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ダメ男としか付き合えない女

 見目麗しく文武両道、掃除も料理も得意で、甲斐甲斐しくパートナーを世話できる。さらに、非常に多趣味で誰とでも話ができる。そんな、絵に描いたようなパーフェクトなレディーが悩みを抱えていた。

いい相手が見つからない、と。

関係を持つ男性はほとんどが何かしらの問題を抱えていて、自分がひく貧乏くじの多さに辟易しているようだった。

なぜだろう?

そんなパーフェクトレディーがいい相手を見つけられないなんて……。

世の中はずいぶんと屈折してるんだなあと傍観者の立場を気取っていたが、どうやら彼女の悩みは深刻らしく、ひたすらに嘆いていた。

改めて考えてみた。
彼女は万能の神のようなステータスを持ち、寄ってくる男性は欠陥のあるステータスを持っている。はてさて、なぜでしょう……。

たぶん、

たぶん、彼女はips細胞みたいなものなのだろう。ips細胞について詳しく知っているわけではないけれど、用途としては既存の傷ないし欠陥にそって、それらの細胞に変化して修復するというものだろう。

ips細胞って常時必要とされるものではないですよね?
問題、欠陥があってこそ価値を発揮するものですよね?

たぶん、彼女もそうなんだと思います。

彼女はその万能細胞のようなステータスのため、欠陥を抱える男性に言い寄られる性なのかもしれない。「この人なら欠陥を埋めてくれるかもしれない」という無意識下で男性は判断しているのかもしれない。

反対に、問題を抱えない男性は彼女を求める欲求がない。

パーフェクトな人同士の関係なんてありえない。ほとんどのカップルが凸凹した関係なんだろうな。

彼女には申し訳ないけど、問題のある男性を抱えるのが彼女の性なんだろうなあと傍観者の立場を気取って悟っているパーフェクトな僕なのでした。

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