見出し画像

運命を拓く 中村天風氏

運命を拓く 中村天風氏

私達の人生は「思考」と「言葉」で出来ていくと言っても過言ではないと思います
その思考は宇宙と繋がっていて、良いことを考えれば、良い方向に、悪いことを考えると、悪い方向に宇宙の力は導いていく。

そして、私達の思考は不思議なもので、体調の良し悪しにも影響している
昔から「病は気から」といいますが、まさにその通りなのだと天風さんは伝えています

常に積極的思考でいきたいと思います!

■プロローグ

人生は誰もめぐりあうかによって、決まるといってよい

フランスに留学時代
下宿先のサラに「カントの自叙伝」を勧められた
カントは胸に奇形的な病を持っており、巡回する医師は少年カントに向かって、
『この病は一生治らないだろう。だがあなたの心は病んではいない。これからは辛い、苦しいと言わずに、自分のやりたいことをやりなさい』と諭した
それからカントは哲学を志し、大カントと言われる程の哲学者となった

天風はフランスからの帰路でカイロに着いた時に結核により大吐血した。船旅の無理が重なってのことだろう
何か食べなければと食堂に足を運んで食べたが、注文したスープもサラダも砂を噛むように味気なかった
その時に60歳ほどの色の浅黒い人物から呼ばれ、鉄片が磁石に引き寄せられるように、天風はその人の前に立った

『お前は右の胸に大きな疾患がある。お前は祖国に墓穴を掘りに行こうとしている。お前は死ぬ必要はない。お前は助かる。私についてきなさい』

その人物と共に3ヶ月の船旅の後に、天風を連れた一行はヒマラヤの第三の高峰、カンチェンジェンガの麓の村に到着した

この村こそ、古い歴史のを誇るヨガの修行の根拠地であった。天風がカイロで出会った不思議な人物は、ヨガの聖者カリアッパ師であった

私はこの出会いを、世紀のめぐりあいと呼ぶ
このめくまりあいを契機として、結核の一青年が救われただけでなく、少年は天風となり、多くの人々を救うのである

天風は感動的な聖なる体験の中で「わが生命は大宇宙の生命と通じている」と直感する
宇宙には目的があり、その方向性と法則性の中に、人間は生きねばならない

■心理瞑想行とは

人生に対する自覚と反省とをうながし、現在ある命をよりよく有意義に活かすのに必要な基礎的考えを、正確につくりあげることを目的としている

■序章 朝旦偈辞(ちょうたんげじ)

普通の人にはなかなか考えられないことであるが、すべて“気”というものは動かなければならない。気が動くと、動いた行によって、物が創られるようになっている
この気が動こうとするときに、現れる現象を「アイデア」という。人間でいうと“心”ということになる

心の活動は、思うことと考えること以外にはない
つまり、思考によってのみ“心の活動”は行われる

どんな場合でも、心の思考作用と、宇宙を司る宇宙本体の創造作用とは、別々に分かれているのではなく、本質的に一つのものである

■第一章 生命の力

およそ人間として完全な活き方をするには、本当に心を積極的にしなければならない。いかなる場合にも、心を清く、尊く、強く、正しく持たねばならない

現代の人間は、肉体が自分であると思っている人が多いのではないか
しかし人間というものは、その正体をつきつめていくと、何も見えない、また感じない、霊魂という気である
その霊魂が、現象界に命を活動させるために、その活動を表現する道具として肉体と心が与えられている

命の力を豊富に受け入れられる活き方とは、いかなる場合にも心の態度を積極的に保つことであって、どんな場合にも最高度に引き上げられた自己認証をゆるがせにしないことである
要するに消極的にものごとを考えなければそれで良い

■第二章 人生を支配する法則

人間の心というものは、一方においては、人間の運命や健康その他人生の一切をよりよく建設する力があると同時に、またこれと反対に人生をより悪く破壊する力もある
すなわち積極、消極の両方面の作用が心にはあるのである

