見出し画像

ワーク花きりん 𠮷川康広さん インタビュー

所長の鶴岡さんの右腕として働かれている、副所長の𠮷川康広さん。
ワーク花きりんの初期から事業所の運営に携わり、事業所を支えるキーパーソンです。
モノづくりへの思いと福祉業界で働くことについてお聞きしました。

レーザー事業の担当は、在庫管理です。いろんな課題が多いかなと思います。

PIPPO:レザー制作では、在庫管理を担当されているとのこと。在庫管理って具体的にどんなことをされているんですか?

吉川さん:業者さんから納品してもらう革の在庫を管理しています。
納品された革のコンディションで制作に使える部分と使えない部分があったりします。どこの部分をどんなふうに使うかで、残る革や次の作業で使える部分がわかります。
スタッフとか革に携わってる業者の方に実際に紙に使える部分と使えない部分を書いてもらうようにしています。それでわからなかったら、僕も目視で一緒に革を確認するようにしています。
そうはいっても、どうしてもずれがちゃうので定期的に棚卸しは今のところ欠かせないです。
今は数が少ないので十分これで対応できるけど、今後もし、どんどんどんどんお客様からの要望があって販売数が多くなると在庫も増えますし、置く場所も含めていろんな課題が多いかなと思います。

仕事のやりがいは、関わり方でその人が今より明日に希望が持てたり、夢が実現できること。

PIPPO:吉川さんは、ここにお勤めなられてどれぐらいなんですか?

吉川さん:
3年経過して4年目になります。

PIPPO:ずっと福祉のお仕事をされてたんですか?
吉川さん:20代後半から福祉の業界にはいりまして、かれこれ20年近くになります。なんだかんだで長いですね。気が付いたら。
半分以上は重度知的障がいがある方の生活介護の仕事をしていました。
就労支援の仕事は、ここでは4年目ですが、以前も4年別の事業所でやっていました。

PIPPO:福祉業界のやりがいや仕事の魅力は何ですか?

吉川さん:そうですね、なかなか一言で言いにくいことがあるんですけど、利用される方やご家族が笑顔で来られて、私たちが提供するサービスなり関わり方でその人が今より明日に希望が持てたり、夢が実現できたりですとか。
障害を持ちでいろんな大変な思いをされていることが多いと思うんですけど、ここに来ることで生き生きとされたりとか、それが第一です。
いろんな方がいらっしゃるので、 お互いに相乗効果で今までありえなかったり、考えられなかったことが実現できたりします。
レザーもそうなんですけど、最初はなかなか難しいかなと考えてた んですが、みんなのパワーが一つになると良いものができるんですね。
そういうところを目の当たりにすることができることも、やりがいかなと私は感じます。

画像1

ワーク花きりんの良さは、お互いに頑張っていこう!というコンセンサスが得られること。

PIPPO:来所される方の喜びをご自身たちの喜びとして感じることができるって、素晴らしいですね。
ワーク花きりんの特色、良さとはどんなところと思われますか?

吉川さん:
花きりんの良さ、特色は、 スタッフも利用者さんも全てなんですが常に目標を持って取り組んでいるところだと思います。

毎日同じことをするルーチンがあって、なんとなく時が過ぎればお互い楽なんですけど、お互いにここだけで一生終わるわけではないので。
特に利用者の方は早い方だったら2年でここを卒業して 次のステージに行きます。

ここでよかったらじゃなくて、次のステージ、さらにその次のステージの時にその人の力になるような支援を心がけています。それを利用者のかたも喜んで・・・と言うのは変かもしれないですけど、楽しんで受け入れてくれて、お互いに頑張っていこう!というコンセンサスが得られるのがここの一番の強みだと思います。

PIPPO:他の作業所とは大きく異なる点なんですね。

吉川さん:そうですね。歴史がそんなに長くないのか逆に良いポイントであって、新しいものをつくりやすいんですね。長いと今までの成功体験じゃないですけど、それを引きずっちゃうので変えるのが難しい部分があるんですね。ただ、花きりんを立ち上げて、4年5年経つので一つの形ができてきたと思います。
これからが僕らの正念場かな 。

