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ワーク花きりん 所長 鶴岡正明さん インタビュー

特定非営利活動法人コラボえどがわのワーク花きりん所長 鶴岡 正明さんにインタビューしました。

商品にかける思い、壮大なこれからの展望について伺いました!

「クオリティの高い革製品」

PIPPO:よろしくお願いします。

鶴岡さん:よろしくお願いします。

PIPPO:この度は、PIPPOにご出店してくださり、ありがとうございます。

鶴岡さん:いつもお世話になっております。

PIPPO:とんでもないです!
お会いするまで、花きりんさんの製品を拝見したことがなくて、革製品てどんなものなのかなって思っていたんですが、初めて、拝見したときにすごくクオリティが高くて正直、びっくりしました。想像以上でした。
作っているものとか、種類とか。
ハンドメイドの革製品て、素朴感・・・ハンドメイド感があるものしか想像してなかったんです。私の知識が乏しいというのもあるんですけど・・・
クオリティが高くって、かつ、材料にもこだわられていて、作り方も研究されている。
それがB型の事業所で作られているというのが、すごく衝撃でした。

鶴岡さん:ありがとうございます。

PIPPO:これからどんどん売っていこう!という気持ちが伝わって、
ぜひお力になれればと思っています!

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「当事者視点」を大事にする

PIPPO:ワーク花きりんさんの理念をお教えください!

鶴岡さん:
ワーク花きりんの理念ですね!当事者視点ということを大事にしています。
当事者視点というのは、うちのニーズが、就労したい、その訓練のために来るというニーズ、こちらでお金を稼ぎたい・働きにきたいというニーズ、ここで安心したい、ほっとしたい居場所として使いたいというニーズという3つのニーズがあって、だいたい最初の2つの「就労のための訓練として」「働きにきたい」のニーズが多いです。そのために何ができるのかというのを考えています。

とにかく、当事者の視点というのを大事にしています!
当事者のために何ができるかっていうのは、常識を押し付けるっていうのをやりがちなんですが、その方の障害特性といのではなく、話していくといろいろ伝わってくることがあるんです。なので、そのためにも面接をかならず月に1回しています。それぞれ、スタッフが担当をもっていて、その担当と利用者は、月に一回面談をしています。それとは別に、臨時の面談をしています。体調や心が揺れ動く方もいらっしゃるので。

面談を重ねていくと、ニーズが、つまり、主訴がですね、利用者が何をもとめているのか、なにをしたくてここにきているのか、ご本人もわからないこととか、伝わってくるんですね。そうすると、信頼関係が構築されていくので、スタッフが伴走者として支援することができます。
当事者視点を実現するために、面談をして、スタッフが伴走する。それが、花きりんの理念です。

PIPPO:利用者さんあっての事業所ですよね。

鶴岡さん:そうですね

PIPPO:障がいがあるっていうのも特性のひとつではあると思うんですが、
障がいがあってもなくても、それぞれできること、できないこと、長所・短所とかあったり、言い出しにくいこととか、やりたいけどやれないみないなこととかもしくは、やりたくないこととかそれぞれあると思うんですが、それぞれに合った、対応の仕方を職員の方がされているのを目にすると、本当にすばらしいなと思っています。
それを積み重ねていく中で、就労支援ですとか、実際に一般就労につなげるですとか、それをコツコツ地道にやっていくっていうのが、本当にすごいなと思っています。
それをもっと多くの方につたえられたとPIPPOでは思っています。

鶴岡さん:
心強いです。

PIPPO:
ありがとうございます。

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男性目線のレザー製品 30代から40代の男性ビジネスパーソンを意識して商品を開発

PIPPO:たくさん製品を作られていると思うんですが、その一部として、フラットポーチを見せていただきました。この他にはどんな製品がありますか?

