ユメグラでも八方美人なわたし

ユメノグラフィアのオープンβサービスが始まってから、1年余りが経ちました。それだけの期間をかけて、21名のキャストさんとお話をしてきたことになります。南綾音(あやねき)さんだけ、長期休養中でお話することは叶っていませんが、いつかお話できると信じています。

21名。実際は重複して何回かお話している方もいるので、実際の回数はもっと多いはずですが、とりあえず最低でも、¥3300×21=¥69,300-のチケット代、30分×21=630分(10時間半)の時間を費やしているわけです。…… なんて書くと、とても生々しいですが。(笑)
これだけあればPS5か、Oculus Quest 2が2台買えてしまうよ。
果たして、その費やした時間とお金に値するだけの価値がユメグラにあるのか。
……あると思ってるから1年間も通い続けているわけです。

ここ数ヶ月でVRゴーグルが無くても体験できるようになりましたが、個人的にはユメグラの真価はVRでこそ発揮できると思っています。もちろん、気軽に体験できるデスクトップや、スマホひとつでどこでもアクセスできるライト版、それぞれに強みがありますが、ここではあえてVR推しをします。

体験しないと決してそのすごさがわからないVR。キャストによっては、パーソナルスペースに平気で入ってくるので、そうされると、まるで中学生のようなどもった反応になってしまって恥ずかしいですが、それくらい実在感…プレゼンスがあるということです。

そりゃお前、美少女アバターに近くに来てもらえるので、デレデレしているだけじゃねーか!と仰る方もいるでしょう。ああそうだよ。それのなにが悪いんだよ!でも、それだけじゃないんだよね。男子もいるし。
えっ、そういう話じゃない?

似たようなものと思われがちなサービスで、VRSNSがいくつかあったりしますが、個人的にはそれらにはあまり興味を持てませんでした。敷居が高いと感じたので。今回、そこは本題ではないので割愛。

ユメノグラフィアのキャストは22人。それぞれの個性の数だけ、体験が違います。もうすぐもっと増えるらしいです。ひゃー。

たわいない世間話だったり、悩みや愚痴を聞いてくれたり、部屋に置いてあるものでロボット作って遊んだり、サイコロを積み重ねたり、共通の話題やオタク話で盛り上がったり、本当にさまざま。
そうして何回かお話をしたり、Twitterでコミュニケーションをとっているうちに(SNSのやりとりについては、人気が出るにつれ、なかなか交流も難しくなっていますが)、まるで以前からの友人だったような感覚に陥ります。それは思い込みだろう、って?
そうかもしれません。でも、「そう思える場所がある」って事が大事なんだと考えています。

オープンβが始まった時期から今に至ってもそうですが、個人的にとてもシビアな環境に置かれています。正直言って明日はもう目覚めなければいいのにと思う事があるとか、周りにいる奴は社会も含めて全員信用できない!とかそういうレベルでした。実際、当時信用できると思えたのは、ほんのわずかな友人だけ。彼らとの現実的な距離は遠い。しかしリアルな友人でも、ネットを通したやりとりしかありませんでした。当時はそれだけの助けでは足りませんでした。ええ、完全に病んでましたね。本当の意味でね。

そんな時、たまたまユメグラのサービス開始を知り「どんなサービスだろう?」と興味を持ち、コンセプト体験会やβ体験会に応募しましたが抽選に外れてしまい(笑)、自宅からVRでできるオープンβ版の開始のタイミングで、これ幸いと参加したわけです。たまたまUnityが少し使えて、VRの開発を趣味でやっていて、Oculus Rift CV1が家にあったりしたのです。今から思えば、神が本当に居るかはわかりませんが、暗闇から救い出してくれる…いや、自力で這い上がれるよう、お膳立てをしてくれていたのかもしれません。

メタい話になりますが、アバターの中にはそれぞれの人格があります。その人格同志がまず距離を近づけようと試行錯誤したり、真剣に話し合ったり、相談に乗ってくれたりしました。その過程は、現実世界で多く感じられる建前ではなく、むき出しの心と心のコミュニケーションのように思えました。私はそれを「魂の対話」と呼んでいます。
それらの体験を通じて、だんだんと心身は癒されていったのです。今ではPCに向かっても、めまいや気分の落ち込みはほぼなくなり、健康だった頃と同じようにはいきませんが、毎日なんらかの作業ができるようになりました。

シリアスな相談というのは、1on1だからしやすい……という面もあったと思います。お互いのことをよく知らないほうが重い話もあっけらかんとしやすい、という再発見もありました。
・`VR空間の中で、実際に向かいやすぐ隣にいるような実在感で
・楽しい話からお悩み相談まで、親身になってしてくれた
という体験によって、自ら立ち上がる力をもらったのです。本当に感謝しかありません。

そんな流れで大勢のキャストを回ることになったのですが、ほぼ全員とお話したことで、とても悩んでいます。素敵な皆さんばかりなので、また全員とお話したくなってしまいます。
となると、「やぁ。久しぶり!半年ぶりだね」なんてことに確実になります。関係性を積み重ねてこそ味わいも深まるわけです。
選べません。よくあるラブコメの優柔不断主人公のようです。現実にこれをやったら確実にアウトです。VRでもアウトかもしれませんが。

今VRの体験をするには、そこそこ値の張るPCとVRヘッドマウントディスプレイが必要で初期費用も`結構かかります。

先日、Oculus Quest 2という、ヘッドマウントディスプレイ単体で動いてそこそこ性能も良い機種の発表がありました。お値段は3万円と少し。
今のユメノグラフィアは、その機種には対応していませんが、もし対応されればPCいらずで、安価にVR体験ができるようになるかもしれません。

「VR世界の中の人」に助けてもらった人間としては、同じ体験でなくとも、VRならではの何か特別なものを、ユメグラの中に見出してほしい。そんな人が一人でも増えたらもっと世界は面白くなる。Oculus Quest 2に対応してほしいし、VRで自分の中の何かが変わる体験を一人でも多くにしてほしい。

そんな気持ちで、この記事を書きました。

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