耳型の集音装置

2021/04/09(Fri.)

 オンラインパフォーマンスの依頼があり内容を考えていたところ、以前より構想していた実験的な録音装置を実現することにしました。昨年の新型コロナウイルスの流行以降、オンラインでのパフォーマンス配信の機会は増えましたが、聴衆の顔が見えないライブ配信では、いままでと同じようなパフォーマンスをしていても仕方ないと考えるようになりました。特に現在のライブ配信環境では、聴衆側がそれぞれに自身の視聴デバイスを操り音量を調整できることや、空間を共有することができず音を体全体で感じる機会がないことから、パフォーマンスにおいて大きな音を鳴らすことが重要ではなくなったように感じます。そこで小さな音を用いた表現として、聴くためのデバイス(楽器)、あるいは実験的なマイキングといった分野に発展可能性を見出しました。

 現在制作中のデバイスは自分の耳を3Dスキャンして造形した耳の形をしたマイクです。基本的には耳の穴の中に音の鳴るオブジェや日用品を仕込んでおり、穴の奥の方にあるダイナミックマイクを使って集音します。耳の穴に向かって話しかけることで穴の中の共振周波数を強調して集音したり、穴の中に指を入れてオブジェに触れることでオブジェから発生するノイズを集音します。

 まあ、まだ構想段階なので、まずは3Dスキャンしたデータを造形に適した形に手直しするところから始めてみます〜

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