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無題

スティーブンキングのキャリーって小説で好きなところがあってずっと前に読んだのですがそこを読みたくてもう一度買いました。
すごく短い文ですがずっと心に残ってたので
その場面は狂信的な宗教の信者の母親をキャリーが殺しに行くシーンの

プレゼントをあげるわ、ママ
わたしのプレゼントってなんだかわかる?
ママがいつも欲しがっていたもの、暗黒よ。神様が住んでいるところよ。

っていうところです。
なんでこの文章が好きなのかよくわかりませんが、なんかキャリーの母親みたいな人、あんな極端じゃないとしても時々いるなって思います。
なんというか自分の狭い世界と価値観が絶対だと思っててそれを周りの人間に押し付けずにいられなくて、強い信念があるように見えて自分が絶対的に思えるものに自分を同化させて縋らないといられないような空っぽの人。
私はそういう人があまり好きじゃないからかなぁって思いました。

そういう人が本当に欲しがってるものってなんだろうって思った時、この一文が自分的にああそうなんだって腑に落ちたような気がして、そういう人の神様って暗黒、何もない、虚空、そこに行きたいんだなあって思いました。
そこから目を逸らすために、他人をコントロールしようとしたり、自分以外の人を見下して安心したり、絶対的に思えるものに異常なまでに縋ったり。
キャリーの母親が私は弱い人間だからキャリーを殺すべきなのに殺せなかったって言っていましたが、そういう人はきっと一人になれないんだなって思います。
他人を鏡にしないと自分がいないから。

きっとそういう人の神様ってどこにもいないと思います。
ただの自分自身の空虚と暗黒。
きっとキャリーの母親は暗黒に帰ったんだと思う。

だってはじめからそんな人はいなかったから。

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