魔法使いの約束感想まとめ3~親愛度スト「約束のジレンマ」~

まほやくアニメ全125話の中の65・66話ぐらいの神回

2020/12/05


ヒースクリフ親愛度スト「約束のジレンマ」の感想のようなもの

 東の国の大領主の息子。大貴族、ブランシェット家のお坊ちゃん。賢者に「息を呑むほど美しい少年」と言わせる美人さん。賢くて優しくて、賢者の魔法使いに選ばれる魔法使い。穏やかな両親、自分を慕ってくれる従者であり、友達がいる。周りから見れば羨ましいくらい“持っている”側の人であるヒースクリフ。持ちすぎているにしては、わざわざ書かないとそんなすごい子なのかな?と思うくらい謙虚。

 親愛度ストって、賢者の台詞とか心の中で思っていることが完璧な解釈過ぎて、こっちはうめくことしかできないんで、書くことなんて、世界中のみんな~「約束のジレンマ」読んでください~~~~~!!!!!!!!しかないですよね。

 ジレンマ、どちらを選んでも不利益がある葛藤。人生は容赦のない選択の連続。

1話
 東の国の国王陛下の誕生の式典に呼ばれて国に一度帰ることにしたヒース。大いなる厄災とのことを話さないといけないのであろうと、気が進まない様子。
 人間にとって、厄災との戦いは恰好のエンタメになるよね。英雄譚にするには、普通に人が死んでいるんだけど、目の前で繰り広げられているわけではなさそうだし、私が市民だったら、いつもと変わらない日常を過ごしてると思うし。目の前で仲間が死んだときの話をしないといけないヒースのことを思うとしんどすぎる。だからこそ本人以外の語り部が必要だと思うから、クックロビンくん頑張れ、すごい重要な役割を担っているぞ。(この話には関係ない)

2話
 東の国特有なのか、立場のある人間として育てられたからなのか、ヒースは魔法使いはあまり表舞台にでるものではないと思っている。自分やシノが魔法使いであるということは、何かあった時に自分たち二人を守ったとしても、家を守るものではないと思っているし、迷惑になることを度々気にする。その点だけがシノとヒースが決定的に分かり合えなくて、いつも喧嘩の種になる。シノを連れていけないのもわかるけど、連れて行った方がヒース自身のためになるんだよな。ヒースが傷ついたときに、ちゃんと怒ってくれるので。

「シノがいると音もこぼせないな」→お互い、格好つけたがりなところあるよね。
「シノが不用意に跪くところなんて見たくない」→これを後付けの理由で賢者にだけいうズルさ。

3話
 ヒース、守ってあげたい魔法使いランキング100年連続一位ですよね。リケやミチルを差し置いて殿堂入りしてる?ってぐらい周りが過保護にする天才。ファウスト先生に呪いで式典を中止しようかと言わせ、カインに乗り込んでヒースを連れ去ろうかと言わせる。

4話
 細かい機械が置いていたり、懐中時計の図面が貼られていたりするヒースの部屋。夢中に時計の話をしているところを見ると、魔法使いでなければ、目の前で仲間が石になって傷つくこともなく、東の国で職人と時計を作って、機械をいじって、素敵な両親と静かで穏やかな暮らしをしていたのだろう、と思って泣けた。そうなるとシノとは出会えないけれど。
ささやかを望むことが許されないくらいに。望んだ以上のものがヒースには与えられている。

5話
 ただ、傲慢になるのでもなく、卑屈すぎることもなく、淡々と自分が持っているものを自覚した上で、物事を考えられる聡明なところがヒースにはある。「みんなが便利に暮らせるようになれば、魔法使いに対する偏見も少しずつ消えていくんじゃないかって」こういうことをさらっと言うような息子を育ててくれたヒースのご両親、並びに小間使いのみなさん、ブランシェット家に関わる人々。ありがとう、感謝。正しい道を歩ませてくれてありがとう。みんなで幸せを掴みましょう。こんな素敵な子だからシノは、ヒースに世界をあげたくなるんだろうな、わかる。もっと大量の花束を抱えててほしいし、世界中から祝福されてほしい。生まれてきてくれてありがとう。
 そう考えると、東の王家があまりよく思っていないのがすごくよくわかるな。魔法が使えるという点でおいても強いけど、長生きする魔法使いが主君に立つ強さ。優秀な血を絶やさないことが王家を維持する方法なので、ヒースがいい魔法使いであればあるほど脅威だよね。で、ヒースは、そういう自分の立ち位置までよく見えている。
シノは、ヒースそのものを見ていて、ヒースは自分のことを周りからの目線も含めて自分を見ているので、シノからと、ヒースからではヒースクリフの見え方が全く違う。当たり前だけど。

