見出し画像

アトリエほっと・しかはま 桑原芳枝さんインタビュー1

アトリエほっと・しかはま 施設長 桑原芳枝さんにお話をお聞きしました。
40年間福祉業界の前線で働かれている桑原さん。
製品づくりへの思いをお聞きしました。

「誰もが安心して暮らせる地域作りを目指して」

PIPPO:今日はアトリエほっと・しかはま 施設長 桑原芳枝さんにお話を伺います。まず最初に、アトリエほっと・しかはまの理念をお教えください。

桑原さん:
社会法人あしなみの理念としては「誰もが安心して暮らせる地域作りを目指して」というのがあります。
アトリエほっと・しかはまもそれに目指して、運営しています。
どんな人も、障がいをお持ちでない人もある人もお年寄りも、小さい子も
地域の中で、その人がその人らしく生きていける地域が「強い地域」
であると考えて、強い地域を作っていきたいなと思って活動しています。

PIPPO:地域に根差した活動をしつつ、障害があるかたもないかたもみんなが暮らしやすい生活していけるような地域を目指しているんですね。

“Keep smile” みんなが笑顔になる製品づくり

PIPPO:地域作りの中で、障害者の方と一緒に製品を作られていると思うんですが今、積極的に作られているのがこちらですよね。

折り鶴のイヤリング・ピアス、コースターに地域の子供たちに人気の動物のキーホルダー。新商品のヘアゴムです。とてもかわいいですね。
これらはPIPPOに出品してくださっていて、ありがとうございます。
こちらの商品を作るにあたって気を付けられていることってありますか?
こんな気持ちが伝わればいいなぁとか。

画像1

桑原さん:最近、「キープスマイル」という言葉を使うようになったんですが、笑顔で、笑顔が絶えないように。
これを作っているときも、利用者のみなさんは、みんな笑顔になっているんですね。ちょっと難しいところも、顔をゆがめながらも、でも楽しく笑顔でやっていて。楽しく笑顔で作ったものが、お客様のお家で、プレゼントされた方のお家でそれを観て、使って、贈って、そこにまた笑顔があるといいなと思っています。
笑顔が伝わるといいなと思っています。

PIPPO:作る方も、もらう方も笑顔でっていうのは素晴らしいですね。
買う人も、誰が喜んでくれるのかな、これを買ったら工賃が上がるのかな
と思うと笑顔になると思うので、その思いは伝わっていると思います。

桑原さん:
ありがとうございます。

利用者の声から始まった自主製品づくり。時間捻出が課題だった。

PIPPO:この商品のラインナップに至るまでに、大変なこととかあったと思うんですが、大変だったことを教えてください。

桑原さん:
一番最初に、手作りのものを作ろうと始めたときは、平成25年から始めたんですが・・・平成26年の夏だったか。
どうしても、手作りのものをやりたい、私たちは自主製品と呼ぶんですが、
自主製品をやりたいという利用者さんが一人いらっしゃって、やろうよ!やろうよ!とずっと言い続けて、じゃぁやろうか!とそこから始まりました。

たまたま、こういうことが得意な鈴木という職員がいて彼女を中心にしてはじまっていきました。

時間をとるというのが、なかなかできなくて所内全体の中で自主製品に時間をとるのが一番困難でした。

最初は、工賃というよりも、リハビリ的な意味合いでとらえられていたのが
だんだん売れてくると、これで工賃が稼げるとみなさん思われてきて。すべての工程をやるんじゃなくて、得意なところだけやって、最期にきちんとした形にするといういうのも体験しました。みんながそれぞれ得意なところでやれるようになってきた。

その経過が2年ぐらいでできました。そうなってくると売れてきて、全体としても無視できない事業になりました。
みんなが私たちの作るものを自分たちのものと思ってくれるようになりました。手作りのものに参加していない人もいますが、その人たちも自分たちの
アトリエほっと・しかはまの商品で、自分の場所の物という思いにもなってきてくれたかなと思います。
アトリエほっとしかはまが掲げる「誰もが安心して暮らせる地域づくり」に向けて、心がひとつになってきているかなと思います

