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【5e】遭遇集…それはテーブルに出てくる出来合いのおかず(自作より旨いかも)【世界で最初のファンタジーRoleプレイングゲーム】

割引あり

サマリー

  • 出来合いの戦闘遭遇を集めた本が英語圏では大量に出ている

  • あとは「これでGMの準備を短くする!質のいい遭遇・マップ集!」と言う触れ込みの商品も多い

  • セッションを夕飯の食卓とすると、おかずとして出してる冷凍食品やレトルトが遭遇集、とは言えるが使う時には必ずGMのアレンジが入るからその卓の独自料理、に結果なる

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注意:本記事は全編無料です。応援いただけると軽率に買ったサプリメントの翻訳や利用、感想とか捗るので、ちょっと試験的に販売ボタンをつけてみます。
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最近は動画配信でいろんな5eサプリのことについて語っているのですが、その日語ったことを後日ちゃんと文字にしないと残らないし、まとめがあると嬉しいというアドバイスを烏烏烏さんからいただきまして。じゃぁボチボチとやっていくかと考えました。
ただ、全部の配信が後日文字になるわけでもないと言うのをあらかじめ免責事項とさせていただきます。可処分時間は有限なので…

遭遇集とは?

遭遇集というのは、様々な5eゲームにおいて発生しうる「遭遇」をまとめて一冊の本として仕上げているモノです。平原で、山で、海で、都市で、地下の迷宮で、異次元で、様々なモンスターやNPC、ハザードやトラップに出くわしたときのシチュエーションを用意してくれています。
だいたいがシチュエーションごとのマップと、どんなモンスターが登場するかと、そのモンスターがどんな戦術を採るか、罠があるならその解説、ハザードが設定されてるならその効果、などというように戦闘や社交の遭遇部分だけを抜き出したモノが多いです。
これをどういうときに使うかというと…

  1. アドベンチャー内の遭遇が思いつかないときに、すでに出来上がっている遭遇を見てそのまま採用する、あるいはアレンジして採用する

  2. ランダムエンカウントでモンスターをそのまま出すのはつまんねぇな…と思ったときに、シチュエーションや新しいマジックアイテムもひっくるめて遭遇集を利用する

  3. 急に"セッションしてぇ…"って人が現れたとき、「うんじゃやりますか、ちょいとした戦闘」という遊び方が出来る。

  4. サンドボックス型キャンペーンを実施しているときに、プレイヤーがDMの想定の外の場所に行きたがった場合に「わかりました、これがこの場所に立ち塞がっている障害です」と言って使う

まぁ、全般的に言うと「DMのプレイ準備を楽にするため」の本ですね。D&Dの第4版時代は「ダンジョンデルヴ」という短い遭遇だけを沢山集めて、この遭遇を3~4つ組み合わせて1つの冒険にしよう、なんて本もありました(日本語版絶版。英語版はPDFで入手可能です)

この「遭遇」の組み合わせでアドベンチャーを構成するというのは割とD&Dでもスタンダードなやり方でして。ストーリーは最初から決め込んでいかない。お話のキッカケと最終的な報酬は決めておき、合間のシチュエーション、使えそうな遭遇、登場するアクの強いNPCあたりを決めておけば、あとは卓の上で繰り広げられるダイスの気まぐれとプレイヤーから出てくるアイディアや言葉が組み合わされて1つのストーリーが完成する、というのが想定されています。

遭遇集もいろんな本がありまして。ここで私がおすすめのモノを提示していきますね。

Kobold Press発行「Prepared!」シリーズ

まずは5eサードパーティーの最大手と言えるパブリッシャーKobold Pressですね。この出版社はハイペースにDMの役立つ本を高い品質で出してくる、高打率高打点なパブリッシャーなワケですが。当然遭遇集も色々出しています。
そんな中でもダイレクトな「Prepared!」(準備完了!)と銘打たれたこの本。様々なレベル帯の簡単かつバリエーション豊かな遭遇を用意してくれます。