6話・7話
 メインストーリー序盤でかなりの破壊力をもって提示される、シノとヒースの「お互いを守る」という約束。そして、魔法使いの約束は、破れば魔力を失うほどの意味のあるものであるという設定。兄弟弟子の絆を深くするためだって言われて結んだそれが、詐欺の手口で、師匠の正体を知られてもひとりを倒せば、残りの弟子も魔力を失うという保険でしかなかったことをスラスラと話すヒース。悪い約束じゃなくてよかったですね。友達だからお互いを守っていくでしょうというナイスフォロー賢者。正直、約束をしてしまったから、シノを縛ることになってしまったっていうことを気にしていて、それが二人のすれ違いの原因なんだと勝手に推察していた。「魔力を失う方法があるなら、だれかと適当な約束をして破りたかったです」なんて言葉聞くとは思っていなくて、シンプルに膝から崩れ落ちた。
魔法を歓迎しない人の方が多いこと、両親に迷惑をかけるくらいなら捨てたいというヒースの言葉を聞きながら私でも頭の中にシノが浮かんだ。魔力があったから、生きてこられて魔法が使えたから温かい自分の居場所を手に入れたシノと、魔法がなくても生きていけたし、魔力があることで迷惑をかける立場に居続けなければならないヒース。
「だったら、いっそ、知らなければよかったって思います。嫌いな自分を辞める方法があること」
 私ごときに掛けられる言葉などない。
選ぶことができないのなら、魔法使いとして「諦めて」生きることができるし、受け入れて「努力する」こともできるのに、ヒースは魔力を失うという選択肢を選ぶことができてしまう。結局、魔力を失うという選択も、魔法使いとして生きるという選択も、抱えたままずっと生きている。
ハチクロの台詞に「『努力する』か『諦める』かどっちかしかないよ人間に選べる道なんていつだってこの二つしかないよ」というのがありまして、この台詞の続きで、嘘をついた、本当は三つ目があると続くんですが、三つめが何かは明かされずじまいで、おそらくそのどちらも「選ばない」という茨の道だと思ってるんですが、今、ふとそのことを思い出して、ヒースの抱える孤独に寄り添えきれずに、途方にくれた。どんな辛く苦しいことも、ヒースに起きない世界があればいいのに……。

「彼にとって魔法使いとは、大好きな両親の名誉を傷つけるものであり、大好きな友人との絆そのものなんだ」

 賢者が全部完璧な解釈をしすぎるので、ここまで文字書いた意味、正直なかった!!!知ってた!!ヒースの抱えるジレンマ、たった一セリフに集約されてしまった。完。



8話・9話
傷つくことには、慣れていると笑うヒース。何もできない自分。やっぱりファウストに呪いを使ってもらうしかないのでは。ヒース、頼むから一人でいかないでほしい。

「オレを置いていくのはいつもあいつの方だ。オレを頼ってくれない」
 シノはヒースの前で格好つけさせてくれ、褒めてくれって言うけど、ヒースの方がシノに格好つけたがりで、シノに格好いいと言わせる人間でいようとしているし、自分で自慢しないってシノは言うけど、その分ヒースはシノが自分のことを格好いいと言い続けてくれる人間であろうとしている。ヒースが言わなくても、シノが横で勝手に世界に叫んでいるから強くなれるんだろうし、傷ついても立っていられる理由になっているんですけど、そうとは言わないのでシノはわからないというか、シノはヒースに自分の口でいってほしいし、周りの人間の口からも言わせたい。高みの高みを目指しているので。頑張れ。

 東の国に帰る日、気弱で、優しいヒースを、守って見せると息巻く賢者とシノ可愛い。
 ヒース、弱くないですよ・・・誰よりも強い、傷つく覚悟ができる子なので。



10話(読みましたか? ココットの量産は、双子鳥の卵・黒と、マカロニ菜をオーブンに放り込んだらできます)






「シノ、父上とブランシェット家の家名に泥を塗らないと誓えるか?」
「……誓える」
「なら、ついてこい。おまえが必要だ」




 おまえが必要だと言える主君。
 ヒースクリフ・ブランシェット。世界一格好いい。



 ヒースが、覚悟を決めて、顔をあげて前を見据えたとき、世界はまた一つ輝きを増す。


 弱音を吐かない、何があってもブレない、シノがいつも大きな声で言う格好いいヒースクリフでいるためにシノが必要だ、ということですよね。ヒース、主の器がありすぎて将来が怖いです。
 強くなれる理由が互いにある関係、あまりにシンプルで最強なのに、そこにお互いの命運を握っている約束があることによって良くも悪くも揺らぐところがすごい。信じる気持ちが試され続け、乗り越えるたびに強くなる。眩しい。二人が歩いていく世界をずっと見続けていたい。元の世界に帰りたくない……!!


幼馴染、主従。すごいですね。




edit 編集 delete 削除
open_in_new 開く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?