待っていてくださるお客様がいてくれて嬉しい。お客様の声を反映するモノづくり。

PIPPO:利用者の「やりたい!」という気持ちがみなさんの協力で形になって、それがどんどん育っていって、地域でも育っているという状況なんですね。

桑原さん:
地域の中で育ちきれているかはわからないんですが、でも、イベントに参加して、そこで販売するときに「去年これを買った」と言ってもらったりとか「去年これを買ったものをあげちゃったからまた今年また買う」と言って、待っていてくださるお客様、1年も待っていてくださるお客様に接したときに嬉しいと思いました。

PIPPO:しかはまさんのファンがすでにいらっしゃるんですね!

桑原さん:
ファンとまでは・・・・

PIPPO:
いやいや、1年待ってでもリピートしてくださる方がいるというのは、心待ちにされているんだと思います。

桑原さん:動物キーホルダーというのは、最初はもっと種類が少なかったんですが、イベントで販売していて、買ったお客様が事業所まで来てくださって買ってくださって。「こんな種類はないの?」というお声があって、ここまで種類が増えました。

PIPPO:お客様のお声もきちんととりいれられてて、すばらしいですね。
ちなみにこれからも「こんなの作ってください」というご要望があったら
種類を増やす可能性はありますか?

桑原さん:
ありま~す!

PIPPO:鈴木さんが下を向いておられますが(笑) 鈴木さんが主導して、モノづくりを始めたんですよね?

鈴木さん(アトリエほっと・しかはま 自主製品担当)
:はい。

PIPPO:このマスコットの顔とかを作るのは、すごく大変だったりするんですか?

鈴木さん:
大変です。

PIPPO:
どんなところが?

鈴木さん:
同じ顔にするのが・・・いろんな顔ができちゃったりとか。

PIPPO:どうやって均一になるように?

鈴木さん:
イベントのときはいろんな顔があるんですが、お店に出すときは
見本通りにやってねということで、検品をしています。

PIPPO:
きちんと検品をされて。同じ顔じゃないときは、もどしてやり直したりするんですね。見た目はかわいいけど、同じようにするのはなかなかのご苦労があってのことなんですね。

これからは、販路拡大とショップの運営に挑戦したい!

PIPPO:これから商品を作られていく過程で、売上をあげたりですとか、
販路拡大したいという思いがあると思うのですが、これからの展望をお教えください。

桑原さん:
これからの展望は、まずは、売ってもらえるところを増やすですとか施設のなかでショップコーナーを設けたいと思っています。
ショップコーナーを設ければ、アトリエほっと・しかはまの商品だけでなく
利用者のみなさんが、これをきっかけにアクセサリーを作ったりとか
アーティストとしてショップに置くことができたりとか同じB型の商品を仕入れておくとか、私たちの活動を地域のみなさんに伝えるとともに仲間同士で交流をしながらお互いに刺激をしながら、売上を伸ばしていくというのもやれていくといいなと思います。

PIPPO:すでにこちらでは販売しているけれども、他の事業所のものや利用者の方が新しく作ったものなんかをさらに販売したいと思われているんですね。

桑原さん:
売りたいなぁと思っています。私たちの事業所では販売はしますが、ショップコーナーは設けていないので、これからショップコーナーを検討していきたいなと思います。

PIPPO:ショップコーナーができましたら、PIPPOで宣伝させていただきます!

終わりに

利用者の「やりたい!」から始まった自主製品づくり。
地域と共に歩んできたからこそ、地元に根強いファンがいる。
そして、ファンの声を大切にして、商品に反映させる。
お客様の満足度を上げるために、試行錯誤を重ね、リピーターという形で
結果を残されていました。
これからの販路拡大、地域でのさらなる発展に期待です!
私もお手伝いさせていただきたいと思います!
次回は、桑原さんの仕事観についてです。

2018年05月17日



PIPPOに興味を持ってくださりありがとうございます。PIPPOの運営費に使わせていただきます。