵を受け取りに行かないといけない、起きれるかわからない。引越しをしたい。眠りたい。眠りたい!
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