天風哲学は、たとえ人生に苦痛や苦難はあろうとも、それを心の力で喜びと感謝に振り替えていくのである。ここらが積極的になれば、振り返ることが出来る。

およそ人生には、人生を厳格に支配している一つの法則がある。それは「原因結果の法則」である。そして、人生というものは、この法則を応用する度合に比例する。すなわち「蒔いた種のとおり花が咲く」という法則なのである

人間が真理を思うとき、宇宙霊は人間の心を通じて、その正しい思考を表面に表そうとする
反対に人間が悪を思えば、宇宙霊はその通りの人生を作り出そうとする
宇宙霊のもつ創造の力は、その心にきざまれる思考、観念に従って、積極方面にも消極方面にも活動する

人間は、宇宙の進化と向上に順応するために生まれてきたのだと思います
人間はそれ自身、この宇宙の創造を司る造物主と称する宇宙根本主体である宇宙霊と自由に結合し得る資格を持っている
と同時に共同生活を行う一切の力が与えられている

■第三章 潜在意識とその性能

人間の心というのは、実は二つの異なる作用を行う意識の領域のかることが明らかにある
その異なる領域とは、「潜在意識」と「実在意識」という二つの意識である
この二つの意識は名目の上からは別々に考えられても、実は別個ではなく、一個の精神を本としてただその働きの上で二つに分かれている

すなわち実在意識は、形と感覚の世界に人間を不自由なく生活させるために働いているもので、常にその周囲の事物と接触することによって、間断無く切々として発達してしている

■第四章 言葉と人生

何でもないと自分が思っていて、それが直接的には自分の心の態度を、そして結果において自分の人生や生命に大きな影響を与えるもの、それは日常便利に使っている「言葉」というものである

人間の精神生命の中には、暗示の感受習性というものがある。感じると同時に潜在意識に対して、その通りの状態が働きだすのである

お互いに勇気づける言葉、喜びを与える言葉というような積極的な言葉を使う人が多くなれば、この世はもっともっと美しい世界になる

■第五章 大いなる悟り

人間として考えなければならない一番必要なことは、どんな場合があろうと、この造物主の自分の生命との結び目を堅固に確保することである
この結び目を堅固に保たないと、病が出たり、不運が来たりするのである

■第六章 人生の運命

天命は絶対で、宿命は相対的なものである
天命というのはどうすることもできない
人間の力です打ち開く事のできるものを宿命と言う

正義を実行すると、それが自然と運命を選ぶ法則に合致する。そして人間の生命の本質である霊魂という“気”を汚さぬことになる
すなわち、本心良心の命ずるままに活きることが、期せずして人間を霊の世界に活かすことになる

宇宙には因果律のいう法則が厳として存在する
少しでも消極的な気持ちが心の中にあるならば、それは自分を宇宙霊の力から遠ざけて、くだらぬ宿命を招き寄せる種を蒔いているのと同じ
そういう心持ちでいる人は、いつまで経っても本当の安心立命は出来はしない

■第七章 人間の生命の本来の面目

人間の生命の本来の面目は何だろう?
それは「創造の生活」である
これが生まれた時から、お互いの命に与えられた本来の面目なのである
それは進化と向上を実現化するために、人間にこの本来の面目が与えられている

すなわち、ものの破壊や消滅を好まず、まのの上述や完成を好むという気持ちには、共通的に“完全を喜ぶ”という気持ちが、その心の中にあるはずである
これもやはり、人間の生命の中にある、自然傾向であるからである。いわば自然に与えられた活動的能力である

どんな時代が来ようと、どんなに齢を取ろうと、我々は進化向上の自然法則の中で活きている
特に現在、病のある人、あるいは運命の良くない人も、決してその病や運命に心をこだわらせないこと
こだわれば、こだわるほど、病も治りが遅いし、運命だって、挽回するときが遅いのだ

■第八章 人生の羅針盤

時の古今、洋の東西を問わず、仲間の群を凌いで名をなし、功を挙げた偉人や傑士を見てみるがよい。誰も皆、信念の人であったことを発見するに違いない

人生にとって一番大事なことは信念である
それほど重要な信念は、どうすれば確立され、どうすれば信念が強くなるか、という実際方法は解いてはいない
それにはまず「信念を煥発すること」である
信念は煥発しやければ、強くはならないのである
信念は出たくてウズウズしているのに、消極的な観念がそれに蓋をしていて、諸君の心の底の底に、いつの間にか下積みにされてしまったのである

