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『横浜市水道局のNMRパイプテクターの試験結果を読み解く』に関する見解

はじめに

天羽優子氏による『横浜市水道局のNMRパイプテクターの試験結果を読み解く』を読み、不安を覚えられた方のために、横浜水道局とコンサルタント会社を通して共同で行われた実証実験の概要を含め、ご説明させて頂きます。

NMRパイプテクター®の水道事業への進出

NMRパイプテクター®の使用によって水道水の残留塩素濃度低下は抑制可能であるとする実証実験の結果が、2013年に横浜市水道局より発表されました。
以下のコラムに分かりやすくまとめてありますので、ぜひ一度お読みください。

横浜市とコンサルタント会社を通して共同で行われた、NMRパイプテクター®に関する上記の実証実験では、水道水の残留塩素濃度低下に対する顕著な抑制効果が認められました。

しかしながら、NMRパイプテクター®の水道分野への応用は実験段階にあり、様々な状況で確実に効果を発揮するためには、まだまだ水道事業体と強く連携して研究を進めて行く必要があります。
水道分野への進出は、マンションの給水管を中心とする屋内配管にてこれまで多くの実績を残してきたNMRパイプテクター®の新たな挑戦なのです。

横浜水道局とコンサルタント会社を通して共同で行われた実証実験

横浜水道局とコンサルタント会社を通して共同で行われた実証実験について、天羽優子氏は残留塩素濃度の大きな変動に着目し、前述の記事の中で以下のように述べておりますが、本質的でないばかりか大きく誤解を与える表現となっております。

「平成24年の試験は、偶然、最も塩素濃度が低く出ていた時期にパイプテクターを設置したため、見かけ上、塩素濃度の増加が起きたように見えてしまったのだろう。」

この点について、横浜水道局と共同で行われた実証実験への理解を深めて頂くために補足させて頂きます。

NMRパイプテクター®を設置した目的は、水道管を通過していく過程で赤錆のために減少してしまう塩素について、その減少を抑制し、残量塩素濃度を保持することにありました。

塩素を「増やすこと」と「減らさないこと」は厳密には混同すべきものではなく、NMRパイプテクター®設置により意図した効果は後者です。
そしてNMRパイプテクター®は、設置箇所より下流側にのみ効果を発揮するものですから、上流側の残量塩素濃度はNMRパイプテクター®の影響が及ばない所です。
従って、天羽優子氏が指摘するようなNMRパイプテクター®設置箇所前後を含めた水道水全体の残留塩素濃度の変動は、水温や水の使用量に依存するもので、それ自体はNMRパイプテクター®のあずかり知らない外的な要因となります。

重要なのは、そういった水道水全体の残留塩素濃度の変動を前提とした上で、NMRパイプテクター®設置箇所より上流側の残留塩素濃度と下流側の残留塩素濃度の差分をできる限り小さくすることにあります。
そして、本実証実験ではNMRパイプテクター®の設置によって、安定してその減少を抑える事が出来ました。

実験の内容とその背景を誤って認識し、NMRパイプテクター®が示した残留塩素濃度減少に対する高い抑制効果をまるで偶然であるかのように印象づける天羽優子氏の前述の主張は正当なものとは言えません。

横浜水道局が行った補足的な実験

これまでご紹介した横浜市水道局による実証実験から数年後に、第二回目の実証実験が行われました。
但しこちらは、飽くまで補足的な位置付けの実証実験であり、水の使用量も規定の1/4以下の場所に装置が設置されたため、その結果はNMRパイプテクター®が効果を発揮するというよりは、発揮できない規定条件の確認となりました。
前述したとおり、NMRパイプテクター®の水道分野への応用は、水道事業体と強く連携して今後も研究を進めて行かなければなりません。

一方で、そういった事実を考慮せず、また第一回目の実証実験の結果を正当な理由なく無視し「(NMRパイプテクター®には水道水の残留塩素濃度の低下を抑制する)効果が無いという結果がしっかり出ました。」と結論付ける天羽優子氏の評価は適切とは言えません。

天羽優子氏の誤った分析にご注意ください。

「効果が無いという結果がしっかり出ました。」という結論に至った根拠として示されている、第二回目の実証実験に関する天羽優子氏の分析については特に注意が必要です。

まず第一に、天羽優子氏が記事中で提示している分析結果は、グラフ中のデータ数と、表中の例数がまったく一致しておらず、著しく正確性を欠いたものとなっております。

また、評価指標として「NMRパイプテクター®設置前の測定データの平均値」と「設置後の測定データの平均値」を使用しておりますが、これらの指標で性能は評価することはできません。

前述の通り、水道水の残留塩素濃度は、その時の水温や水の使用量に依存し、常に変動するものですから、各測定時点における残留塩素濃度の「減少量(NMRパイプテクター®設置箇所より上流側と下流側の差分)」がどれほどであったかを算出し、評価するのが正しい方法です。

また、NMRパイプテクター®は設置から数ヶ月かけて、水道管内の環境を徐々に改善するものであり、それに従って水中の残留塩素濃度の低下が抑制されていく訳ですから、設置直前の測定値よりも重要なのは測定から数カ月後の測定値となります。
従って単純に設置前後で群をわけ、平均値を算出してもその性能を正しく評価することは出来ません。

最後に

NMRパイプテクター®を使用したことのない、第三者によるインターネット上での誹謗中傷が多発しております。皆様にはご不安な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。
こういった誹謗中傷については現在、厳正に対処しております。
少しでも不安に思う事などございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。



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