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プライドは童貞と一緒に捨てた

僕が童貞を卒業したのは17歳の夏でした。

初めての相手は好きな人じゃないと嫌だ!なんて高尚な考えは1ミリも無かったです。

童貞時代バイト先の先輩に「誰か紹介してくれ〜」と聞いた際に「いま紹介できるのは暴走族の総長やってる女しかいないな。流石に嫌だろ?」と言われ「いや、全然問題ないです」と返事をするレベルでした。普段タメ口なのに敬語で返事してるところがヤバイですね。我ながら感心します。


実際の相手は暴走族の総長ではなく、運転免許の合宿で出会った女の子でした。


免許の合宿に行ったことがない人のためにまず合宿がどのようなものか説明すると、通常の教習所に通うよりも安い値段且つ泊まり込みで講習を行うため2週間程度でスピーディーに免許を取得できます。

というのは表向きで

他府県から男女が集まり2週間一緒に過ごすんですよ?それはもう...ねぇ?(笑)

鳥取につくまで電車でおよそ5時間ほどかかったんですが、5時間ずっと勃起してました。


到着してとりあえずタバコ吸うかーと思いバッキバキに勃起した状態で喫煙所に向かったのですが、そこには恐ろしい光景が広がっていました。



...ガチンコファイトクラブかな?


すごい剃り込みの気合いの入った方々(約10名)がまさにヤンキー座りでタバコを吸ってらっしゃいました。

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当時眼鏡をかけておらず、かなり近づいてから気がついたため踵を返す訳にもいかず、意を決して喫煙所にダイブしました。

特に威嚇されるようなこともなかったのですが、ヤンキーの1人が「大阪から東京ならキッポ(たぶん無賃乗車のこと)で行ける」と言い「東京なら余裕やな」と別のヤンキーが相槌を打っていました。誰にも気づかれない程度に軽く相槌を打ちました。(僕も余裕だアピール


描いてたキャンパスライフと違う。

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その中でも群を抜いて怖そうな人と相部屋になったんですが、5時間勃起してた反動でグッスリ就寝できましたし意外と良い人でした。意外とね。


夜は毎日広間にヤンキーが集い、酒を飲みながら武勇伝を語ります。漫画みたいな話ばかりで内容全然覚えてませんけど、半分は嘘で半分は本当だろうなと思いました。そして知らぬ間に僕もその中に溶け込んでいました。



描いてたキャンパスライフと全然違う。

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合宿所はメンバーの入れ替わりが激しいので次々に新しいヤンキーが入ってきます。そういえばこの教習所「全国事故率No.1」だったんですよね。この字面だけでヤンキーの巣窟だと気づけても不思議じゃないんですが、なんせ僕HP見てるときずっと勃起してましたからね。シティヘヴンネットを見てないと辻褄の合わない勃起量でした。


3日目あたりに携帯に大量のストラップをつけたケントという超ロン毛金髪ギャル男が入ってきました。着信音はBONNIE PINKのA Perfect Sky。ひっきりなしに女から電話がかかってきて、その度に「あぁ!?テメェぶち殺すぞ」みたいなこと言って電話を切っていました。全然似てないけどジャニーズの亀梨っぽいナルシスト感がありました。

その相方はX JAPANのToshiをバリバリの武闘派にした感じの面でした。


理由はよく分かりませんが、なぜか彼らには慕われてました。


また凄いのが入ってきたなぁと思っていると今度はガチンコファイトクラブ3期生の山中みたいなヤンキーが僕に向かって直進してきました。

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「何見てんだコラァ!?」という雛形の絡みが逆に新鮮だったのを覚えています。

「見てないよ」というと「見てただろコラァ!」です。因縁の付け方まで雛形です。



この辺からヤンキーだけではなく女子とも普通に会話する機会が増えてきます。


1週間経ったころには割と想い描くキャンパスライフに近づいてきました。


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(ザックリしたイメージ)