信念、それは人生を動かす羅針盤のごとき尊いものである。したがって信念なき人生は、ちょうど長途の航海の出来ないボロ船のようなものである
私は心理に対していつま純真な気持ちで信じよう

■第九章 第一義的に活き方

天風教義の目的は、たとえ身に病があろうが、なかろうが、運命が良かろうが、悪かろうが、その他の人生事情のいかんに関わらず、いむも一切に対して、その心の力で、苦を楽しむの境地に活きる活き方をすることにある
これが第一義的の活き方である

そういう活き方をするにはどうしたらよいか?
人生に対する考え方を根本的に変えなければならない。その根本的に変える考え方のいうのが、積極的だということ
そして積極的とは尊く、強く、正しく、清く、ということ

人間というものは、如何なる場合があろうとも、自己が主人でなければいけない。
そして主となるには、人にも物にも、煩わされない、捉われないことである

■第十章 恐怖への戒め

今日は人生、人として活きていくときに何をおいても一番戒めなければならない重大なことを悟ることにしよう
それは「恐怖」である
恐怖観念、詳しく言えば、病はもちろん、人事世事一切の出来事に対して、ものを恐れるという気持ちくらい、価値のない結果を人生にもたらすものはない

考えてみよう、「おっかないな、恐ろしいな」と思った時は、本人自身が気がついていないかもしれないけど、その恐怖の程度が深まれば深まるほど、恐怖観念が発動して、その観念は知らず知らずの間に確実に集中されるのである
だから「おっかないな」と思った事柄は、どんな物覚えの悪い人間でも、たとえ思った時間は一瞬でも、終生忘れないであろう

有意義な人生に活きるには、どんな場合があろうとも、恐怖観念で物事に接しないようにすることが、本当の戒むべき人生の鉄則である

■第十一章 勇気と不幸福撃退

今日は人生を完全にいきかるのに必要な各種の要項の中で、特に必要なことを悟ることにする
それは、第一に必要なことは、何事にもやたら悲観したり心配したりして、すべてのことを消極的に思ったり考えたりすることを止めることである

心配や悲観をする癖がつくと、悪い習慣だけど何を考える時でも、やたらと取越苦労をする
取越苦労をすると、物事をやたらと消極的におおぎょつに考える
人間のはこの良くない癖と伝統的に慣習的に付き合っていると言っても過言ではない

今日からの自分は、いかなる場合にも断然勇気を失うことなく、特に自己の本能や感情の中で、自他の人生を泥塗るがごとき価値なき低劣な情念が発生したら、それに立派に打ち勝ち得る強い心を作るために、大いに勇気を煥発することに努めよう

■第十ニ章 理想と想像

人間の心に描く「理想」というものの力について悟ることにしよう
理想とは何だろう?

心理学の方では、理想とは「継続せる組織のある連想である」と定義付けている

昔の諺に『蟹は甲羅に似せて穴を掘る』とある
自分の人生を気高い内容と、価値の高い標準で持つ人は、その理想が現実になる前から現実になったと同じような、人生境涯で活きているのと同様である

理想は野心的であってはならない
野心的である場合には、成就しない場合が多いばかりでなく、一つの力でこころがまとめていられない結果がくる
野心的な理想というのは、往々にして心の統一を破る。そしてそのために、結果を不良にする

だから理想は常に気高く、本当に価値の高いものでなければならない
同時に、出来ない相談のもので、理想を心の中に描いてはいけない、それは空想となる

■第十三章 一念不動

運命や健康を完全にして、人生の真の幸福を獲得しようとする者にとって、特に必要なこと
それは、人生を活きる際に、自分の運命や健康に対する心の態度として、
『思考=観念=想像=理想=成就』

この関係をよく考えてみると、心の態度はあくまても積極的でなけらばならないのと、いかなる事情があろうとも、自分の一端描いた理想は、一年不動の状態で、固く固く把持して、変更しないこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?