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【連載コラム】もっと知りたい障がい者福祉 ~第2回新型コロナの影響~

皆様の中には、日常的に障がい者福祉と関わる機会はないけれど、状況や
課題を理解したい、どんな支援が自分にできるのか考えたいと思われる方がいらっしゃると思います。

こちらのコラムはそのような方に向けて、障がい者福祉を取り巻く状況を知っていただけるような情報をお届けします。


第2回は新型コロナの影響についてです。
前回、就労継続支援事業の工賃は増加傾向にあるものの、依然として低賃金であることを紹介しました。
しかし、参照データは新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロ ナ)拡大前の集計であり、その影響は反映されていません。

そこで、今回はコロナ禍の障がい者就労で生じて いる問題を取り上げたいと思います。 日本弁護士連合会のまとめでは、障がい福祉サービス事業所における新型コロナの問題は⼤きく次の4点で 構成されるとしています。


新型コロナに起因する問題

〈事業所〉
①運営上(経営上)の問題
サービスの利用控えや、感染防止にかかる経済的負担等

②差別偏見等に基づく事業上のリスク
生産活動の停滞、注意を払っても発生するクラスター等に対する差別偏見
などに基づく運営リスクなど

〈利用者や家族〉
③自分の感染、家族の感染
本人が感染したら治療も含めてどうなるのか、親や家族が感染したら本人はどうなるのかなど

④差別偏見に基づく生活困難性の悪化
注意を払っても発生するクラスター等に対する差別偏見など


利用者の工賃に直接影響する問題は、生産活動の停滞やクラスター等に対する主に差別偏見に基づくリスクです。障がい福祉サービスの仕事は濃厚接触を前提としていることが知られており、職員、利用者ともに大きな影響を受けます。その結果、経済活動の縮小に伴う大幅な減収リスクの長期化が懸念されます。

障がい者を支援する事業所の全国連絡会「きょうされん」では、就労継続支援事業所の生産活動状況を調査し、回答した事業所の約6割が新型コロナ拡大前と比較して減収であったと報告しています。また、工賃も半数以上の事業所で減額し、生産活動が減収になる中、積立金の切り崩し等で踏ん張ってきた事業所が長期的な影響により減額せざるを得ない状況です。減額率も就労継続支援B型では20.5%であり、コロナ禍でその割合は継続して悪化しています。



新型コロナの拡大から2年が経過しました。
障がい者支援の現場は多様な問 題を抱え、多くの事業所で生産活動に思うように取り組めず、工賃減額を余儀なくされています。このような厳しい状況でも、事業所の方は感染対策に気を配りながら収入確保に工夫を重ね、奔走されています。
コロナ禍においてPIPPOとご契約いただき、収益・工賃を回復したいとネッ ト通販を始められた事業者様がいらっしゃいます。
PIPPOは切実な想いを受け止め、共に考えながら今後も邁進していきます。



引用資料:
・日本弁護士連合会 ウィズコロナ時代の障害福祉サービスの現場で起きている課題 ~障害者の権利擁護の視点から~ https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/activity/human/aged_shien/covid19_shiryo.pdf  
・きょうされん <第3回>新型コロナウイルスの影響に関する 生産活動・利用者工賃実態調査 https://www.kyosaren.or.jp/wp-content/uploads/2021/09/f1441d3c6001a8c32dbc45aa75ab783f.pdf  



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