上記2冊の遭遇に加えて6つの追加遭遇が含まれる合本がこちら(これから買うならこっちでもいいデスね)

この本に載ってる遭遇はだいたい2ページ半~4ページくらいの簡単かつ短いモノばかりですが、ちゃんとマップもあり戦闘シチュエーションも結構凝ってる。
自分もこの前プレイヤーの欠席があって「ここでキャンペーンをガッツリ先に進めちゃうと休んだ人置き去りにしちゃうな…」と考えて、間に1つ遭遇を挟み込もうと考えて、この本にある遭遇を1つ使ってみました。ざっくりと機械翻訳にかけて、固有名詞や登場するNPCの立場を変更し、場所の意味も「古代の宗教施設の廃墟」から「古代の研究所の入口」に変更、それ以外は特に差し替えずに遊んでみました。ここまでの準備で30分くらい。

Prepared!2 より抜粋

この本には「貴方のキャンペーンに組み込む場合」の指針なんかも用意されていて、読むだけですぐに利用できる(英語圏だと「貴方のキャンペーンにドロップできる」と表現してますね)ように作られています。
レベル帯も幅広く用意されているし、面白おかしい遭遇も作られてるので(古代の地底ドリル戦車が出てきたぞ!みたいなのもある)、強くおすすめします。一冊だけなら安いし利用も簡単。モンスターのスタッツも載ってますし、Tome of Beastを参照のことと書いてあっても、オープンなデータならOpen5eで検索すればデータは出てくるので運用は簡単です。なんならモンスター取り替えてもいい。TRPGのプロがテストプレイを積み上げてから出版しているので、完成度は補償されている。君のゲームに少しスパイスを加えてみよう!

2cGaming 発行 「The Total Party Kill Handbook」シリーズ

2cGamingという歯ごたえのあるゲーム体験の提供に定評があるパブリッシャーの作る遭遇集、それがThe Total Party Kill Handbookシリーズだ!本の表題に「パーティー全滅(TPK)」を謳うこの本は、1レベル向けの「酔っ払いのおっさんをなだめる(物理対応も可能、戦闘無しの対応指針もある)」、ダンジョンシナリオに刺激を加える「最後の部屋、そのあとの脱出シチュエーション(宝を取られて怒り狂ったエレメントが脱出の最中にダンジョンを壊しながらPCに襲いかかってくる)」、ウィザードの塔にいる機械人形の執事が出してくる謎を解く遭遇、金庫の鍵開けパズル、檻の中の謎の犬、ユニークな遭遇が一冊25種類に加え、Vol.1にはトラップ・ワークショップ(レベルごとにスケーリングされたトラップ作成法)、Vol2.にはハザード・ワークショップ付きだ。君だけの罠や災害を作り出して冒険者たちを追い込んでいこう。まさに「パーティー全滅」に向けたハンドブックだ。強烈なスパイスを君のキャンペーンに加えることが出来そうだ。

こちらはDriveTHRU RPGで入手可能な旧版

2cGamingのサイトから入手可能なVol.1とVol.2

2cGaming 発行 「TYRANTS & HELLIONS」

そして同じ会社の出している別の書籍「TYRANTS & HELLOINS」…直訳すると「暴君と乱暴者」は更にGREATなボスモンスター遭遇集…いや、ここまで来ると「一人のボスをテーマにしたショーとキャンペーン集」だ。303ページの本の中に15体のボス。1つあたり15~20ページくらい割いて以下のことを紹介している

