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「帝王切開」でも出産するのは「私自身」である。

今日は最後の検診。

主治医には
「お!じゃぁ今度は入院する日になー」
と言われた先週。
「えー!あと1回検診あると思ってたんですけど!」
と返したところ、
「ほな、来て安心するならおいで。予約満杯やから好きなところ入れたるわ。」
とのことで、最後の検診でした。
不安を漏らすと、相変わらずサバサバしてる「あるある!大丈夫やわ!」とバッサリと言われるけど、いろんな受け答えから私は主治医のことをとても信頼しています。
あまり人を信用しないのですが、(上から目線になってしまいますが)この先生になら安心してお願いしたいと思えます。

帝王切開予定の妊産婦の支援について

午後からはZOOMで研究協力のためインタビューに答えていました。
大学で助産師を育成する課程で教鞭を取られている方が「帝王切開をする妊産婦への必要な看護について」研究をされるそうで、インタビューで複数回に分けて回答します。

第1子の時に感じたこと、当時や未だ残っている心のわだかまりやその原因を少しずつ言葉にしながら、そこから自分が無意識のうちに考えたり、探したり、求めたりしながらこれまでの5年間でしたことを振り返っていました。

どんな風に出産に臨みますか?


最後に「どんな風に出産に臨みますか?」と聞かれた時、言葉が出てきませんでした。
「出産するって言われても、、、Dr.が切って生ませてくれるしなぁ」
と思っていたら、その先生が
「出産する時に意識したいこととかありますか?」
と質問の表現を変えてくれました。

そして少し考えたことは
「下半身麻酔しているから、生まれてくる感覚は触感ではわからないかもしれない。でもこんなコロナ禍で大変な中、たくさんのDr.や看護師、助産師が関わってくださって生まれてくる。
そんな沢山の人がいる中で聴こえてくる声や息遣い、表情。器具や機械の音。見えてくる景色。におい。空気感。
そんなあらゆるものを触覚以外の全感覚で取りこぼさず感じて、手術室から帰ってきたら、スマホのメモに残したい。」
と答えていました。

「それはなぜ?」と聞かれると
「経膣分娩は立ち合い出産ができるところが多く、知っているいる人も多い。
でも帝王切開は立ち合いできるところが少ない。だからみんな知らない。
でもどんな生まれ方も方法が違うだけで命の誕生には変わらず素晴らしいことは一緒。
あの生まれた時に感じた自分から見た世界と正直な想いを、夫に、わが子に伝えたい。
そして、教員として、経膣で生まれた子にも帝王切開で生まれた子にも分け隔てなく、どんな出産も素晴らしいことを子どもたちにも伝えたい。
そして100%受け止められなくても、曖昧な部分がありながらも「自己決定」した自分を受け止めたい。」
と答えていました。

実は、今回の出産は帝王切開で立ち合いできる病院にしようと思っていたのに、コロナ禍で立ち合いができず、その病院を選びませんでした。
でもなぜ自分が「その病院を選ぼうとしたか」この質問でふに落ちました。

最後にその先生から
「どんな出産でも主役はお母さんと赤ちゃんです。あなたのこれまでの葛藤や行動は『自分で生む』という意識があったからできたこと、やってきたこと。
たとえ帝王切開で医師の力を借りて生むとしても、どこの病院で、主治医を誰にするか、入院中どう過ごすか、産後はどうするかとかご自身で考え、選択し、決めてこられたことは自信をもって出産に臨んでほしい」
と言われました。
終了後はスッキリした気持ちでいました。

インタビューを終えた今、考えること

インタビュー終了後、出産に向けてさらに気持ちが整った気分になりました。
正直、術後の傷の痛み嫌やな、、、とか細かいことはいろいろ思いますが、そんなことより何より「妊産婦の心理的支援」って実はものすごい大事なんじゃないかと思いました。

インタビューの中で第1子の時は病院がどこまでしてくれるのか、とか自分たちで何をしないといけないとか知らずにいました。
産後の自分の体がどうなってるかとか知らずに産前を過ごしていました。

そうした経験があっての今回は産前産後のイメージがついているので、物理的にも心的にもいろんな準備が整っています。
しかし、前回はというと、産前7週までフルタイムで働き、家には寝に帰っている状態でつながりもない。
相談できるママ友とか子どもの同世代の繋がりもない。
利用できる行政サービスも知らない。
なんというか、わからないことや知らないことが多すぎて、自力で調べてみたけど、全然たりなくて。本当にそんな状態でした。

今、産後うつ対策などが叫ばれ、産前産後ケアの必要性がうたわれています。その中でハードの充実があります。たしかに施設などのハードも必要ですが、私はもっとソフトの充実も必要ではないかと思うのです。

①自分の産前産後の心身の状態を知ること
②自分の状況や環境に合わせた産前産後の準備を整えること
③不安や疑問を受け止めてくれる相談できる伴走者(助産師などの専門家)がいること

必要なことはまだまだあるでしょう。
そういったいろんなことが繋がって「妊産婦がまわりの力を借りながらも『自分で「生む」「育てる」』意識を育むことができ、安心して産前産後を過ごせる環境」につながるのではないかと考えます。

今回は前回の出産と違い、いろんな人にサポートしてもらいながら出産に向けてコンディションが整っていっています。
第一子の時の孤独な産前産後に比べたら雲泥の差です。
でもこのご縁を繋げてくれたのは実は「第一子」なのです。彼が生まれていないと今の私はありません。
そのことにしっかりと感謝しながら、新しい家族との出会いに向けてゆったりと過ごしたいと思います。

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