英国、あるいはユーリズミックス

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長谷川伸『荒木又右衛門』(徳間文庫)や高峰秀子『わたしの渡世日記』(文春文庫)に深く感動したわけだが。
俺は目下、イギリス史の本を読んでいる。

自分は大学受験で日本史を選択。二次試験に数学がない、旧帝大かそれに準ずるところと探したら結構少なく、紆余曲折の末、政経倫社をやめて社会科は日本史を選んだ。
これが面白く、ハマってしまった。おかげで大学に入ってからも、数少ない「優」の1つが一般教養の日本史。
いっぽう世界史はso so。まあまあ。
バランス悪いぞあれから40年。ここのところ外国の歴史を自分なりに勉強している。

我らが宗主国メリケンについては猿谷要『物語 アメリカの歴史』(中公新書)や本田創造『アメリカ黒人の歴史』(岩波新書)、大橋健三郎ほか編『総説 アメリカ文学史』(研究社)など。しかし英国は、何と驚いたことにやってなかった。
あれだけお世話になっているのに。ビートルズにストーンズ、ツェッペリンにシェークスピア、ホラー小説の数々・・・

あり得ないでしょうということで今読んでいるのが君塚直隆『物語 イギリスの歴史』(中公新書)。猿谷先生のがとても良かったから、引き継ぎ中公の「物語」シリーズで。
物語いうても昨今流行りのデマ・歴史修正ではありません。蓄積された知見に基づくまともな学者の書。そもそも岩波や中公はいかがわしいの出さないしね。筑摩も。

これがめちゃくちゃ面白い。ローマ帝国やデーン人の侵略と防衛、王権の成立、そして議会政治。世界最初の産業革命。まだ途中だが、目から鱗が落ちまくり。
英国史(米国史も)は高校時分に習った世界史の一環でざっくり知ってはいたけれど、詳らかにすると格別。
自分は常々「なぜあんな小っちゃな島国が、世界の半分を支配するに至ったのだろう」と疑問に思っていた。これは単に軍事力(19世紀においては産業革命の成果)のみならず、搾取じゃあるが経済政策 ー ひいては植民地経営、そしてそれらを通じた情報分析。この三つ巴じゃないか知らん。ジェームズ・ボンドは単なるお話じゃない。
そんな仮説を立ててはいるが、さていかに。本書を読み終わったら、その答がある程度は出るだろう。

自分が英国に興味を持ったのは、まず音楽。次いでホラー小説。そして印度。
音楽で言うと、ツェッペリンやユーリズミックスは英国でなければ決して出てこなかっただろう。こと後者はヨーロッパをも体現していると思う。

ケルトにソウル、クラフトワークあたりのテクノというかニューウェイヴというか、ドイツミュージックともミクスチュア。
もちろん英国の伝統、ヴァイキング(※)やシェークスピアをきちんと押さえている。

※英国はヴァイキングに攻められた方だが、彼らの文化や戦術を取り入れパイレーツオブカリビアン、のちに英国海賊が王室に協力し、大英帝国の主要な戦力となったのは周知のとおり。まるでヤクザと日本政府みたいスね。

そんなことで、一発目はこれ。映像途中、下方に
〝To be or not to be.That is the question〝(「ハムレット」の名台詞)
が見えます。
◆ロンドン五輪におけるアニー・レノックス(ユーリズミックス)。Little Bird
https://youtu.be/7rEdu0Sl3w4

こういうのは日本には無理かもなあ。伝統を重んじるべき保守の連中がそもそも伝統を知らないし、長野でも欽ちゃんとか使うし。
今度の東京じゃ秋元康がプロデューサーなんでしょ? ロリコン・幼稚極まりないアイドルとかになるんだろうなあ。ああ、恥ずかしい。
※俺はコロナがなくても元々東京五輪反対だが、それはまた別途。

ちなみにアニー・レノックスとデイヴ・スチュアートはユーリズミックス結成前、ダスティ・スプリングフィールド → ベイシティ・ローラーズのアレをカヴァーしてました。
◆二人だけのデート
https://youtu.be/MsTIuNikq4w

ベースは山内テツさんじゃないですよ。

ユーリズミックス、2曲目はミリタリーで身を固め、平和を訴えた〝Peace Live〝ツアーより
◆When Tomorrow Comes 
https://youtu.be/o485AZ7yOmU

しかし住友君。
1984年冬、俺と友人スミトモはいずれも、恋をしておった。後輩女子に。
スミトモは沼袋に居住。俺は保谷(東伏見)。クリスマスの夜、共に叶わぬ恋が痛くて切なくて、ほぼ無言。
彼のゼッツー(カワサキのバイク)で夜に出た。
環7、高井戸、用賀・・・体も手足も冷え切った。が、奴と走ったことで少しだけ、ほんの少しだけ、心が救われた。そんな気がした。
これはその曲。
◆There Must be an Angel(1984年発表)
https://youtu.be/CkmZmzBXXgI

この後スミトモも俺も、恋が成就することになるのだが・・・Miracle of Love。
https://youtu.be/mAilvA8OA7Y

ユーリズミックスの凄さは、近年では、これに極まるのではないか。
◆ビートルズ50周年トリビュートより ー Fool on the Hill
https://youtu.be/kgyrt7Mhnjo

本物はかくも凄い。わたし、これ見て泣きました。
しかしてユーリズミックスは英国は、大人である。いっぽう我が国はどうか。

英国史からずいぶん離れてしまったが、いつもながらに竜頭蛇尾。牽強付会。
失礼しました。


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