鶴岡さん:
まだ商品のバリエーションは少ないんですが、パスケース、丸型のポーチと名刺入れを開発しています。これは、試作なんですが縦型の名刺入れを作っています。これの次は横型の名刺入れを作ります。

私が使っているのが縦型の名刺なので、それに合わせて作ってみて、使用感とかをたしかめているところです。今月末ぐらいから量産が始まっていきます。

あとは、IDカードフォルダーです。ビジネスパーソンの方を意識しています。ブランドのターゲットが30代から40代の男性で、働かれている方を意識して商品を開発しています。そういった方が使えるもので、デスク回りの商品を今意識して作っています。ビジネスで使える小物をどんどん広げていきたいなと思います。

PIPPO:PIPPOではIDカードフォルダー、パスケース、フラットポーチ、マチ付きポーチ、小物入れを出品してくださっています。
私が全部写真撮影とかさせていただいているんですが、これは何をいれたらいいのかなとか、これがあそこにあったら便利だなとかいろんなことを思いながらページを作っています。
男性がこれを使ったら、すごくおしゃれな人に見えますよね。
ぜひ、いろんな人に使っていただきたいと思います。
まずは、私の夫から使ってもらおうかな・・・とか思っています。
いい男の一歩を革製品で踏み出すみたいな(笑)

鶴岡さん:使っておしゃれに見える製品づくりも頑張ります!

PIPPO:革製品をあえて使っている男性って、いろいろおしゃれに気を使っている方ですとかトレンド感を意識しているとか、質の良いものを持ちたいと思っている印象で、それぞれすごいこだわりがあって。
そんなこだわりが、このシンプルなものに!って思ったりするんですけど。
男性目線というのは女性とはまた違ったきめ細やかな・・・細かい・・・(笑)という目線があるなと思います。

ブランド 「foglio rosso(フォリオロッソ)」のこだわり
 1.縫製~手縫いのステッチ~
 2.使用感~お客様の声を取り入れる~ 
 3.素材感~エコなベジタブルタンニンなめし~

PIPPO:製品づくりで心掛けていることってなんですか?

鶴岡さん:「foglio rosso(フォリオロッソ)」というブランド名なんですが、このブランドのこだわりとして3つ要素があります。ファスナーのステッチの部分がすべて手縫いになっています。見える部分は、すべて手縫いで仕上げています。

PIPPO:こんな細かいステッチが手縫いでできるんですね。目がそろっていて、細かいですね。

鶴岡さん:
私もすごく驚きなんですが、自閉症の子がほとんどやっています。ステッチがすごく真っすぐで、プロフェッショナルです。

手縫いだとミシンと縫い目が変わるんですね。布の中で糸が交差します。交差することで、丈夫さにつながります。

二つ目は、使用感です。
最所に作ったポーチは、ファスナーが固くて・・・問屋さんで100円で売っているものをつけてみたらものすごく硬かったんですね。それを、実際にお客様にお出してしまったんですが、買っていただいたお客様からファスナーの開閉部分がひっかかるとか、フラットポーチの角がとがっている形だったんですが、とがっているとバックインバックに使いずらいですとか、いろいろありまして、使用感はやはり確かめないといけないなと思いました。
ですから、徹底的に使用感をみんなで検討したうえで、お客様に市場にだせるように商品開発は意識しています。

PIPPO:今の商品は、ファスナーの開閉がとてもスムーズですね。

鶴岡さん:
今使っているファスナーはYKKのエクセラというものを使っています。持ち手の部分に引手をつけるようにしました。

PIPPO:この引手も革の紐が編み込まれててかわいいですね。どうやって編み込んでいるんだろうと、よく見てみたんですがわかりませんでした(笑)

鶴岡さん:
この引手の編み込みも、ステッチをしている彼が作っています。
とても器用なんです。

三つめが使用している皮は、ベジタブルタンニンなめしをしているものを使っています。
タンニンなめしをしている皮は、燃やしても自然に帰る手法の薬剤でなめされていて、とても環境にやさしいです。
また、自然な風合いが出て、エイジングも楽しめます。これは、丈夫さにもつながっています。
1から3の縫製・使用感・素材感にこだわって、丈夫に長く使っていただくというのを意識したコンセプトになっています。

PIPPO:初めてタンニンなめし革というのが、自然に帰るものというのを知りました。革は全部そうなんじゃないかなって思ってたんですが、なめす方法によってエコになることを初めて知って、新しい発見でした。

鶴岡さん:
皮は、はぐとすぐにカビたり、腐ってしまったりするので、ドラムに入れて薬剤をいれて回すというのがなめす手法です。なめす過程で、薬剤を革に浸透させていって、革のつやをだしたり日持ちさせるようにすることができます。それで加工できる状態になるんですね。

