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20年前の僕達は ~夜空のひまわり~

この曲はちょっと変わった作り方をしています。
風月さんの「夜空のひまわり」のオケに、私が全く新しい別メロ&別歌詞をつけさせて頂きました。

新しい歌詞は、原曲の世界を踏襲したサイドストーリーになっています。
オケは一切触っていません。


20年前の僕達は ~夜空のひまわり~ by ピロッシー
※公開後にリンクをはります

原曲:夜空のひまわり 〜 Don't make a mistake in the future 〜

経緯

私がふと「自分の既存曲のオケに、別メロを付けたら新しい曲ができるのではないか?」と思いついたのがきっかけです。

最初は自分の曲で一つ作ってみたのですが、そこに風月さんが「私の曲にも」と反応を下さったので、ぜひやらせて頂こう!と。

曲は迷うことなく「夜空のひまわり」で決まりました。
私にとって最も思い入れの大きい曲、風月さんと言えばこの曲!なんです。


原曲「夜空のひまわり」とは

風月さんの曲はストーリーがある物語で、しかも複数の曲が繋がっているシリーズ物である事が特徴です。
この「夜空のひまわり」は全5曲からなる「視線シリーズ」の4曲目です。

「視線は平行線」から始まるこのシリーズは、若い女の子と男の子のお話。
女の子には密かに想う人がいて、その友人の男の子はそれに気づいてしまいます。
想い人を見る女の子と、その子を見る男の子と、2人の視線は交わることはありません(1作目:視線は平行線 22年2月)
友人を応援したい男の子はバレンタインのチョコ作りを手伝いますが(2作目:ぎりぎりの義理チョコ 22年3月)
女の子の恋は夏のひまわりの中で散ります(3作目:ひまわりの夏 22年7月)
そんな彼女を元気づけようと誘った夏祭りで花火を見て、女の子は自分の気持ちに整理をつけ、男の子は彼女への自分の恋心に気づきます(4作目:夜空のひまわり 22年8月)
最後に、再びバレンタインで一緒に作ったチョコで、2人はめでたく結ばれます(5作目:チョコのゆくえ 23年2月)

実際に1年を経て、2人が結ばれるまでをリアルタイムで追ってるんですよ!
特に「夜空のひまわり」で2人の気持ちが向き合いだした時は熱い感動に包まれました。
だから、私にとってこの曲はとても思い入れの強い曲なんです。


新たなアナザーストーリー

この曲に別メロ&別歌詞をつけるにあたって、パッと思いついたのが「2人の様子を見ている第3者」でした。
ぎこちないなりに手を繋いじゃった2人を見てきゅんきゅんしてるおじさんの話にしようかな、と。

おじさんは20年前、気になってた女の子と一緒に夏祭りに行ったけど、結局手を繋ぐこともできずそれっきりになってしまいました。
20年ぶりに来た夏祭りで、微妙な距離感の若い2人を見て昔の事を思い出します。
踏み出せなかった自分たちと若い2人を重ねてみたり、手を繋いだ2人を応援したり、距離が近づいた2人を見て救われた気がしたり…

というお話になりました。


原曲のオケが凄い

実はですね、最初はワンフレーズだけのつもりでした。
が、原曲のオケを聞いていて、1曲通しての物語にグッと来たんです。
で、これはフルで作るしかないだろう!と。

ここから、私の理解で原曲の解説をします。
何度も聞き直して、そのたびに発見があって…このオケ、シンプルに見えて凄いんですよ。

最初のサビまでは、シンプルなサウンドなんです。
が、2番で柔らかな音が加わって。
落ちサビでグッとためた後に、花火がひゅるひゅる…ドーン!
最後のサビはキラキラと2色のストリングスで情熱的に…!

これが、2人の情景を表してるんですよね。
終盤のツインボーカルで2人の歌声が重なる所とこのサウンドで、見事に2人の気持ちの変化を表してます。
ここ、何度聞いてもウルウルきます…

私も、この展開に沿って物語を作ったり、この曲のクライマックスを持っていこう、と考えました。

  • 原曲のストーリーと同じ展開にする
    1番はぎこちなく、2番で手を繋ぎ、ラスサビに入る所で花火が上がって、最後は2人で花火を見上げている

  • それに合わせて、おじさんの心情が変化する
    1番は自分に重ねる、2番は自分と違って手を繋げた事を目の当たりにし、ラスサビで花火に祈る

  • おじさんらしくする
    あまりうじうじさせたりロマンティックにしたりせず、「自分に酔ってるだけ」と自覚もしている

なかなかの解像度で原曲を理解して、それに合わせた歌詞展開が作れたと思います。

ちなみにこのおじさんは、20年前に学生という事は現在30代半ばですかね。
可愛らしいミクさんの歌声で若い2人の心情を表した風月さんの曲に対して、私は低めのSolariaさんの歌声&00年代J-POP風メロで30代のおじさんを表してみました。