PIPPO:新しく取り組んで形になってきたものをいかに軌道に乗せていくかということですね。

吉川さん:そうですね。それが今回はレザーのお仕事だと思います。

PIPPO:レザーは経験がある方がいたというわけではなくてみんな試行錯誤で手探りで取り込まれたんですよね。

吉川さん:そうですね。職員の髙嶋が非常にレザーに対する思いが強くて、彼の発案で始まったところもあります。
実際に、利用者の方もそれに賛同してくれて、ものづくりをしていくことになりました。
最初はレザーにこだわっていたわけではないんですけど、ものづくりが好きっていう方も多かったのでそこでスタートしました。後は技術がいる仕事でもあるので、利用者の方も得意不得意があって、利用者の 「得意」をレザーを作るだけじゃなくて、パッケージの仕方とか販売とかウェブなど、いろんな皆さんの力をどうからめていくか考えながら、スタッフの僕らも一緒になってやっています。

PIPPO:適材適所をみつけながら、みんなでひとつの物を完成させるために取り組むということですよね。
心に寄り添ってここで終わりではなくて、あくまでステップアップのひとつの場所としての存在と言うのは、いうのは簡単ですけど実際取り組むのはとても大変ですよね。
大変だなあと思うところはどんなところですか?

吉川さん:
う~ん、大変だなぁ・・・。
同じ障がいと言っても個々で性格がちがうので、ひとりひとり見極めてあげて、サポートすることですね。やってあげちゃだめなんですよね、自分の力がつかないとここを卒業した後に苦労されるのはご本人たちなので。そうは言っても配慮しなきゃいけないところもあるし、それが同じ人でもその時の体調でも配慮するところは変わります。

利用者さん同士のマッチングの問題もあります。
掛け算、掛け算、パズル、パズルをその場その場で判断をして やっていきます。それがすごく大変なんですけど面白いです。なんとなく毎日過ぎるよりも。

PIPPO:毎日の変化もすごく大きい方が多くて、何をしてもらって、誰としてもらってというのでも全然違う効果が出てくるですね。

吉川さん:マイナスの効果もあったりしますけどプラスの効果もたくさん出てきます。

PIPPO:自立の支援に向けてここに来られる方の能力を引き出すようなお仕事をしているですね。

吉川さん:それを心がけようと思っています。

失敗してもいいのでまず飛び込んでやってみてください。

PIPPO:素晴らしいお話ありがとうございます。福祉のお仕事を志している方に何か一言ありますか?すみません、求人みたいなってますけど(笑)

吉川さん:少しでも興味があったり、その場にいてわくわくとか楽しみが見出せるなら失敗してもいいのでまず飛び込んでやってみてください。それが一番言いたいです。
やる前に不安になったりとか誰しもあると思うんですけど、行ってみたらよかったり、失敗の中で発見があったりします。
最初からうまくいっちゃうとこんなもんかなって終わったりすると思うんですけど、そこで自分の殻を破ったりとか、 可能性が広がるとかあると思います。
特に若い人はどんどん挑戦してほしいです。

素敵なお話ありがとうございました!
製品づくりへの思い、お仕事への思い、みなさんに伝わると思います!

最期に

お会いした瞬間、なんてさわやかな人なんだ!という印象を持ちました。
おだやかな雰囲気で、しっかりご自分のお仕事への向き合い方を迷いなく話されている姿に圧倒されました。

ワーク花きりんへ訪問すると、スタッフさんも利用者さんもみなさん明るく挨拶してくださり、気軽に話しかけてくださいます。
笑い声が混じりながら作業されている様子をいつもこっそりうかがっています(笑)
この明るさの秘密は、スタッフと利用者のみなさんの信頼関係の良さだったんだと再確認しました。

「お互いに頑張っていこう!というコンセンサスが得られる」というワーク花きりんの良いところ。スタッフの方が頑張っている姿を肌で感じられるからこそ、利用者の方々も一緒に頑張ろうと思えるのではないでしょうか。熱い思いと実行力が周りを巻き込んで、すごいパワーを作り出しているんですね。


PIPPOに興味を持ってくださりありがとうございます。PIPPOの運営費に使わせていただきます。