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うるう日の京都は静か

いくつか買いたい物や食べたい物があったので、それらが全部揃っている京都駅へ出かけた。つい数日前も来たような記憶があるが、たぶん気のせいだろう。

今日は伊勢丹に用がある。
伊勢丹へ行く場合、私の動線的に、いつも地下街のキューブを歩きながら徐々に気合を入れて、恐ろしい人口密度のデパ地下に突入する、という戦法を取ることが多い。
しかし今日は、改札からキューブに向かう時点で既にいつもと様子が違った。

人が少ない。

キューブも静かだし、ぬるっとデパ地下に入店した後も、人の波に押されることはなかった。ショーウィンドウに並ぶキラキラとしたケーキを一つ一つ眺めることができる。(平常時は人が多すぎて、そこにあるのが和菓子か洋菓子かも判別できないことが多い。)これが今ウワサの「観光客が少ない京都」というやつか!
皆がマスクを装着していること以外、商品・サービスに何ら変わりはないので、店員さんたちが「いらっしゃいませ~」と、ゆったり微笑んでくれている。

あ、これ、すごく良い。
京都のお店が、京都で生活する人々に向けてサービスを提供してくれているこの感じ、久しぶりだ。
静かな雑貨屋さんでなんか良い匂いのする造花を物色した後、ランチタイム真っ只中なのにレストラン街で一切並ばずにお店に入れたのもびっくりした。北海道物産展だけはレジまで少し並んだけれど、それもまた良し。
騒動が収まった後も、この状態だけ続いてくれないだろうか。

「観光客は来なくていい」などと言う気は一切無いし、むしろ大好きな京都を、世界中の人に見に来てほしいなぁと思っている。けれど、今日の静けさに好感を持ってしまうのも、住民としての素直な意見ではある。

帰宅後、ジュンク堂京都店が今日で閉店、というニュースを見た。
京都駅じゃなくて烏丸に行けば良かったなと思った。

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