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楽曲の良さと再生数は無関係というお話(ニコ動編)

「再生数が少なくてもいい、一人にでも刺さればいいんだ」などの精神論ではありません。
「多くの人に刺さることと良い曲は違う」という流行りや好みの話でもありません。

客観的に「再生数は楽曲そのものの良さとはあまり関係ない要素で決まる」というお話です。

前提

私の書く文章全てに共通の前提です。

プロやそれに準じる方、音楽を生業とする方、既に有名Pやランカーの方、それを目指して研鑽されている方は対象外です。
また、明らかにバズっている曲も対象外です。
そのような方々・楽曲に対して、私が語れることは何もありません。
あくまで私自身のような素人が趣味でやっており特に有名な訳でもない人・楽曲のみを想定しています。

【この記事の目的(2022年7月24日追記)】

「自分の曲は、他の方に比べて再生数が伸びない…」と悩んでいる人を励ますことが目的です。
「ほとんどは広告の差だから気にしなくていいよ!」「あなたの楽曲の良し悪しじゃないよ!」と伝えてあげたい。

「良い曲を作る努力」「宣伝や工夫」が大事なのは事実です。それらを否定する物ではありません。
その日々の積み重ねが「知名度」に繋がり「再生数」に繋がっていくことは間違いなく王道です!

【そもそも楽曲の良さとは(2022年7月26日追記)】

時々コレに対するコメントを頂くので追記します。
私個人は「楽曲の良さは数字で測れる物ではないのでは?」とのスタンスです。
この記事ではその裏付けを取るための分析をしています。
じゃあ「楽曲の良さって何?」は、私も分かりませんし、場面や人それぞれの定義があるだろうと思っています。


以下、ニコ動のケースです。
私ピロッシーのニコ動のデータを使って分析しています。
YouTubeはちょっと状況が異なるのでいずれ別記事でまとめます。

概要

  • 再生数は「広告の量」に大きく左右される

  • いいね、コメント、マイリス数は「イベントと知名度」に大きく影響を受ける

  • 「楽曲の良さ」は、それらに間接的に影響する

つまり、楽曲の良さを直接表すような数値ではありません
あくまで「良い楽曲を出す」→「知名度が上がる」→「数字が増える」という間接的な効果がメインと考えます。

※ピロッシーごときのよわよわな楽曲だからこうであって、つよつよの曲ならその限りではないかもしれません

再生数の分析

こちらは、ピロッシーのニコ動のデータです。
横軸は楽曲を投稿した日時、縦軸は再生数などの数値です。

一目瞭然ですね。
再生数(青)は広告量(緑)と相関しており、いいね数などとは全く相関していません。

なぜこうなるかと言うと、ニコ動の広告は「動画再生の合間に入る数秒の動画広告」なんですが、その動画広告の回数が再生数に加算されてしまうからなんです。

それに加えて、ボカコレなどのイベント時は再生数が増えています
こちらはちゃんと聞いてもらえて、いいねやコメントを頂けるのでありがたいですね。
ただこれは「楽曲自体が良かったから増える」というより「イベント時だから」「自分が告知を頑張ったから」増えるだと感じます。

これを裏付ける事実として「公式イベントのランキングには再生数はほとんど使われていません」
公式イベントでは
「いいね・コメント・マイリス数」がメインでランキングが決められています

2022年7月24追記
ニコ動代表のくりたさんより以下のコメントを頂きましたので、訂正させて頂きます。

ちなみに記事内に「公式イベントのランキングには再生数はほとんど使われていません。公式イベントでは「いいね・コメント・マイリス数」がメインでランキングが決められています」
という記述がありますが、これは誤りで公式イベントのランキングも通常のランキングも再生数は同じく加味されています

いいね数などの分析

では、いいね・コメント・マイリス数は楽曲自体の良さを表しているのか?を分析してみましょう。

上の図で注釈を書いているのが「公式イベント」です。
見ての通り「公式イベントに投稿した曲」は、いいね・コメント・マイリス数が増えています

2022春のボカコレ時にかなり多くのいいね等を頂けたのですが(ありがとうございます)、これは「有名な方に運よく見つけて頂けたこと」がトリガーになりました。

このデータを見る限り、「楽曲自体の良さ」ではなく「イベントの規模」「取り上げてもらえる運」が支配的に見えますね。

ただし、「自分の楽曲を比較する場合」と「同じイベントに投稿している別の人の楽曲と比較する場合」で状況が異なるので、それぞれ分析してみます。

自分の楽曲同士を比較

上で分析したように、大きなイベントほど増えます
では、大きなイベントを除くとどうなるか?
その結果がコチラです。

じわじわと増えてますね。
これ、私の知り合いの人数の増え方と同等です。
つまり「知名度が増えたからいいね数なども増えた」ようです。
私自身も、知り合いの楽曲には無条件でいいねを押すので、感覚的には合ってると思います。

結局、いいね数などは「楽曲自体の良さ」よりも「知名度」が支配的なようです

同じイベントに投稿している別の人の楽曲と比較

さすがに他の方のデータはないので想像でしか言えませんが…
これまでの分析を見る限り、少なくとも「知名度」「運」の要素は関連していますね

ただ、経験上、
いいね数などの多い曲は漏れなく良曲
いいね数が少なくても良曲は多くある
です。
このようなイメージですね。

成長して楽曲自体が良くなっても、知名度が上がらないことには数字は増えてこないのではないか、やはりいいね数などは「楽曲自体の良さ」を必ずしも表してないのではないか、と想像します。

結論

再生数に関しては、間違いなく「広告が支配的」「次にイベント」であって、楽曲自体の良さは間接的にしか影響しないと読み取れました。

いいね数などに関しては、一部想像が入りますが、「イベント」「知名度」が直接的に関連していると思われます。
楽曲自体の良さはそれを押し上げるための間接的な要素と考えられます。

いずれにせよ、数字の持つ意味を正しく理解すると振り回されずにすみます
私自身は「再生数は無視」「いいね数を増やすために曲の作りこみと宣伝を頑張る」ぐらいがモチベーションを保つために健全かな、と考えますが、皆さんそれぞれの考えで数字と向き合ってみて下さい。

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