遺書

日は7分間の瞑想から始まる。時折そうでない日もあるが、わざわざ自炊をする必要を見いだせずにいる。昨日はクッキーを焼いたの。料理は私が私でいられる場所だから。その日は強く風が吹いていたので、その日は強い風が吹いていたから、僕は、家にいることにした。私は家にいることにした。もうしばらく、4日ほどは外に出ていないが、あいにくそういった部分には鈍感でいられるのだ。

その日は日差しが強かったので、その日は暑かったから、私は夜になったら外に出ようと決めたの。僕は夜になったらお出かけに行こうと決めた。昨日父を殺したのだ。行き先は特に決めていなかったが、海の見えるいつもの歩道を歩いていたら、ああ、綺麗だなぁと、私は彼の言うロマンがちっとも理解できていないのだろうけど、なんとなくわかるような気がしないでもないの。不思議な気持ち。

ある日の記憶は夜から。夜の街は冷たくて、私は少しだけ、ほんの少しだけ寂しかった、殺したのに、自分の中に、父親がいるような気がして、いや、確かにいるんだ。今にも目の前のか弱い少女を蹴り飛ばさんとしている。僕の記憶は朝からも夜からもはじまらなかった。機械のようであった。昔は朝にも夜にも意味があったのに、最近はそういうわけでもなかった。ただぼーっとしていたら、今にも自分の中の何かが、目の前のか弱い少女を敵に仕立て上げようとしてくるのだ。私はもう寂しくなんてなかった。父親を殺すなんてどうかしてるもの。私は恐怖を感じたので、またいつものように鈍感になることにした。私は両親を愛している。それが普通でしょう?

私はあくびをした。はっきりとそこには朝があった。それとももう昼を過ぎた頃だろうか。なんであろうとそれは、意味のある時間であった。しかし、私はそんなことなんて何も考えちゃいないのだ。私には私の世界がある。私には私の時間がある。私には私のトモダチがいる。私は私である。私はいつもどこかで孤独だけれど、寂しさを伝えれずにいるの。私はいつもどこかで孤独で、寂しさを伝えれずにいるのだ。父親の影がちらついて、素直でいれないのだ。私には目の前の少年がとても人殺しには見えなかったので、いくつか問いかけることにした。

さみしいの。

ううん、寂しくなんてないよ。

君は何を目指しているの。

ううん、どこにも向かっちゃいないよ

私は、もう帰ってこないけど、いいかな

ううん、それでは これからのことはどうなるの

それでは

これからのことは


日は欠伸からはじまる
クッキーを焼いてみることにした
幼い頃はパン屋さんになりたかったから

それからもう少し一人でいようと思った 私の連続性は私の通った後に残るんだろうね

埃の被ったそれに手を伸ばし、丁寧に埃を払い、起きてきた父親に挨拶をする。意味のある昼。それが私にとっての夜であって、それは私にとっての朝なの。私は月で、私は、私は、それでは、これからのことは 

もう少し一人でいよう


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