見出し画像

10年来の女友達と結婚指輪を買った話

十年来の女友達と結婚指輪を買った話

備忘録として書いておきたいと思ったので書いておく。

「30になっても互いに独身だったら指輪でも買うか」
始まりは二人で交わしたこんな言葉だったように思う。ちなみにこれを書いている現在27歳。なんで早まっとんねん。

相手との関係性と言えば高校の同級生。私たちは女同士。
高校一年生の時に同じクラスだった。それだけ。
クラス変わったら縁切れちゃうのかなと思っていたらそうでもなかった。
じゃあ卒業したら縁切れちゃうのかな、それも違った。
じゃあじゃあ就職したら、そうでもなかった。
十年以上月一以上の頻度で会って、大学に入ってからは年一でどこかしらに旅行も行っていた。
私にとっては一番仲のいい友人だった。十年経ってようやく、相手にとっても私は一番仲のいい友人なんだと気づいた。遅い。
気づけなかった理由は大きくふたつある。
ひとつは私の自己肯定感の低さ。
もうひとつは相手の人間関係リセット癖。
LINEやtwitterの垢消しを近くで見てきたからこそいつか私も切られるんだろうなと思っていた。でもなんか違うらしいからhappy。

2022年12月、私たちは都内でお泊まりをする約束をしていた。けれど相手がコロナにかかって中止になった。
その時私は思った。
こいつ放っておいたら死ぬんじゃないか?
そう思ったら怖くなった。そうならないように何か相手をこの世に縛り付けるための呪いが欲しくなった。当時の私にとってそれは指輪の形をしていた。
相手にもその旨を伝えて、お金を貯めることになった。
貯金がそれなりに貯まった頃、私は言った。
「早く買わないとこの金を別のことに使ってしまいそう」
半分本当で半分は嘘。とにかく早く何か形を残したかった。

当時の私のインスタの広告は指輪関連のものばかりだった。
ブランドを決めたら後は実物を見て考えようということになった。
そして2023年3月、私たちは某デパートの宝飾店コーナーで揃いの指輪を買った。
女同士で結婚指輪を買いに行って嫌な対応されたら嫌だなと怯えていたけれど蓋を開けてみれば店員さんは優しく親切だった。
最初は別々のデザインでもそれぞれの好みのものがいいよね、と言っていたが結果として同じデザインのものになった。私はひっそりと喜んだ。
サイズの調整で1か月ほどかかると言われてその日を待った。
指輪は二つとも私の家に届いた。すぐさま写真を撮って相手に共有した。
しばらく予定が合わなくて直接会ったのは5月に入ってから。
またもや泊まりがけで出かけていた私たちは宿で相手の指に指輪を通すごっこと指輪の箱をぱかっと開けるプロポーズごっこをした。実に楽しかった。

それ以来私は結婚したことになったし、年中指輪を左手の薬指につけて生活している。
法律が追いついたら相手を縛る呪いのひとつとして籍を入れたいとも思う。

今は遺影という名のフォトウェディングを撮るべくお金を貯めているが、浪費癖のある私たちの明日はどっちだ!?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?