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【「航空学生」という選択③】

Neoです。
前回はマインド編に偏りましたが、今回は、僕が実際に高校3年間で準備したことを簡潔に書いていこうと思います。

1 勉強(1次試験対策)

まず、普通の進学校であれば、日々の授業で十分学科試験は通過することができます。問題集が出版されておりますので、そちらを一度解いてみることをお勧めします。(Amazonなどで購入できるそうです。)

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ブログなどで、航空学生の倍率などを書いてあるものが散見されますが、倍率は気にしなくてOKです。
私が受験した時も、高倍率ではありました。しかし、1次試験(学科試験)においては、なるべく高得点を取ればその倍率は関係ありませんし、普通に高校生の勉強していれば高得点が取れます。
そして、1次試験において倍率を無視していい理由は、本命は大学に行きたい人が試しに受験したり、「パイロットになれるの?ダメもとで受けよ♪」的な人も受験しているからです。

まずは問題集を買って、解いてみてください。
「解けない。」とか「わからない問題が多すぎる。」とか言って諦める人がいるかもしれませんが、それごときで諦めるのであれば、そもそもパイロット(特に戦闘機)には向いてませんし、仮に奇跡的に航空学生に合格してもすぐエリミネートしますから別の道を進みましょう。今はなんでも一人で勉強できる環境が整っています(Googleなど)。また、高校の教師も大いに活用しましょう。必ず突破することができるはずです。

2 身体の管理(2次試験対策)

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私は体が細く、筋肉はあまりない方です。ただ、サッカーを小学生からやっていて、持久力は自信がありました。

しかし、水泳は全くの苦手。
当時の航空学生のパンフレットを見ると、カリキュラムに「水泳・遠泳」とありました。
仮に合格したとしてこのカリキュラムで離脱するのは避けたいと思い、高校ではサッカー部を退部して、水泳部に転入しました。かなり厳しい選択でしたが、徐々に泳げるようになってきて、体力もつきました。
そして、読み通り入隊後の水泳訓練(遠泳)ではあまり苦労することなく訓練することができました。
水泳の訓練は、海上での遠泳を最終目的として訓練が策定されています。訓練すれば同期全員が泳げるようになるのですが、泳げない人も泳げるようにするためかなり長い期間をかけて練成します。つまり、水泳が不得意な人は長い期間、非常に苦しい時間を過ごさなければなりません。ですから、航空学生に行きたい方は、なるべく泳力をつけておくべきだと思います。

加えて、自衛隊の体育訓練は、「走る」、「泳ぐ」、「武道(銃剣道)」が主となります。ですからこの3つにおいては苦手意識がない人ほど訓育で苦痛を感じることなく訓練することができると思います。

身体的なことで気をつけていたことですが、「視力」の維持でした。
今の航空学生の身体検査合格基準は昨今の若年者の視力低下を鑑みて昔よりも緩和されています。詳細は受験要項を確認していただきたいのですが、私は遠距離視力は両眼とも2.0を維持してきました。毎月近所の眼科へ定期検診を受け行ってました。(眼科の先生はなぜ来るのか不思議でならない感じではありましたが。)
今は、スマホなど画面を見る機会が多いかと思いますが、一度視力を落とすと回復は難しいと思われます(もしかしたら画期的な方法があるのかもしれませんが、私は知りません。)。また、戦闘機に乗る場合、メガネをかけて乗ることも可能にはなってきてますが、高G環境下でのメガネ装着や、索敵能力(上空で敵を早期に見つけて姿勢などを判定する能力)に負担があると思われます。ですから、現在裸眼で十分な方は、それ以上視力を低下させないように工夫をする必要があると思います。

3 実際に戦闘機操縦者に話を聞いてしまえ(1から3次)

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今から思えば、かなり太々しい行動だったと思いますが、戦闘機の操縦者に直接連絡をとり、会って航空学生の先輩操縦者に話を伺いに行きました。
私の実家(栃木県)から最も近い戦闘機部隊がある基地は「百里基地」(茨城県)です。
今は、保全上の問題から不可能と思われますが、直接基地に電話をかけました。
その日は日曜日で、部隊は休みでしたが、恒常的に24時間の警戒待機(通常アラート待機)には数名の操縦者が待機している場所があります。
基地の電話交換に「パイロットに航空学生のことについて質問がある」旨を伝えると、基地の電話交換手は(今では考えられませんが)、警戒待機所に電話を回してくれました。
そこで対応してくれた若手のパイロットと後日百里基地で会うこととなり、基地内の見学を含めて、航空学生に合格するために何が必要で、何を準備すべきかを伺いました。
教えていただいた内容は、すでに記載したことと同じです。
過去問題集をして、身体を合格基準値以上に管理しておくこと。
また、そのパイロットとは全ての試験(1次から3次まで)の試験前にコンタクトをしてどのような準備をすべきかをお伺いし、合格したことを伝えることができました。
しかしながら、現在は保安上の観点から私が行ったことはかなり良くない例です。イタイオタクにも間違われる可能性も秘めてます。直電はやめましょう。
その代わり、今はいろいろな調べる環境が整っています。SNSもありますね。それを上手に使うのは今の若い人の得意分野だと思いますので大いに活用しましょう。
でも、注意してください。
私もTwitterのDMで突然質問がきたりしますが、「礼儀」を大切にしましょう。
・名前も名乗らず、質問だけする。
・日本語がおかしい。
・信頼関係もないのにいろいろ聞く。
などなど、気になったら僕は無視させていただいてます。
多分、その後の関係もいいものにはならない気がしますので。
まぁ、忙しい部隊に直電した「お前が言えるのか?」的な戯言ですが、行動を起こそうとする人は注意するといいかもしれません。

まとめますが、航空学生の学科試験は、大学受験よりも簡単です。ただ、全てを通過するためには2次試験での「身体的基準」や「面接での対応」、3次試験での「実機(T7)での適性検査」を通過しなければなりません。
そのため、高倍率となっているわけですが、倍率の数字は先に述べたとおり全く気にしなくて問題ありません。
次回は、ざっくりとした入隊後のくらしなどをお伝えできれば思います。

今回もありがとうございました。

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