原曲のストーリーと新しい歌詞

ここからは更に細かく原曲の解釈&新しい歌詞の解説をします。


まず1番。
原曲は男の子目線です。
元気付けようと誘った夏祭り、緊張して喋りすぎてしまいます。
男の子は彼女の失恋を知らないから、ただただ励まそうとしてます。

おじさん目線では、若い2人がぎこちない感じだな、と見ています。
男の子が一生懸命に話してどもったり、女の子が微妙にはにかんだりしてる様子を見ています。
それを見て20年前の出来事を思い出します。


次に2番は、原曲では女の子目線。
失恋の次に踏み出そうと夏祭りにやってきました。
ひまわりの浴衣に夏の出来事が思い出されます。
人ごみではぐれないように、と手首を掴まれ、その暖かさに救われたような気がしています。

おじさん目線では、そんな微妙な心情までは分かりません。
自分は踏み出せなかったけど、この2人はうまくいって欲しいな、なんて妄想してます。
そしたら男の子が手首を掴んだのを見て、おぉ!と。
2番のサビ入りで「手首を掴んだ、あーあー」と歌うのですが、ここはおじさんの心の叫びなんです。


落ちサビから、原曲ではツインボーカルになります。
女の子は自分の恋心に別れを告げ、男の子は彼女への恋心に気づきます。

おじさんは20年前の自分達に思いを馳せながら2人を見てます。


そこで花火がどーん!!!


ラスサビは、原曲では、女の子は花火を見上げながら自分の気持ちが変わりつつあるのを感じます。
男の子は彼女の横顔を見ながら自分の想いを確信します。

おじさんには、そこまでは分かりません。
2人して花火を見上げてる様子を見て、昔の自分たちがうまくいった場合の「もしも」だなんて想像したりしてます。
でも、もういい年なのでそこまでロマンチックになる訳でもなく、軽く酔ってるぐらいの感じ。


こんな風に、原曲のストーリーとおじさんのアナザーストーリーを絡めてみました。


動画

動画のイメージは最初からできていました。

  • 原曲のイメージに沿うべく、余計なイラストや映像は入れない

  • 原曲のMV(歌詞)を小さく入れる

  • ラスサビの花火ドーン!の映像を入れる

花火は、ちょうど24年の正月に旅先で撮った動画がハマりました。
花火いいですよね、ジーンと来ます…


最後に

あらためて、風月さんありがとうございました!
曲を聞きこんで考えて…自分の曲を作るのとは別の楽しさでした。

皆さんもぜひ「既存曲に別メロ&別歌詞をつける」を試してみて下さい!
私の曲でよろしければ、ぜひご自由に!


歌詞

20年前の僕達は ~夜空のひまわり~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(1番: 原曲では2人が待ち合わせる場面。
男の子は緊張で喋り過ぎてしまう)

もしも…20年前のこの場所で
もしも…君の手を取っていたら

あの日と同じ夏祭り、あの日と違い一人きり
もしも…もしも…

人ごみの中、若い二人
待ち合わせた浴衣にひまわり
はにかんだり、どもったり
そのぎこちなさが、まるであの日のようで…

20年前の僕達は、手も繋げなくて道違えたけど
あの日、勇気があれば何か変わってたのかな?
ぎこちない若い二人が、あの日の僕らに重なって見えて
夜空はどこまでも深く…

(2番: 原曲では女の子の心情の場面。
人ごみで離れないよう、男の子は女の子の手首を掴む)

もしも…あの二人が上手くいって
もしも…なんて、都合のいい妄想だけど

人ごみに揉まれた二人
もうすぐ打ちあがる花火
離れたり、近寄ったり
その時、彼は彼女の手首を掴んだ

20年前の僕達は、手も繋げなくて道違えたけど
あの日、勇気があればあの花は咲いてたのかな?
手を繋いだ若い二人は、あの日の僕らとは違って咲いた
浴衣のひまわりと共に…

(落ちサビ: 2人が自分の気持ちに向き合う)

20年前の僕達は、手も繋げなくて…
手を繋いだ若い二人が、見上げた空には…

…ひまわりが

(ラスサビ: 女の子は花火を見上げて自分の気持ちに整理をつける。
男の子はそんな彼女を見て自分の恋心に気づく)

20年前の僕達は、この花見る事できなかったけど
あの日、勇気があれば…なんて、今更だけれど
空見上げた若い二人が、あの日の僕らの「もしも」に思えて
夜空のひまわりは時を超えて…

20年前の僕達に、この花がどうか届いてますように…
なんて、都合のいい妄想だけれど
手を繋いだ若い二人が、あの日の僕らに重なって咲いた
夜空のひまわりと共に…

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