PITTZZ × WOA
伊藤です。
WESTOVERALLS Designer 大貫達正さんからお声がけ頂き洋服を作らせて頂きました。
古着に精通し造詣深いデザイナーさんならではなテーマ性で定期的に古着に関係する方とコラボするWEST'S VINTAGE。
過去作られ現代ファッションにも色濃く影響を残すヴィンテージの数々。
注目され評価される一方で昔作られた数限りある資源。
言わずもがな枯渇していきます。
後世伝え残すべき歴史。
古着へのリスペクトから生まれた企画で、その時々コラボする方のアイデアでヴィンテージを元に作りたい服を作るというライン。
今回僭越ながらお声かけ頂いた次第です。
好きな古着が数多くある中で、何をどの様に作るか考え、最終的に自分自身が本当に着たい物を。
お店の商品と同じでそう思える物ならばお客様にも伝わると思いました。
今回アメリカのウエスタンスーツセットアップです。
自分自身好きなジャンルでお店の商品としてもオープンから今も、これからもやっていきたい古着の1アイテム。
ウエスタンウェアはカウボーイの正装服でありワークウェア。
アメリカならではな服で空気感が好きです。
現地へ買付行く度により良く見える服。
実際に自分自身が長年数々着続けてきました。
古着を生業としている自分としては、あり物をまんま作ることはしたくないし、自分の役目ではないと思うので、どう落とし込むか。
頭の中の妄想でずっとあり続けていて、過去〜今も買付で探し続けているものの巡り合うことがなく、もはや存在するのかもわからない物。
スエードレザーで作られたウエスタンスーツ2ピースセット。
正直なところウエスタンスーツ自体が万人うけするアイテムではないかもしれません。
しかもコストかかる贅沢なオールレザーでの注文。
わかっていながらもせっかく頂いた貴重な機会、本当に作りたい、自分自身が一生着て育て上げたいと思う物と伝えさせて頂き、快く引き受けて下さいました。
単にウエスタンスーツと言っても各年代毎の特徴がそれぞれ異なります。
1950〜1970年代頃の物を実際に自分自身着てきた中での気付き。
今回はその辺りを自分なりに集約。
大まかなサンプルとしてピックアップした
Jacket
mid〜late1970’s Levi’s Sta-prest denim western
Pants
1950’s H bar C Rayon gabardine western
サンプルのジャケットは私物でSize44のビッグサイズを着ているのでそれを。
これがまた独特なんです。
1970年代と言えば、デカエリ、ウエストシェイプ、比較的良くあるのは後ろダブルベントで丈長、ウエスタンの特徴的ヨーク切り替えなども相まって鋭角なルックスシルエット。
そんなアイテムが多い中でサンプルにした物は何が独特だったか簡潔にいうとビッグサイズだったという事ぬきにしても年代の特徴、ウエスタンディテールは残しつつ独特な丸みがあり後ろセンターベントで着丈が長すぎないバランスの良い物でした。
細かいところの調整をして、ウエスタンでありながら鋭角すぎない丸み、しかしあえて現代に寄せすぎずに残したウエスタンならではのシャープさ。
テーラーメイドで裏の仕様なども良い仕上がりです。
ちなみにビッグサイズで作ってるわけではありません。
パンツはアメリカウエスタンブランドの代表的ブランドのH bar C。
好きな1950’s物。
裏地の仕様、始末などが年代新しい物は比べるとジャケット以上にパンツがわかりやすく見た目のクオリティー下がるなと思っていたので基本的な仕様はこちらにしました。
シルエットは1950’sの腰、ヒップ、モモ周りゆったり〜緩やかな美テーパードも好きで良いなと思い悩みましたが、今回は1970’sのフレアをチョイス。
広がりすぎると履きづらい方がいると思ったのと、末永く気分に左右されず履いて頂きやすい微フレア。
綺麗なシルエットでスタイル良く着用頂ける物に仕上がっています。
サンプルを着て細かい仕様、見えない部分ではありますが裏の仕様など細かく調整繰り返しました。
あとはやっぱり素材のレザーです。
アメリカウエスタン、カウボーイ服となるとスエードまたはディアスキンがイメージ。
今回は気を遣わずタフに末永く着て頂きたい思いから上質なゴートスエードにしました。
古着でありがちな固く分厚いものでなく、程よい厚みで耐久性もありなめらかな柔スエード。
着込んでいくにつれて体に馴染みフィットしていきます。
あわせて雰囲気良く表情変わっていくのがポイント。
古着の楽しみである経年変化の楽しみ同様に。
個人個人の体型、ライフスタイル、環境によっても経年して行く様がまったく異なってくるのも魅力です。
着て育て末永く愛用し自分だけの1着になる服になってます。
おそらくレザーのウエスタンスーツセットアップなんて後にも先にも買ったことない人がほとんどだと思います。
作ってるブランドも思いあたりません。
一生の中で1着あれば十分だし、着用頻度はよっぽどじゃないと週5、いや3なんてことないかもしれません。
ある種攻めた服です。
せっかく作らせて頂くなら、ありそうな服、大量消費服では物足りなく、人との差別化、オリジナリティを味わえる服が良いと思いました。
この瞬間でしか買えない出会い。
古着もそうだからです。
そういう服は時折りクローゼットから引っ張り出して着た時は心地良いし、特別な気持ちになれるんじゃないでしょうか。
着て高揚する服って素敵です。
長くなってしまいました。
大袈裟に聞こえるかもしれませんがそんな服に仕上がりました。
今から残っていくOne of kind、後のvintageとなれば幸いです。
なおPITTZZ店舗での展示会、受注会は致しませんが、お店でサンプルを置かせて頂きます。
サイズは3サイズ展開。
メンズだけでなくレディースでもかっこいいアイテムになってます。
実際に見てお試し頂き、ご希望の方は受注オーダー承れます。
3月初旬から3月いっぱいは可能です。
オーダー頂いた物の納期は約半年後、9月末〜10月初旬を予定しております。
ご興味ある方はお気軽にスタッフに聞いて下さい。