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水道事業におけるNMRパイプテクター®-NMRPT-の可能性

はじめに

塩素は、水に含まれる病原菌の殺菌やウィルスを不活化する作用があります。
各家庭に安全な水を供給するためにも、水道水の残留塩素濃度の維持は水道局にとって非常に重要な課題です。
今回はNMRパイプテクター®の残留塩素減少防止効果についてお話しします。

NMRパイプテクター®-NMRPT-の残留塩素減少防止効果

2013年に開かれた日本水道協会の水道研究発表会にて横浜市水道局より、NMRパイプテクター®の使用によって水道水の塩素濃度低下を抑制できるとする実証実験の結果が発表されました。

その内容は、横浜市管理の水道本管(配水管)でNMRパイプテクター®の設置前と設置後での残留塩素濃度の比較を行ったもので、
設置前は主管から10M離れた場所のテスト配管内で塩素濃度0.5PPM、60M離れた地点で0.3PPM、135M離れた地点で0.2PPMと距離が長くなる程、配管内の赤錆の為に残留塩素濃度が減少していました。

NMRパイプテクター®を設置して試験開始から4ヵ月後の結果では、
設置場所の主管から10M離れた場所の塩素濃度は0.6PPMに対し、60M離れた地点でも0.6PPMと塩素濃度の減少はほとんど無くなりました。
また、135M離れた地点の塩素濃度も0.55PPMと上昇し、残留塩素減少幅もわずか0.05PPMとなっていました。

このように塩素濃度低下の抑制効果について立証されたため、水道事業にもNMRパイプテクター®の活躍の場が広がるのではないかと期待されています。

老朽化する水道管路と財源が厳しい地方水道

1970年代に全国の水道が整備され約半世紀が経ち、現在では水道配管の老朽化が問題となっています。
加えて耐震などの必要もあり全国の水道事業体では水道配管の敷設替えを急いでいます。
しかしながら、給水人口が少ないあるいは人口が減っている地域では、敷設替えのための十分な収入を確保できないために敷設替えへの道筋が見えていません。
この状況は特に地方でよく見られます。

残留塩素濃度の維持のために陥る負のスパイラル

財政が逼迫する要因は収入の減少ばかりではありません。
残留塩素が検出されない場所では、衛生保持のために残留塩素が検出されるまで水を捨てることがあり、東北地方のある事業体では捨水量が年間およそ5億円に相当するほどです。
水道水を衛生的に保つための捨水によって水道事業の財政が厳しくなり、水道配管の敷設替えがさらに遠のき、配管内の衛生状態が悪化するという負のスパイラルに陥りつつあるのです。

NMRパイプテクター®-NMRPT-の地方水道事業における貢献

地方の抱える以上のような財政問題を解決する上で、NMRパイプテクター®は非常に有効です。
なぜならNMRパイプテクター®は、水道配管の敷設替えに比べると10分の1~20分の1程度のコストで設置できるからです。

水道事業の都市部での課題

地方と異なり大都市では十分な財源があり、長期計画のもと水道配管の敷設替えを実施していく事が可能ですが、交通量や交差点の数が多く開削工事が難しい場所などが数多く存在します。
NMRパイプテクター®は、水道配管の外側に取り付けるだけなので、設置するための工事を最小限に抑えることができます。

NMRパイプテクター®-NMRPT-の防錆効果を十分に発揮するためには

NMRパイプテクター®は配管内側に発生した赤錆を、鉄を保護・強化する性質をもつ黒錆に変え、水道管の劣化が引き起こす様々な問題を解決し、残留塩素濃度低下を防止します。
実力を余すところなく発揮できれば、寿命があと10年という水道配管の寿命を30~40年へと延命する事も可能です。
そのためには、水が一方向に流れることと、水の使用量が重要で、国道沿いなど水が一方向に供給されるような水道管路に設置する事が望ましいのですが、末端の行き止まり管でもその先に住宅が密集しており、水の使用量がある定程度見込める場合は有効です。

モニタリングの重要性

日本の水道管路は碁盤の目のように張り巡らされており、向き・速さともに水の流れが場所によって大きく変わるため、NMRパイプテクター®がその防錆効果を十分に発揮するためには、事前にモニタリングを行い、その結果を踏まえた上で、設置場所・設置方法を慎重に検討する必要があります。
日本システム企画株式会社は全国の営業拠点やパートナー企業とも連携しているため、そういった各地域の実情に柔軟に対応をすることが可能です。

新しい水道技術として

NMRパイプテクター®は、給水管などの屋内配管では日本だけでなくイギリスのバッキンガム宮殿をはじめ数多くの実績があります。
しかし、水道分野では全く新しい技術であるため、NMRパイプテクター®の特性に適した場所に設置し、水の使用量が少ない箇所でどう活用していくかなど実情に合わせた技術開発が必要不可欠です。
日本システム企画株式会社の熊野社長は「まずは設置してみていただき、NMRパイプテクター®の効果を確かめてほしい。効果検証のための設置は無償で提供いたします。一緒に検証して効果が認められれば、その上で採用していただくというスタンスで臨んでいく考えです。」と話します。

NMRパイプテクター®の活躍の場は今後ますます広がっていきそうです。

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