なおちゃんという美人ギャルとも仲良くなり、ちょっとだけ良い感じでした。

見た目の派手さとは裏腹にガードが固く、一筋縄にはいきそうにありませんでしたが、そんなことは言ってられません。

残り1週間で何とかせねば。


肝心の免許講習の方はというと、教官が毎日同じ人なので1週間もしないうちに軽口を叩き合う間柄になりました。

ある日、車に乗るたびにバックミラーがズレていることに気づいた僕は「いつも背低い人乗せてます?毎回ズレてるんすよね〜」と不用意な発言をし、教官に嫌われてしまいます。

「悪かったな」というドスの聞いた声で全てを察しました。

背が低いのはその教官だったんですねぇ。ははは。


それが関係あったかどうかは分かりませんが、左折時にほんの少し車線をはみ出しただけで「逆走だ!!」とブチ切れられ仮免を落とされてしまいます。

ただ1日延長はむしろ好都合。

これで童貞卒業の可能性もアップや!

(この頃には立派なエセ関西弁を使うようになります)


そんなある日、ギャル男ケントに誘われ地元の祭りに行くことに。


確実にナンパが目的だろうとは思ってましたが、僕の想像を遥かに超えてきました。

10人ぐらいで輪になって座っている女の子たちを見つけて何の躊躇もなく「行ってくるね〜」と言い残し、女の子の方に歩いて行きます。

こんな大人数どうやってナンパするんだろうと思って見ていたんですが、何のことはありませんでした。

女の子で形成された円の中心にドカンと座り込んで「何してんの〜?」です。


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ナンパなんてコレでいいんですよ。

サクッと3人ぐらいのアドレスをgetして戻ってきました。


次は前を歩いているお姉さん2人をナンパ

「お姉さん、暇〜??」


はいgetです。


これくらいなら僕にも出来そうなので真似してみます。

「お、お姉さん、暇かな〜😅???」



無視です。



ケント「何してんの〜??」


getです。


僕「ななな、何してるのかな〜😅(笑)」


無視です。


ケント「飲んでる〜??」


getです。


僕「の、飲んでるかな〜??😅(笑)」


無視です。



ケント「お姉さん、暇?」

僕「ケントくんケントくん😅💦いつまでナンパするのかな🤔🤔?(笑)」



「誠実な男」がいいとか「優しい男」がいいとか、あんなもん全部嘘です。




後日、昼飯を食っているとケントが僕に「なおちゃん紹介してよ」と言ってきました。

「自分が狙っているから〜」などと度量の狭いことは言いたくなかったのでokを出しました。ケントになおちゃんは落とせないという謎の自信もありました。


僕「ケントが紹介してくれって言ってんだけどアドレス教えていい?」

なお「あのギャル男?いやアレはマジで無理。絶対ヤダ。ああいうのが1番嫌い。」

僕「だよね〜(うんうん、そのリアクションを待ってたよ)」



僕「無理やったわ〜」

ケント「もっかい聞いてみてください!お願いします!」

僕「いや何回聞いても無理だって」

ケント「最後一回だけ!」

僕「んーまぁ聞くだけ聞いとくわ」


この時点でテキトーにあしらっとけば良かったんですが、ケントに頼られてるのが何となく気分良かったんでしょうね。何かちょっと可愛いんですよコイツ。


僕「ケントがどうしても連絡先知りたいらしいからアドレス教えていい?テキトーに返事して終わればいいから」

なお「えー、まぁいいけど。すぐやめるよ。」






で、即股開いてました。



もしかすると僕はケントがアプローチして失敗するところを見たかったのかもしれません。





女が好きなのは「誠実な男」でも「優しい男」でもなく【口が上手い男】なんだよ。



まぁ自分が誠実かと言われれば、そうでもないのでどちらにしろ完敗です。




なんとも表現し難い気持ちでしたが、不思議とケントに対して嫌悪感を抱くことはなかったです。






その数日後、男子寮に女子が連れ込まれ話題になりました。

連れ込んだのはもちろんケントなのですが、相手はなおちゃんではなく最近入ってきた別のギャルでした。




ケント「マジでチョロかったっすよ〜(笑)」

僕「マジかぁ〜やるなぁ」

ケント「この子すぐやらせてくれるから紹介しましょうか?(笑)」



僕「はい!!お願いします!!」


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情けないよ全く。

僕は童貞とプライドを同時に捨てました。


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