  • ボスの来歴

  • ボスの企てる陰謀とその進行フェーズ

  • ボスと敵対する存在

  • ボスの手下

  • ボスの住処や最終決戦場の説明とマップ

  • ボスに関する情報収集の段取りやボスを知る中立的NPC

なんと「NINE-TALED KITSUNE」九尾のキツネも出るぞ!(TYRANTS & HELLOINS)から抜粋

「1つの街を舞台にしたショートキャンペーン」としても運用できるレベルの作り込みが有り、ボスの陰謀が進行するとその影響が世界に波及していくため、DMとしても歯ごたえがありそうだ。プレイヤーも様々な事態に巻き込まれて楽しくなれそう。更に「Tier1/Tier2/Tier3」のボス一体ずつを倒し、Tire4のドラゴンと戦うキャンペーンとして運用も可能だ。
そして、ヴィラン・ワークショップという「敵NPCを作るガイドライン」が用意されており、ここには「敵キャラだけが取得可能なサブクラス」が収録されている。PCと同じロジックで敵キャラを作ると運用が大変なのだが、しかし「邪悪キャンペーン」をしたいならもしかしたらこのサブクラス集は参考に出来るかもしれない…。

MCDM Production発行「WHERE EVIL LIVES」

お気に入りのモンスターブックの1つである「Flee,Mortals!」の姉妹編と言えるボスバトル遭遇集。329ページ(!)の分厚い本に22種類の遭遇。ページ数の割りに少ないと思われるかもしれないが、この「遭遇」だがそのまま遊ぶと一本のダンジョンシナリオとしても遊べるくらいに「こってり」しているのだ。その上、「Flee,Mortals!」の独自メカニズムである「アクション指向モンスター」「ミニオン」「コンパニオン」「サイオニクス」の説明、遭遇に登場する全モンスターのデータも載っており、ぶっちゃけ「この本一冊買ってもかなり使い出がある」本です。元々はKickstarterで資金集めしたときに、「モンスターと遭遇集で一冊にする」予定だったのが、盛り込みすぎて2冊になったという曰くもありまして…

この本もMCDMの発行した本なので、基本的にアートが美麗。データは歯ごたえ高め、マジックアイテムも凝っていて、戦闘シチュエーションも沢山提示されている。ホブゴブリンはMCDMの独自解釈も入っていてデフォルトで「火」ダメージへの耐性も持っている。
遭遇はレベルごとに様々なモノが用意されていて、スケーリング指針もあり。

Where Evil Lives 中表紙。イカす。

下に示すように、美麗なバトルマップやNPCの立ち絵、各部屋で起こりえる遭遇などが一遭遇あたり20ページくらい使ってこってり描写されています。作り込みも完璧。これ一冊でキャンペーンをやることも不可能じゃないですね。MCDMオリジナルのドラゴン5種の遭遇なんかも用意されていて、そいつらに挑むシナリオとか作っても良いかもしれませんね(15レベル推奨)

Where Evil Lives より抜粋

まだまだ様々な遭遇集があるんですよ。遭遇集を1~2冊持っておいて、いつでもスッと出せるように簡単な翻訳をしておいたり、VTTに仕込んでおいたりすると便利ですよ。そのときの遭遇で起こったことをメモしてまとめておけば、振り返るとキャンペーン中の物語に昇華していきますので。
いろんな外部データを利用してセッション準備の負荷を下げ、プレイヤーを楽しませるアイディアやNPCの作り込みに重点を置きましょう。自分で作るお弁当も多くは冷凍食品だったりするし、家族団らんの食事も半分くらいスーパーで買った惣菜だとしても問題ないでしょう?その代わり味噌汁には凝って炊きあげる飯の質を上げていけばQOLも上がるというモノです。無理せず凝ったマスタリングをするために、遭遇集を1つ2つ抱えることをおすすめしたい。

自分、実はサンドボックス式のキャンペーンやってみたいんですよね。ワールドビルディングに近いので結構な挑戦ですが。でも、こういう遭遇集を用意していくつか抜粋し、いろんなエリアやランダムエンカウンターで利用していけば、飽きさせないセッションが出来そうだな…と。今年中にははじめたいぞ、と色々準備しています。参加したいなって人がいたり、色々提案があるぞって人がいたら、コメントいただければと…。コメントといいねはとてもとても励みになりますので…

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