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スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営/山井太氏

■磯野の本の要約

スノーピーク製品を使ったことがないが、この本を読めば山井社長の拘った高いクオリティの製品があり、そこにファンが熱狂的なコミュニティを形成しているというのが分かります

山井社長が会社を継いだ際のアウトドア市場でのテント相場の10倍のテントを販売して、新しい市場を創ったところにポイントがある

「ユーザーが心から求めているものは何か?」を考えることから始めなければ、この市場に気づくことは出来なかったはずです

本文中から抜粋すると
『私がユーザーとして嫌だと感じるのは
1.製品が壊れること
2.使い勝手が悪いこと
ユーザー目線に立って“そんなものづくりはしない”と決めている』

ものづくりに限らず、サービスでも同様だと思う
商品やサービスを提供するすべての人にとって改めて気付かされる一冊だと思います

■プロローグ

コンパスはアウトドアパーソンにとって、なくてはならない道具だ
「コンパスとはどんな機能を持つか」を考えてみたとき、まず思いつくのは「方角を示す」ことになる
コンパスは常に真北の方角を示す

コンパスが指す真北の方角を経営に置き換えると、それは「会社や仕事の目指す方向」になる

■Chapter1 熱狂的なファンが支える

スノーピークを支持する熱狂的なユーザーは「スノーピーカー」と呼ばれている
SUVを走らせ“自然の中で豊かで贅沢な時間を過ごすためにキャンプをしようよ”というのがスノーピークの発想の原点

ミッションステートメントに「自然指向のライフスタイル」の実現を掲げ、目指す方向に真っ直ぐ進んできた
すると自ずからファンが増え、熱狂度が高まるにつれてブランドづくりが加速した

従来の10倍の値段のテントでビジネスを開始
ファンを生む上で一番の核になるのは何か
他社と圧倒的に差別化した製品、サービスの提供であると考えている

80年代後半のテントの値段は9,800円と19,800円の二種類だった
もっとしっかりしたテントやキャンプ用品がほしい、という強い思いがあった
そこからスノーピークの新しい市場への参入が始まった。これ以上ないと思える品質のテントを作った。価格は168,000円で、それまでの10倍近い値段で、社員から『こんなに高くては売れない』と冷ややかだった

私の予測を上回り初年度で100張程が売れた
日本のアウトドアの歴史において、ハイエンドのキャンプ用品市場が誕生した瞬間だった
スノーピークは徹底的にキャンプにリッチな価値観を導入することによってユーザーの支持を集めた。これこそがスノーピークが熱狂的なファンを生む原動力だ

マーケティングはやらない
多くの企業は「競合に対してどう手を打つか」といったマーケティング戦略に力を注いでいる
スノーピークはこうしたマーケティングを一切やらない
世の中にない製品を作る」タイプの会社であるため、今ある商品に興味がない

例えば嵐の日にキャンプをする場合、周囲のテントやタープが風でつぶれたにもかかわらず、スノーピーク製品を使っていた人は、不安なくキャンプを楽しめた。「スノーピーク製品を使っていてよかった」と思ってくれる
感動の根底にあるのは製品とサービスであり、それに尽きる

キャンプ場が新しいコミュニケーションの場になる
熱狂的なファンの多さから、スノーピークは社内のマーケッターから「会社の周囲にしっかりしたコミュニティができている。コミュニティブランドだ」と言われる

キャンプイベントでは、集まった家族が自然と隣のテントに差し入れを入れるなど、日本の地域コミュニティでかつて起こっていたことがキャンプ場で再現されている

■Chapter2 クリエイティブとものづくりの魂

スノーピークの製品には保証書がついていない
保証期限を定めることなく、永久に製品の保証をしている

私がユーザーとして嫌だと感じるのは
1.製品が壊れること
2.使い勝手が悪いこと
ユーザー目線に立って“そんなものづくりはしない”と決めている

ブランド呼ばれる会社
成長のプロセスで、顧客の期待以上の製品やサービスを作っている
そんな姿勢に感動した顧客が口コミで友人に紹介し、ブランド力がさらに高まる

同じ担当者が企画からデザイン、量産までを担当
私はスノーピークの最大の強みは開発力にあると思っている。他社と違うのは開発のプロセスだ
スノーピークでは1つの製品については、最初の企画段階からデザイン、協力工場と連携しての製造ラインにのせるまでを1人の開発担当者が一貫して手がけている

■Chpter3 販売は科学 仕組みをつくる

スノーピークは製品の自社販売にあたって原則として値引きをしない。あらかじめ定めた販売価格を貫いている
こうした手法を維持できる理由の一つは、ロングセラーがたくさんあることだ
値引きをするとブランドイメージが損なわれるため、失うものの方が大きいと思う

ロジックを磨きプロセスをマネジメントしていく
スノーピークでは、カードの新規獲得数と売上高に相関関係があることがこれまでのデータで分かっている
それに基づいて店舗ごとに各年の販売目標を達成するためには、ポイントカードの新規会員数を年間どのくらい獲得すべきかを定め、さらに月間目標に落とし込んでいる

■Chapter4 仕事後にキャンプ!のワークスタイル

仕事が終わったらキャンプして、また出社
ユーザーを楽しませる製品を使って作る以上、社員の働き方には早くから気を配ってきた
週休二日制の完全導入は87年

本社で働く社員のなかには、オフィスで働いてから、家に帰らないで目の前にあるキャンプフィールドにテントを張って1晩をすごし、翌朝にテントから出社してそのまま働く人がいる

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