PIPPOの商品説明の魅力 ユーザーとして「欲しいな」「いいな」って思える文章だった

PIPPO:初めてお会いした時に、「今年は頑張ります!」とおっしゃっていて、フォリオロッソのブランドホームページを作られるということだったんですが、そのホームページ内で、私が書いた商品紹介の文章を使ってくださるということで、すごくうれしかったです!
文章を使いたいなと思ってくださった理由とPIPPOに出店しても良いかなと思ってくださった理由をぜひお聞かせください。

鶴岡さん:商品説明の文章は、みたときにぱっと使用感などが端的にまとまっていて、いちユーザーとして「欲しいな」「いいな」って思える文章だったんですね。僕に商品についてインタビューしてくださった内容がきれいにまとまっていて、感動しました。
僕には作れないので、ぜひお願いしたいなと思いました。

PIPPO:ありがとうございます。(深謝)

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PIPPOの出店の理由 事業の未来への展望とPIPPOの考え方惹かれた

鶴岡さん:PIPPOに出店しようと思った理由は、実際に(代表に)お会いしてから出店するか決めようと思っていました。
ご紹介いただいたときから良い方なんだろうなとは思っていました。
お話を伺っていて、事業の未来への展望がしっかりしていて、中村さんのマーケティングのお話や、森井さんの社会的な意義のお話、インドの社会学ですとか、そういう考え方がPIPPOの事業に落とし込まれていて、それがPIPPOに惹かれた理由です。
商品の価値が届け切れていないと思っていて、そういう時に中間支援で通販で販売していただくことは、わたしにとってありがたいことです。
むしろ、こちらがお願いしないといけないことだと思っています。

PIPPO:いつも暖かいお言葉をありがとうございます。とても励みになります。いろんな事業所さんがあって、いろんな事業所さんが出店してくださったらいいなと思っています。
現在は、東京都内に限定している状況なんですが、小さい規模だと還元できる利益とか、影響力や貢献度がすごく小さくなってしまうので、できるだけ事業として広げていくことでSHOPに還元する利益と、ユーザーの皆様に満足してもらう価値と社会的な意義も拡大できると思っているので、
まだまだ小さいのですが頑張っていきたいと思っています。

鶴岡さん:全力で応援します!

大手百貨店で販売。そして、世界へ。みんな大きなプロジェクトに!

PIPPO:花きりんさんの展望をお教えください。

鶴岡さん:
まずは実績作りをしたいなと思っています。大手百貨店で販売させていただきたいと思っています。

将来的な大きい夢は、ブランドを作った以上、世界に発信していきたいです。東京、日本全国で知名度をあげていきたいです。そこから世界に販路をひろげていきたいです。そのために必要なことっていろいろあると思うんですが、福祉事業所だからできることってあると思うんですね。
私は、横のつながりを大事にしています。
技術については、職人さんやメーカーにはかなわないですが、職人の方とタイアップしていく。社会貢献に関心のあるデザイナーさんが多くいらっしゃるので、デザイナーさんにもそこに参加していただく。
社会的な意義がるということを付加価値として、私たちがいて、私たちが生産現場、生産者を担当する。
PIPPOさんには情報を拡散していただいたりですとか、横のつながりを広げていって、みんなでつながっていけば大きなプロジェクトになるんじゃないかと思っています。
そんな野望もあるんですが、少しづつ実績作りをしていきたいと思います。
とはいっても、一般の方に認められるものを作るというのが基本になるので、実績を作って、商品をどんどんブラッシュアップしていって行きたいなと思っています。

インタビューを終えて

女性向けの製品が多い中で、ワーク花きりんは男性目線で男性向けの商品開発をしています。
男性目線で作られた繊細な商品を是非、手に取っていただきたいです。
「福祉作業所で生産している」ことを商品の社会的な付加価値としていくという取り組みは、
障がい者福祉への貢献だけでなく、同じ福祉分野や他の分野にも良い影響を与えると思います。
いろいろな人とつながって、大きなプロジェクトを作っていきたいという
壮大な思いを形にできるようにPIPPOもお力になれたらと思います。

2018年05月17日

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