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アイドルマスター!ディミニッシュセブンス

アイドルマスターをもっとわかりたい。

音楽の仕組みをなんとなく意識しながら、アイマスの曲は「なぜ」いいのかをより深く理解していきたい。

あと奏法とか技法の名前がまだよく知らないカタカナいっぱいあってカッコいい。

というのがあり、楽器と音楽理論に強い斎藤パさんとの話を配信した。

まずシンデレラガールズ、LiPPSの「Tulip」がカッコいい。ここまでは前提で、「なぜカッコいいのか」を追求して解説していただいた。
5時間ぐらい話してたのだが3時間目あたりで「ギターアレンジでアルストロメリアをやる」など鮮烈にかっこいいことをやりだす。

番組という作り方をしておらず、僕がセブンの豚ラーメンを食べていたり、とりとめのない話になっているけども「Tulip」はなぜカッコいいのか、
「聴けばわかるじゃん。LiPPSはかっこいいんだよ」ということしか言えなかったオタクが、「フラットで短調なAメロからBメロで転調がかかり、盛り上がったとこで違和感なく短調に戻しサビに入る」という理解により、楽曲をまっさらで聴いた時に感じる「幕が開く感じ」や、なぜ耳だけで妖艶さを感じられていたのか。というのがつかめる内容になっている。

僕が言うことはサビ前のギターの「にゃ↑ららら↓~ん……」とドラムの「つくターン↑」で劇的にかっこよくなるよね、というにわかオタクのふわふわ質問なのだが、「フレットのきわきわのところで鳴らしてるんすよ」とか、「にゃ↑ららら↓~ん……も実は、サビに行く前で同じコードを何度か鳴らしているので、違和感なのに既視感があり、展開としては自然に受け入れられる」という説明をしてくれているので、にわかオタクが「ああ~~」と相槌を打っているだけなのだが、実はかなり理解というか「音楽偏差値の上昇」を噛み締めている。

人に聞かせるコンテンツとしては仕上がってないけど「アイマスの音楽をより深く掘り下げていきたい」というオタクにとって内容はめちゃくちゃいいので 今後もやっていきたい。


斎藤さんはシンデレラについては実はインストしか聴いていない(MVを全く見ていない)。個々のアイドルに対しての知識も入れていない状態で塩見周子の「青の一番星」について

ひとことで言うならただの和ロックじゃ済まされていないところですね
あまり和ロックでは使わないようなジャズ的なコードを使ってるところが大人っぽかったり
一番サビ終わりまでだけでもリズムパターンがどんどん変わっていて(和ロックぽくないのもある)自由奔放?って感じがします
どういう性格のアイドルが歌っているのか知らないのですが、なんとなく伝わってくる気がするんです

「塩見周子がどういうアイドルか」まで楽器聴いただけで看破している。
斎藤さんもすごいが「そういう曲」を作ってる人もすごいのであった。


論拠の視点が違うから見えてくるものが異なり、それぞれの印象により理解が深まるという体験も非常に面白かった。

例。

「なぜモナリザは美しく見えるのか」というのを、
・歴史的な見地から解く
・美術的な観点から解く
というように異なるアプローチがあって、僕は歴史をざっくりやっているので、わりと「人間ってこうされたらこう思う、こういう仕組みがこういう感じで良いと感じるようになってく」のを考えるのも紐解くのもすきだ。
モナリザでいうと、中世は宗教画などに躍動感はあってはならないとされていた、芸術にお金をかけて深めて高めていくという素地がなかったが、大航海時代前後の「王国・教会・貴族」のありかたが変容していく流れで貴族・イタリアのメディチ家が行ったれ行ったれ感覚で文芸復興がなされ、ルネサンス的な感じでより人間的で躍動感のある芸術、しかし教会が強いので「元ネタはキリスト教に限る!!」とされていたのが、レオナルドダヴィンチは受胎告知で結構ソリッドな絵画技法をキメてきてセオリー崩していったり、ボッティチェリが「ヴィーナスの誕生」、ギリシャ神話モチーフのエロい絵を書いたりしてなんだかとってもルネッサ~~ンス!!な感じになった。という見方をしている。

こういうのは人それぞれが調べてきて発表しあって出来上がってくる、広い意味合いでの「辻褄」で、数学的な正解ではないのかもしれないけど、それが合わさって理解が深まっていくのは気持ちがいい。

まったく前情報なしでモナリザを見た時、「誰やねん」とか「シンプルなおばさん」とかいう印象でいい。感性なので。現代的な美醜観でいうと、フェルメールの真珠の耳飾りの少女を見た時に初めて「かわいいじゃん」「マユゲないけど美少女やん」ぐらいの感じかもしれない。ちなみに僕が好きな画家はウィリアム・アドルフ・ブグローと、おおた慶文です。

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