画面越しに愛を育むフィリピンBL♡「GameBoys」「HelloStranger」
タイBLなんて浅はかな流行には意地でも乗らねえ、というひねくれ者たち、聞こえるか。
今ハマるなら、タイじゃない。フィリピンBLだ。
ここがすごいぞ!フィリピンドラマ
・時事ネタの取り入れが早い
このnoteのタイトルにもある通り、今回紹介する2作は画面越しというのが一番のポイント。
現在、世界各国でウイルスの感染拡大を防ぐべく、生活様式の変化が見られる。
日本でもオンライン帰省、リモート合コン、なんて言葉が生まれた。
まさにどちらの作品も、インターネット上で出会い、ビデオ通話での会話を通しながら恋愛する、そんなお話だ。
視聴者側は普段恋愛ドラマを見ている時、「いつくっつくんだろう」とドキドキするものだが、このオンライン恋愛という題材はそれに加えて「いつこの二人が実際に会って、お互いの温もりを知ることが出来るのかな」という新たな気持ちに出会わせてくれた。
・2020年、BLに本気を出す
過去にもフィリピンにBL作品がなかったわけではないが、2020年に入ってから作品数が激増している。
人と人のと触れ合いを最小限に留める、という世間の風潮が逆にフィリピンでBL作品を作りやすくしているという側面もあるのだろう。
フィリピンはアジア諸国の中では珍しく、国民の9割がキリスト教(うち約80%がカトリック)を信仰しているようだ。
教会によって違いはあるものの同性愛を否定的に見る風習が未だに根付いてるため、フィリピンは決して同性愛者が生きやすい国とは言えないだろう。
それが、身体の接触を最小限に抑えるという世間に便乗して、ここぞとばかりにBL作品を作り始めた、という印象だ。
(実際のところ制作背景を調べているわけではない。勝手な憶測。)
増え始めたからこそ、いち早く注目して古参イキリできるのは今しかない。
「GameBoys」
★放送:2020年5月22日~8月21日
★話数:全13話
★出演:Kokoy、Elijah、Adrianna 他
★配信:YouTube The IdeaFirst Company CH
★あらすじ
ライブストリーミングサービスでゲーム配信をしているCairo。
ある日、Cairoは自身のファンであるGavreelにゲームで戦いを挑まれ、敗北してしまう。
それをきっかけにCairoとGavreelのオンラインでのやりとりが始まった。
★登場人物
・Cairo(Elijah)
ゲーム配信者の男の子。ファンも多く、実力もあり、かなり人気な様子。積極的なGavに対し、なかなか素直になれない。
・Gavreel(Kokoy)
Cairoのファン。フレンド申請してみたり、通話をかけてみたり、とにかく積極的で、いつも笑顔の明るい青年。
・Pearl(Adrianna)
Gavの友達の女の子。ひょんなことから二人を見守るキューピット的な存在に。
★おすすめポイント
・今最も熱いフィリピンBL
フィリピンBL作品の中でも、いま一番評価や注目度が高いのはこの「GameBoys」だ。
当初10話で完結予定だったが、最終回直前で急遽13話まで延長される人気ぶり。
リモート撮影は画に変化が付けにくいにも関わらず、画面越しだからこそ出来る仕掛けや、登場人物たちがSNSを操作している様子をリアルに体感できる映像の細かい作り込みが見どころ。
更に、撮影は役者たちが実際に住んでいる自宅で行われていたり、同様に本物の家族とともに出演していたり、という裏側もまた人々を惹き付ける一つだ。
何より実際会ったことのない2人が「会話」だけで距離を縮めていく様子が、現代社会とマッチしていて、なおかつ純愛。
人との繋がりが恋しくなる時だからこそ、余計にハマるドラマなのかもしれない。
・BLだけじゃない、色んな愛
メインはもちろんCairoとGavの攻防戦なのだが、2人を取り巻く環境にも注目していきたい。
あまり書きすぎるとネタバレになるので詳しくは書けないが、前述の通り2人の家族についての描写もある。
決して一筋縄ではいかない、しかし誰もがみんな家族のことを想い、このパンデミックと戦っているのだ。
そんな家族との心のやり取りもまたこの作品の魅力のひとつ。
そして「GameBoys」完結後に公開となる「Pearl Next Door」という関連作品も作られている。
