FLASH BACK

週末。
外出自粛で、いつもより閑散とした街。

駅前の大通りに出たら、
いつもより、車が疎らだった。
通り過ぎるのは、
少しの自家用車と、Uberとピザハットのお兄さん。

すれ違いながら、別の景色を思い出した。
苦手だった町の景色を。


無駄に広い、車が少しだけ行き交う道。
休日も、平日でも、車があまりにも通らないから、
横断歩道が要らないくらい、閑散とした道。

みんな、どこに居るんだろう、と思っていた。

建物が大きいから、歩けど歩けど景色が変わらない。
最寄りのスーパーまでは歩くと30分近くかかるけど、
バスも殆ど来ないから、歩いた方が早くて。

でも、外に出ると、人気がなくて、
もし何かがあったら、誰にも助けを求められないな、
とか、よく思いながら歩いてた。

その町自体が嫌いだったんじゃない。
人は温かかった。
たくさんの人が優しくしてくれた。
それでも苦手だと思ってしまったのは、
たぶん、風土や習慣が合わなかったんだろう。
それだけのこと。

そう、それだけのこと。

もう、そこには住んでいないから、
もう、悲しまなくていいよ。
って、自分に言い聞かせながら、
早くコロナが収まってくれないかなぁ、って思った。

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