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夜のピクニック

恩田陸の作品。
恩田陸といえば六番目の小夜子っていうイメージが強かった。小説は読んだこと無かったけど、小学生の頃ドラマがやっていて。山田孝之、鈴木杏、栗山千明なんかが出てたやつで、私は結構好きだった。誰が小夜子なの?っていうワクワク感とかドキドキハラハラして見ていたなぁ。ちょっと怖かったけど。

夜のピクニックは、映画化もされてるし気にはなってたんだけど。多部未華子ちゃん好きだし、でも作品紹介だけ読むと、えーこれずっとただ歩いてるだけの話かー、飽きそうだな、と思って避けてきた。

水戸一高校の話なんだよね?夜通し歩く行事。友達で出身の子がいて、話してたのを思い出す。

まぁ、とにかくあまり期待せずに読み始めたんだけど、なんと、これが、おもしろかったんだ!

そんなに薄い本じゃないし、本当にこの一冊、この行事の話で終わるのかなと思ってたんだけど、どんどん読めちゃう不思議さ。
そして歩いてる中で揺れ動く登場人物の心と風景が目の前に想像できた。

高校生という多感な時期の複雑な関係をさらりと描いていた気がする。ほんとうに、さらりと!でもこれは小説だから楽しいのかななんて思う。映画は見なくていいかなーって。

異母兄弟が同学年にいることはそうそうないと思うけどね。歩き続けて、いっぱいいっぱい考えて感じて、高校最後の行事を終えるっていう素敵な作品だったなぁ。

この、ただただ歩く行事を、読者を飽きさせずに引き込んでいく魅力的なお話を書ける恩田陸すげーって思った。
夏休みの間、たくさん本を読もう。

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