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僕らは今、旅立つ(ボカロピアノ投稿祭)

2023年の4月に開催されたボカロピアノ投稿祭への投稿曲です。
ピアノ伴奏に乗せた卒業式の答辞&合唱の曲を作りました。


ボカロピアノ投稿祭とは?

The VOCALOID Times様が主催のボカロ曲投稿祭です。
「ピアノがメインの曲」の投稿祭であり、ソロピアノ曲以外にも様々な曲が投稿されました。

曲のコンセプト

背景: 息子の卒業式

私は、深夜の2時間DTMで作った「卒業式で歌われる曲」をフル尺に伸ばしたものを投稿しました。

実はこの2時間DTMの前日に、私の息子(12歳)の実際の卒業式がありました。
その卒業式での子供たちの答辞と合唱にお父さんはウルウルきちゃった訳ですよ…

その感動を形にできないかなぁ…なんて漠然と考えてたら、その翌日の2時間DTMのお題が「卒業式」だったもんだから「やるしかない!」と。

曲の方向性

実は答辞以外でも、例えば卒業生入場でピアノ伴奏が流れただけでグッときたんですよね。
シンプルなピアノ伴奏の持つ力って凄いなぁ…と。もうちょっと言うと「学校の思い出」という記憶ありきの感動なんですよね。

そこで曲の方向性としては、「場面を想起させ記憶に訴えかける曲」を目指しました。
・流麗/テクニカルなピアノではなく、シンプルなピアノ
・「卒業式」を想起させる分かりやすい答辞と合唱

メンバー構成

  • ソプラノ:可不(CeVIO AI)

  • アルト:Ci flower(CeVIO AI)

  • テノール:四国めたん(NEUTRINOとVOICEVOX)

  • バス:ずんだもん(NEUTRINOとVOICEVOX)

「喋りの作りやすさ」と「合唱のバランス」を考えた時に、「誰の声を使うか?」「誰にどのパートを任せるか?」が一番の肝になりました。
他の候補を含めて色々と試してみましたが、それぞれの向き不向きがありました。

それぞれの特徴

CeVIO

  • 可不:喋りも歌も安定。男声っぽくも女声っぽくもいける

  • Ci flower:喋りが難しい!思った以上に女声っぽくて男声パートが歌えない

SynthesizerV

  • Solaria/Mai:慣れてるから使いやすいけど、大人っぽすぎる

NEUTRINO/VOICEVOX

  • ずんだもん:個性が強すぎて他を食い過ぎてしまう。オク下だと埋もれて聞こえない

  • 四国めたん:オク下で安定して歌えるし、意外とイケボ

結局は、意外にも四国めたんに男声パートを任せることになりました
今回の一番の立役者は彼女だと思います。

答辞(喋り)

実際の息子の卒業式の答辞を何度も聞いて構成しました
「思い出」「両親や先生」「友達」の順番にしています。

ちなみに、VOICEVOXで普通に入れたら抑揚が強すぎたため抑えました
実際の小学生たちは、決まったセリフを読んでるので、棒読み感があるんですよね。

合唱

ポイントは「音量バランス」だと思います。めちゃくちゃ悩んで何度も調整しました…

  • 序盤:メインメロを大きめ&他は抑えめにして、聞いてる人がメインメロを分かるようにする

  • 終盤:メインと他の差を減らして、全員での合唱感を増す

これ、投稿の当日まで調整し続けたんですよね…
ずんだもんなんか、メインメロ時とその他で1オクターブ変えてまで聞こえ方を調整しました。

その他

曲の構成

答辞と合唱の繰り返しでは飽きるよなぁ…と思い、2つの工夫を入れました。

  • ダイナミックなテンポ変更

  • 転調とストリングスでの最後の盛り上げ

テンポ調整は投稿直前まで繰り返しました。
いずれもコメントを頂けてホッとしました。

ピアノ

UJAMのVirtual Pianist VOGUEを使用しています。
コード指定するだけでそれっぽいピアノ伴奏を弾いてくれる神音源です。

今回は時間がなかったので、伴奏は音源のパターンに任せて、メインメロとルート音だけ打ち込みました
2人で連弾してるような構成になってます。

動画

めっちゃ難産でした…投稿の数日前まで全然イメージが沸かず、それっぽい写真をpixabayで集めながらイメージを固めていく危うい作り方でした…

サビの写真を繋げていくのは、以前の曲「Ordinary Days」のパクリですね。

そこまでは良いとして「最後にどうやって盛り上げるか?」が一番の問題でした。
曲としては思い出が溢れて未来へと繋がっていくような場面…何となくぶわぁっと広がっていくようなイメージ…

で、色々と組み合わせてできたのがこれです。
イメージがない中で無理やりひねり出しました…毎回動画は骨が折れます…

最後に

というわけで、コンセプトははっきりしていたものの、4人の喋りに合唱に動画に、随分と苦労させられました
主に4人の個性が強いのでバランスをとるのが難しかったのですが、それが(広義の)ボカロの面白い所ですよね。
それぞれの個性も出た面白い曲になったかな、と思います。

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