お察しの通り主人公はPearlなのだが、お相手も女の子、つまりGL作品だ。
BLがアリならGLだってもちろんアリ。
どんな愛の形だって最高に素敵なんだ、と「GameBoys」シリーズは教えてくれる。
「HelloStranger」
★放送:2020年6月24日~8月12日
★話数:全8話
★出演:Tony、JC、Vivoree、Patrick、Miguel 他
★配信:YouTube Black Sheep CH
★あらすじ
オンラインクイズ大会を開いていたMico達のもとに、Xavierという学生が参加してくる。
間違えて参加したらしいXavierに「つまらない」と馬鹿にされ、Micoは「参加する資格はない」と怒り、お互いの第一印象は最悪。
しかし後日、Micoが「ペアで課題をやってほしい学生がいる」と教授にお願いされ、連絡を取った相手はなんと・・・。
★登場人物
・Mico(JC)
成績優秀な大学1年生。とにかく勉強が命の真面目な青年で、恋愛にも一切興味がない。
・Xavier(Tony)
大学3年生。学内で有名なバスケ選手。素行に関しては不真面目な一面があるも、性格は素直。
・Kookai(Vivoree)
Micoの友達。Micoに思いを寄せているようだが、勉強一筋なMicoにはなかなか気づいてもらえない。
・Seph(Patrick)
Micoの友達。何かとKookaiとセットにされがち。Kookaiの恋を応援しているが、実は・・・。
・Junjun(Miguel)
Micoの友達。4人の関係を知ってか知らずか、核心をついてみたりする男の子。
★おすすめポイント
・やっぱり王道、学生モノ
舞台はオンラインだが、それを除けばストーリーやキャラクター設定的にはかなり王道をいく作品だ。
スポーツマンと成績優秀者という正反対な2人。
出会いは最悪だったのに、いざ関わらざるを得ない状況になるとなんだかんだで距離が縮まっていく。
時には周りを巻き込みながらも、少しづつお互いを意識し始める姿がいじらしい。
特に、今まで恋愛に興味のなかったMicoが初めて人を愛することを知り、戸惑ったり狼狽えたり痛みを知り、成功ばかりの人生に躓いているところも見どころだ。
・直球勝負の映像作品
1エピソードにつき20分前後とかなり短いものの、大事なシーンがぎゅっと詰まっているので、その短さを感じさせない満足感がある。
2人の細やかな心の動きを描くのが上手いというか、小細工なしに役者が視線一つで直球に気持ちを伝えてくれるのもこの作品の魅力だ。
オンライン通話だから当然上半身しか映らず、役者には大きな動作ではなく表情や頭の動き、手の仕草などの細かい演技が要求される。
ストーリーはもちろんのこと、役者を通してキャラクターに惹き込まれる作品だと思う。
「GameBoys」のようにぱっと目を惹く設定や派手な展開はないものの、ゆっくりじっくり変化を見守る暖かい作品「HelloStranger」が私は好きだ。
まだまだあるぞ!フィリピンBL
上記作品のようにリモートでの恋愛ではないが「In Between」という作品もなかなか面白い展開になってきている。
元々仲の良い友人グループ内でこっそりお付き合いしていたOtepとTaurasが、破局後に再会するところから物語は始まった。
1話はぱっとしなかったものの、2話、3話と回を進めるごとに二人のおかれている状況が明かされ、わくわくが増していく。
何よりこの「In Between」、開始数秒で注意書きなるものが存在する。
「あなたに大きな幸せと悲しみを与えるような、様々な愛を描くドラマです。家族や友人と一緒に見ることを強くおすすめします」と。
3話の段階ではそこまで重い展開にはなっていないけれど・・・と、びびりながら楽しく視聴させてもらっている。
今の段階で放送が開始している作品は少ないものの、今後もっと作品は増えていくだろう。
「Like in the Movies」や「Where We Were」、「Oh My Gee!」・・・2020年内に放送予定の作品は山のようにある。
それらものんびり待ちながら、絶賛放送中の作品たちを楽しんでいこうと思う。
果たしてタイBLの勢いに乗れるのか、頑張れフィリピンBL。
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