魔法使いの約束感想まとめ2~メイン東主従の話~

世界の中心で愛を叫べ、シノとヒースとベランダに放置される賢者編(合コンと12章の話)

2020/11/27


されど、空は青い。
青空が目の前に広がっているというシンプルで圧倒的な美しさ、何も言わなくてもいいほどシンプルな感動。夕陽や朝焼けの美しさに心を動かしがちなオタクは、青空のシンプルな美しさを忘れていた。
シノとヒースクリフの話なんですけど。

賢者の書に書くつもりで、あくまで冷静に、二人のことを整理した方がいいかなって思ったんです。賢者ですし…………。落ち着いて、今わかってることをまとめよう、あまりに個人的な興奮を残しすぎたら次来た賢者をめっちゃ困らせますもん。


以下ネタバレあり。
12章まで読了(足踏み中)

(まだまだ読むものいっぱいあってすごい)


当歴史は合コン以前、合コン以後でわかれます。before GOUKON(B.G)after GOUKON(A.G)です。※紀元後のADはafterからきてないといういらぬ知識を得た。

○合コン以前のヒースの印象
何もわからない頃にシュガーを作って私にホッと一息の安らぎをくれた優しい青年。うっかり恋に落ちそうだった。きっと恋をするならヒースがいいんだろうと思う。その他滅茶苦茶な魔法使いに振り回されて、ベッドの上でヒースに恋すれば良かったと泣く時がきそうだ。甘く優しいシュガーの思い出、きっと忘れないよ……。

○合コン以前のシノの印象
森の番人。「魔法使いは約束しない、約束を破ると魔力を失うから」という世界の根幹に関わりそうなことを言ってたが、シノが誰かと約束しているなんて想像することもなくスルー。以上。なんなら、この設定後で他の魔法使いたちでやばい展開くるのでは?と、思っていた。



メインストを、合コン以後の私が読み返すと、ヒースがちゃんと人間に怒っているな、とか、襲ってくる人間に対して人を傷つけない魔法で応戦しててかっこいいな、とか、シノがエレベーターから出てきた時に「シノ…!」ってなってたな、とかかなりの発見があってヤバいなって思うけれど、合コン以前の私は一切合切それらをスルーし、胸が燃える傷を負うシャイロックという設定の強さ、痛い?ってきくムルの最悪さに笑ってたのである。愛憎、危険、要注意。


合コンでシノとヒースに殴られた話は前に書いたけど、人生のサビは何度も繰り返すタイプなので、走馬灯でお送りします。
『東の国のシノ。シャーウッドの森の番人。ブランシェット家の小間使いだ。』
「……ブランシェット家ってヒースクリフの実家?」
『……シノは幼馴染です』

「おまえ、ヒースクリフの友人か」
『友人じゃない』
『ああそう』
『オレの主人は旦那様と奥様だ。ヒースはたまたまその子供ってだけ』
『そうだな。おまえもたまたま、うちの使用人だっただけだ』
『そうだ』
『あっそう』

友達じゃないという言葉にとらわれ続けて数年の私に、「友人じゃない」は「愛してる」よりも破壊力の強い言葉だ。あの穏やかなヒースがこんなにも感情を剥き出しにして意地張ってるの何??え?もしかして賢者、厨房に入る前から、いや、出会う前から入る隙間なかったんです??聞いてない(10回目)

『魔法使いは約束をしない。約束を破れば、魔力を失うからな』
『だか、いい加減な師匠に騙されて、オレは兄弟弟子と約束をした。互いを守ると』

曇天の空を裂く稲光、目の前が真っ白になって突然色付く世界。バチっと世界にハマる瞬間。熱くなる脳、戸惑い、湧き上がってくる怒りに似た感情、そして、敗北を知る。(完)


気がついたら、何かに殴られて中央の国の城の廊下にいた。(ヒガシノログストマボロシ)


合コンであれだけ険悪モードの二人が普通に会話している。何故?と言いたいところだったが、先に東の国周年ログストに後ろから殴られていた私は無敵だった。

『オレは捧げたい。この世界にある素晴らしいものを。すべて。ヒースにもそう思っていた。おまえには、迷惑だったみたいだけど』
『……迷惑なわけじゃない。いつも、感謝してたよ。シノはぶっきらぼうだけど優しいから』

さすがに、体感3秒で素直になるとは思わなかった。きちんと言葉にして偉い。言葉にして伝えようとするの偉すぎる。シノは素直だから思ったことは口に出すし、ヒースは思ったことを全部口にしないけど、誠実なので言うべきことは伝える。本当にいい関係なんだなってことが一瞬で伝わってきた。
弟はお前だろ、としょうもないことで言い合う会話によって、ヒースが先に選ばれて離れてしまった二人の距離感が一瞬で埋まっていってて、幼馴染の強さが出てた。

『おまえはオレの自慢の主人なのに、おまえが自分を恥ずかしがってちゃ、オレが馬鹿みたいだろ』
シノ、めちゃくちゃヒースのこと大好きじゃん……………。
合コンで、オレの主人は旦那様と奥様とか言ってたの、ただの売り言葉に買い言葉なだけじゃん…………。

『うるさいな。シノにはわからないよ』
ただ、目立つことに関してはびっくりするぐらい拒否感を示す。顔がよくて優しくて器用で賢くて賢者に選ばれて、顔が綺麗ですごく美しい。それなのに、ただひとつ、魔法使いであることを受け入れられていなくてシノにだけ、子供みたいに意地を張る。自分の力に自信があって、自分の大好きなものに全てを捧げたいなんて言えるシノには、わからないだろうと。
シノだって、自分とヒースを繋いでくれた魔法を否定する言葉を受け入れられるわけがないので二人は悲しいぐらいすれ違う。
また喧嘩してどっかに行ったシノを追う賢者。

『オレにとっては誇りになったが、あいつにとっては魔法使いでいることが恥ずかしいんだよ』

シノは、自分が魔法使いだったことで、『ヒースと仲良くしてあげてね』と奥様に言われて、ブランシェット家に関わることができ、生きる意味が生まれたから、魔法使いであることを否定するヒースの考えを受け入れるわけにはいかない。

互いが互いを大事に思ってることはわかっているのに。

でも、そこでオレが英雄になって大きな城を建てて「ヒースの友達だと名乗ってやる」っていう前向きな夢を語るシノ、最高の男だった。ヒースは渡さんが??とか一瞬でも思ってごめん。掴んでくれ、でっかい世界を、愛の力は世界を救えると証明してくれ……!!


いいタイミングでヒースのご登場。たぶんこのシノの想いは聞いてない。聞いてたら良かったのに。

『何を話して居たんですか?』
『ヒースの悪口』
『え!?』
『嘘だよ。行こう』
笑いながらシノがヒースの手を引いていく。

ん???

ベランダに置いていかれる賢者。

去っていく二人。

シノーーーーーー!!!!!!!!!ヒースを連れてくな!!!!!!!!




12章、1話、2話、3話。
「約束のジレンマ」の話がしたかったです。ココット大量生産工場をフル稼働させたのに。


シノとヒースには、世界の中心で自分たちが最高の友達であることを二人で早く叫んでほしい。

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