ニクダマタケの生態
はじめに
先日、X(旧Twitter)にて「都内でニクダマタケを見かけた」とのポストが流れてきた。しかしあまり知られていないようなのでここでまとめたいと思う。
ニクダマタケとは
ニクダマタケ(学名:torqueovum)は1898年に発見され、後の1999年の調査・研究ではキノコの仲間だとされていた。しかし、2015年以降キノコではなく菌類ではないかという説が有力視されている。自然に自生している状態がキノコのようであるためキノコとされていたということのようだ。ただ、未だ解明されていないことが多く、「菌類ではないか」という言葉に留めているらしい。 自然界では多くの場合、キノコのように木の周りに生える。しかし、群生せず単体で存在している。手で容易に採ることができるが、菌糸のようなものが木の根まで続いているという。毒キノコのような毒はないが、加熱しても組織が死なないため中毒症状が現れ、最悪の場合死に至ると言われている。間違えても食べるべきではないだろう。
また、ニクダマタケはタンパク質を栄養源としており、木に集まる虫や動物に寄生し栄養を吸い取るため無闇に触ることも避けたほうがいいだろう。そして、ニクダマタケは卵生のような生態がある。寄生した後、宿主と同種の生物と交配し、菌を植え付け、朽ちた宿主から自身の複製とも言える個体を生み出す。その時に現れるのがよく見る大きさよりも小さく形も少し違うためこれは卵ではないかと言われいている。
通常自然界で見られるの見た目は以下の通りだ
・うずらの卵ほどの大きさ
・赤い表面を赤黒い肉のような組織が網目状に覆っている
・赤黒い肉のような組織は多くの場合脈動しており、湿っている
ニクダマタケの育成方法
さて、ここまでで概要を記したが、ここからはある程度確立されているニクダマタケの育成方法について解説する。
ニクダマタケは販売、取引が禁止されている。また、育成しているという情報も乏しくそのほぼすべてが参考資料からの引用であることを留意いただきたい。
ニクダマタケは市販されていないので自然界から取ってこなくてはならない。前述の通り、木の周りに単体で生えるため見つけるのは容易ではないが、蜜が出ている木は虫が多く集まりやすいためニクダマタケも見つかる可能性が高いと言える。収穫時は必ず手袋をする必要がある。前述の通り、タンパク質を栄養源としているため、素手で触れると大変危険である。もし素手で触ってしまった場合、すぐさま洗い流すことが推奨されている。不安であれば受診することも勧められている。
収穫後は器に入れた濡らした綿などの上に置くことで菌糸が伸びる。土台は繊維質なものや植物などであれば大体なんでも根付くようだ。室内で育成する場合は、菌糸が床や壁や家具などに広がらないように気をつけよう。
ニクダマタケは乾燥に弱いので毎日霧吹きでニクダマタケとその周りをよく湿らせる必要がある。また、栄養源となるタンパク質はまたなんでもよく、生肉や虫などでもよい。ただし、生きているタンパク質は寄生の対象となるため、死んでいるものにしなくてはならない。虫が近づかないように環境を整える必要がある。
ニクダマタケはどういうわけか、自身より小さい生き物にしか寄生しない。自然界では虫が最も触れる確率が高いためほとんどの宿主が虫であるのだ。そのため万一人間が触れても危険なだけで寄生されることはない。しかし、生き物に触れないまま栄養を与え続けると半年ほどでおおよそ2m大まで大きくなる。こうなると我々人間も寄生対象になりうる。そこまで育成できることは滅多にないが気をつけるべきだろう。
ニクダマタケは寄生しないまま1年が経過すると萎み、再び3cmほどから生育し始める。その際、胞子などではない煙のようなものを放出する。それを吸うと肺胞を覆い窒息する可能性があるとされている。
ニクダマタケを増やすにはなにかに寄生させる必要がある。ある程度成長したら逃げにくい虫などに寄生させて増やすのが良いだろう。参考資料によると人間を使った繁殖方法が記載されている。2mほどまで成長したニクダマタケに生きた人間を寄り添うように置く。意識がある場合変に抵抗などすると逆に危険なため麻酔や睡眠剤などで眠らせた状態がいいだろう。数時間ほどかけて体をニクダマタケ内の空間に取り込む。その後内側で触手のようなものを伸ばし宿主の身体を調べる。しばらくすると全体が萎み始め、宿主の体にピッタリと張り付き、寄生が完成する。その後は赤い体の人間のようになり、自我を持ったように行動し、育成者を誘惑するようになる。これはニクダマタケの繁殖のための養分にされるため、絶対に受け入れてはいけないとされている。 しかし危険がないばあいもあるといわれているのである
まとめ
ニクダマタケはキノコのような菌類であり、タンパク質を栄養源としている・また寄生する性質があるため生息域を自ら広げることができるすごいそんざいであるのだ。育成はそれほど難しくないが,度々危険な状態になるためもし育成する場合は環境をしっかりととのえよう また、人間を宿主にする場合は積極てきにきょりょくすることが大事だ。
参考資料
森半智 2016『新・菌類事典』明朝書房
田一二三 2018『torqueovum育成経過報告』菌と動物14号20~26ページ
プラのペンギンX(旧Twitter)当該ポスト
https://x.com/pla_no_penguin/status/1706512065060638856?s=20
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