花の仕事

どうして私のおばあちゃんちは花屋なんだろう?と幼少期に思ったのは覚えている

そこに疑問はあったものの

店に立入ることは基本的にあまり許されていなかったし、それ故にお店自体はあまり好きではなかった

お店が併設されたおばあちゃんちの中はとっても大好きだった

商店街の中にあったので、いつもガヤガヤと隣のお店の接客の声や、自転車のブレーキの音、子供の声、大人同士の声が交錯して雑踏に消えていく音などを聞きながら遊んでいた

私は静かな場所よりも

少し音がする場所、人が行き来する場所の方がほっとする。それはそんな環境に幼い頃長時間いたからなのかなと今になって思ったりする。

そう、お店があまり好きではなかったので

お花に触ることはなかった。

数多のお花がどのように並べられどのように売られていくのか全く知らずに育ち、それ故に花にも興味がなかった私が何故か華道の道に入ったのは大学2年生19歳の時である。


とここまで書いて自分のプロフィールとなってしまいとてもつまらない。

私は今お花の仕事をしている。

おばあちゃんちの花屋は代が変わり両親が継ぎ、私もお店に立っている。またそれとは別に自分にしか出来ないことは何か?等と言ったよくある言葉を武器にドライフラワーを使って遊んでいるのである。


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