連載 読みたくなる!パワーポイントの作り方 第七回

パワポ屋 ふくみんです。
「読みたくなる!パワポ」の連載も七回目…今回もサクサク続けていきたいと思います。

とはいえ、実は連載七回目でまだ本題にたどり着いていない…本題をお話しする前の前提、前哨戦が今回とあと一回は続く?と思います。読んでいただくみなさんはどうぞ忍耐強くお付き合いください(^_^;)

これまでの連載では、そもそも「読みやすさ」とは一体なんでしょう?
「読みやすい」資料というのは具体的にはどういうものを指しているのでしょうか?という問題提起について考えてきました。

そして、どんな資料でも、読み手にとって「内容に即してレイアウトされている」ことが何よりも大切であり、この「内容に即してレイアウトされている」には、以下の3つの要素が満たされていることが必要だということを話してきました。

①視線の流れが意識されている
②情報の要素を揃えた配置がなされている
③レイアウトに統一感がある

この中から、資料の「読みやすさ」を決定づける大事な要素である「視線の流れが意識されている」、すなわち「読み手の視線の動きを設計すること」の4つのコツの、1.そろえる、2.まとめる、3.間隔や余白を作る、までお話ししてきました。

今回は4.メリハイについてです。

テクニック4「メリハリ」
要素のメリハリ、つまり「コントラスト」をどうつけるかは、意味の伝わり方に大きな影響があります。意味的に大切な部分や、視線を強く誘導したい部分は大きく、太く、濃くすることがあると思います。大きな写真はそれだけ重要とわかりますし、小さなサイズのキャプションは補足的な要素、つまり注釈とわかります。コントラストを意識すれば、余計な追加をせずとも、意味のメリハリをつけることができるでしょう。

すべての要素が並列に見えるレイアウトですが、実はひとつ目が主題で、ほかがそれにぶら下がる要素だった場合、これでは読み取りづらいでしょう。主題の部分を青地に白文字で強調し、そのほかの見出しをコンパクトに抑えることで、意味の強弱がはっきりしてきます。

上の例は私のコーチングの先生である水野浩志さんの教材を私が作業したものです。左がもとの資料で右が作業後のものです。右の例において、パワポでは作るのが難しいイラストも入ってはいますが、基本的なテクニックは、「メリハリ」を採用しているのがわかります。

(テクニック5「反復」)
4つのテクニックには入れていませんが、「反復」という考え方もあります。同列の要素がある場合、その規則性を強調することで、それが同格であることを伝えることができます。全体を通じて、同じようなパターンのスライドを作ると統一感が出ます。

上の例は私が会社で実際に作業した提案書を掲載できるように内容を消して編集したものです。4ページとも違う内容ですが、色違いの同じページ構成をくり返し使うことで、読み手に資料全体の情報のルールが統一されていると伝わることで安心して資料を読むことができると同時に、資料に余計な要素を減らすことができるので読み手の負担を減らすことができます。

コツは「文脈に従う」こと
資料の作成において情報の配置がうまくいかない時、これらのうちいずれかもしくは複数が伝えたい内容と合致していない状態であることがほとんどです。悩んだ時にはまず自分がどうしたかったのかを再確認し、4つのテクニックに置き換えることが大切になってきます。

これらの4つのテクニック+αまでが、本題に入る前の前提である「読みやすさ」についての考察だったわけですが、私が年間100冊前後の会社の提案書の仕事を引き受け、人が作ったパワーポイントの資料を修正している作業の過程で、あまり世間に出てるパワーポイントやデザインレイアウトの教科書には書いてないけれど、みなさんにわかってもらいたい大切なポイントがもうひとつあります。それは「情報の塊/構造/要素を正しく把握すること」です。

次回はこのことについて書いてみます。まとまるかどうか不安ですが…次回も読んでください♪

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