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君たちはどう生きるか

 小学校から高校までの12年間、カトリックの女子校に通っていた私。
 
 7才になった私は、毎日 葉山から横浜の都会へ 電車とバスで1時間半かけて通うようになった。
 
 自然の中、みんな仲良く、のんびり育った私は、厳しい受験を潜り抜けてきた女の子達が、小1でもお母さんや先生に見せる顔と友達同士で見せる顔が違うことに気がついた。
 
 学年に、意地悪をする中心人物がいて、その子が 「今日はあの子を無視しよう。」
というと、帰り道に押して犬のうんちを踏ませ みんなで笑ったり、集団でものすごく陰険な意地悪をしていた。
 理由は、特にない。 その子の気まぐれ。
 それはただ、遊びの一環のように行われていた。
 
 私がやられた時も、あった。
 
 駅のホームでみんなに笑いながら鞄をむしり取られ、放り投げられて、無視された時の気持ち。
 電車の中でみんなに向かって「ごめんね!どうしたら許してくれるの??」て、泣き崩れた時の みんなのニヤニヤ顔をよく覚えている。

 他の子がやられているのを見ても、矛先が自分に向けられるのが怖くて、みんな何も言えずに笑っていた。
 モヤモヤとした気持ちを抱えながら、私もその中の1人だった。
 
 みんな、この世界で生き延びるのに必死だった あの頃。

 因果応報か、長〜い12年間の最後には いじめっ子は みんなに大どんでん返しを喰らい、大人しくなっていた。。
 
 子どもは、ストレスを受けると ものすごく残酷だし、学生の時の嫉妬や同調圧力は、社会の縮図だったなぁ と、その中で学んだことは沢山ある。
 
  
 先日、うちの息子が 学校での出来事について 話してくれた。
 
 小学生男子なので、私の子ども時代ほど、ネチネチしてる感じは全くないのだが、笑 A君がB君を嫌いで 見た目のことやなんかでしょっちゅう悪口を言っているらしく、息子はどちらのことも好きだから、嫌な気持ちになるという。
 
 息子が自分の誕生日に「みんなを呼びたい!」と話したら、2人の子が「その子が来るなら、俺たちは行かない。」と言うので やだと。
 息子は、ただ みんなで楽しく海でサッカーをしたいらしい。
 
 さて、どうしたものか?
 
 集団で虐めているならもっての外だが、嫌いだというなら大人にだって、好き嫌いはあるし、波長が合う合わないは、動物にだってある。
 だから、良い悪いで片付けられるものではない。
 来るも来ないも、その子達の自由かも知れない。
 
 うちの旦那さんは、「本当の友達だったら、息子の誕生日をお祝いしよう って思うんじゃないの?」とか「自分が相手の立場になったら分かるはず。」と、真っ直ぐなことを言っていた。

 幼稚園でもないし、10才、11才の子供達。
 他のお家の子供の考えを 無理にどうすることは出来ないけれど、自分の息子にはそんな時どう考えるか? を一緒に考えてみたくなった。

 「君たちはどう生きるか」の本。(まずは漫画から)
 まだ初めの方を読んでいる所なのだが、なんだか今の状況に合うものを感じ、息子と一緒に読んでみることにした。

 同調圧力に みんなで流されている時でも、心では それぞれ色んなことを思っている。
 
 そこで自分は、何を行動に起こすのか?

 もし意地悪を言われている子の気持ちを想像して「嫌だな」 と感じたら、嫌なことを言う子に怒って殴りかからなくても、言われている子に声をかけて、その子の心を明るくしたり、仲間がいると、勇気づけることはできる。
 小さなことでいい。
 
 先生や親や強い子 が言っているから ではなく、まずは自分で考えられるようになって欲しい。
 
 そして、自分で考えたことを行動に移せる人であってほしいな。
 そんな人で、自分もありたい と思った。
 
 それは、時にみんなと違う方向を向くので叩かれることもある。
 勇気がいる。
 
 だけど、自分の心に嘘をついたり、何も考えずに流されて人生が終わってしまう代償の方がずっとずっと大きい。
 
 子育ては、自分育て。
よく言われる言葉だけど、私もあらためて、「さて私はどうする?」って、子どもがいると考えさせられる。

 意地悪なことを言う子にも、きっと何か自分の中に説明が出来ないモヤモヤがあるのかもしれない。
 陰で誰かの悪口を言うのは気分が悪いけど、(まあ、snsや世の中、人間の習性なのかなぁ、大人だって未だにみんな言ってるしね。。)
誰かを無理に変えようとしたり、力でねじ伏せることは出来ない。
 
 本当は、全ては自分次第だし、その言霊は自分に返って来るってことに早く気づけたら、その子の助けにはなるかな? と思うけどね。
 
 嫌いは、何で嫌いなの?
 それは、相手のせいではなく、自分の中のものをその人に投影しているから。

 だけど、私だって最近気づいたことだらけだし、子どもなんてこれからいっぱい経験して、体感して学んでいけばいい。
 
 大人も子どもも、みんな学びの途中。

 息子もコミュニティ、社会の中で、毎日色んなことを感じて、頑張っている。
 
 みんな頑張っている。
 
 大きくなればなるほど、親達が出る幕はないのかも知れないけど、あともう少しだけ、どんな風に自分や人と向き合っていけばいいのかを一緒に学んで行けたらいいなぁ。

 どんな世の中がいいかな?
 戦争のない、愛のある世界が (もちろん)いいよね。
 
 それを実現するのは、今、ここの自分から。
 何を感じ、今ここで、どう行動するか?
 
 間違ってもいいし、やり直しは何度でもできるけど、自分のささやかな行動で人の心を救ったり、元気にしたりすることができることを知っていたい。
 
 偉い人になるよりも大事なこと を、忘れないようにしたい。
 
 どうありたいか、考えるきっかけをくれて、ありがとう。

 

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