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素人と読む旧約聖書⑧夢見るヤコブじゃいられない

 素人と読む旧約聖書シリーズは、筆者が、作家であり絵画など美術作品に詳しい中野京子大先生の本を読んで、歴史や美術に関心を持ち、その中でも特に興味を抱いた「聖書」の分野を、皆さんにも理解してほしいという思いから始まりました。ちなみに、筆者は万物において素人なので、どうか温かい目で記事をご覧願います。
 参考にさせていただいた中野先生の著作はこちらになります。是非、購入を検討いただけたら私も嬉しいです。
 Amazonリンク:中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇
         著:中野京子・文藝春秋社


1.イサクの生涯

 前回は、『創世記』第22章のイサクの犠牲についてを読んだ。アブラハムにより殺されかけそうになったイサクは、天使により一命をとりとめる。そして、アブラハムはその後、妻ケトラとの間に6人の子供をもうけたのは、以前に説明した通りである。
 アブラハムは、イサクにほぞ全財産を継がせ、リベカという女をイサクの妻にし、175歳で亡くなる。175歳!?!?!?!?!?!?!?!?!イサクは、リベカとの間にエサウとヤコブという双子の兄弟をもうけた。

2.エサウとヤコブの誕生

 ここからは、『創世記』第27章からのエサウとヤコブに焦点をあてる。成長した二人はやがて、エサウは狩人となり、父からの期待を背負い、ヤコブは家で思索する者(外出しないクソ陰キャ)となり、母から愛を受ける。さて、読者のみなさんはこの時点でどちらが家長権を握るか予想できるであろうか?
 ヤコブである。
 目の見えなくなったイサクは、エサウに権利を譲ろうとしたが、ヤコブと母の作戦で、間違えてヤコブに渡してしまった。(気づいた時点でエサウに渡せばいいのに、そうはいかないらしい、、、)もちろん、エサウは怒り、兄の逆鱗に恐怖を抱くヤコブは、母から叔父のもとに逃げてみては?というアドバイスを受け、一人叔父のもとへと亡命の旅にでるのであった。

3.夢現

 一人旅の途中休憩で、石を枕に寝ているとヤコブは、夢を見た。大きなはしごが天まで届いており、そこを天使が昇降しているのだ。ヤコブは飛び起き、その場をとても恐れ多い場所であると認識し、枕にしていた石を立てて油を注ぎ、そこをベテル(神の家)と呼んだ。
 夢か現実か?夢として書かれたこの場面では、ヤコブが神から選ばれた民と責務を受け継ぐことを意味していると考えられている。
 ヤコブは後に「イスラエル」と改名するほどの偉大なる族長なのだから、夢見るだけじゃなくて、現実となるのは定めであるのだ。故、夢見るヤコブじゃいられない♪


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