見出し画像

古代生物群まとめ

ムンディ先生のYouTubeで勉強中。今回は地質時代まとめ↓のついでに古代の生物群についてまとめてます。

※このページには、人間の執筆とAI生成の要素が含まれています


エディアカラ生物群

エディアカラ生物群は、オーストラリア南部のフリンダース山脈のエディアカラ丘陵で発見された動物の化石群である。先カンブリア時代末期、約6億5000万年前の地層から発見され原生動物以外では最古の化石群である。肉眼で確認できる生物化石が多量に出るものとしてはもっとも古い時代のものであり、先カンブリア時代の生物相を示すものとして数少ないものである。

エディアカラ生物群は殻や骨格がなく、軟体部分だけの生物で、腔腸動物や原始的な環形動物などで印象化石として産出している。現在の生物とは直接のつながりはないようで、進化が生み出した変わり者たちは現在の生物とはほとんど似ていない。古生物学者のアドルフ・ザイラッハー氏は2007年のロンドン地質学会誌で「別の惑星の生命体のように奇妙だが、手が届く場所にある」と表現している。

エディアカラ生物群は約9600万年の間その浅い海域を支配していたが、約5億3900万~5億年前に絶滅して原生代の終わりと顕生代の始まりの象徴となっている。絶滅の原因はよく分かっていないが、火山の大噴火などの地球環境変動のほか捕食者の出現によるものではないかとする仮説が提唱されている。


ディッキンソニア

ディッキンソニアは約6億年前に生息していた先カンブリア時代エディアカラ紀の海中生物で、エディアカラ生物群の代表的なものである。オーストラリアで1940年代に発見され、当時のオーストラリア博物館の館長だったディッキンソンさんにちなんで命名された。

ディッキンソニアは座布団のような楕円形の体で、大きさは1~80センチほど、最大のものでは直径120センチを超える。体の中央に線が入り、その横に無数の溝があり、溝は左右で微妙にずれているため左右非対称となっている。上から観察すると前後方向に多数の幅の狭い体節に分かれているように見えるが、実際には融合し分節しない縦長な部分が残っている。

ディッキンソニアの正体はクラゲや珊瑚の仲間、ミミズの仲間など原始的な動物とする説のほか、地衣類の群れ、菌類説など何十年も論争が続いている。現生の動物の祖先なのか、全く異なる生物なのか、その正体については未だに一致した見解を得ていないようである。


カルニオディスクス

カルニオディスクスはエディアカラ紀の化石生物の一種で、砂地の海底に固着して濾過摂食を行っていたと考えられている。名前は「葉っぱみたいな平べったいヤツ」という意味で、海藻のような見た目だが植物ではなく、球根のようなものを使って海底に立っていたようである。体長は約1メートルで、当時の生き物としては大型に分類される。

カルニオディスクスには2つの生活形があったとされ、茎部が短く葉状体が肥大した形と、茎部が長く小さな葉状体が付着根から約50cmの高さに位置する形である。形態は刺胞動物のウミエラ類に似ているが、現生の動物界の外に位置する系統であると考えられている。種は葉状体の体節数で区別される。


トリブラディキウム

トリブラキディウムは初期エディアカラ動物群の一種で、6億3000万年ほど前にオーストラリアに生息していた謎の生物である。三射状で対称な腕を持ち、ほぼ完全な円形の体の中に3本の鎌のような構造を持ち、全体が渦を巻いているように見える。大きさは0.5cmから5cmほどで、体は柔らかく、三日月の形をした3つの腕のような器官があり、それぞれの細かい毛のようなものが生えている。

トリブラキディウムはエディアカラ生物群を代表する種で、その特異な形状は他の種類にはない独特のものである。1959年にマーティン・グレースナーとブライアン・デイリーによって南部オーストラリアで発見され名づけられた。


カルニア

カルニアはエディアカラ生物群に属する生物の1種で、葉のような姿をした化石が発見されている。中間から左右に峰が分岐しており、全高は0.15~2mに達する。2003年に米国地質学会の機関誌『Geology』に掲載された論文によると、ドゥルック累層やブリスカル累層に含まれるカルニアの化石は下流側に倒れるように地層に挟まれており、地面から生えていたことを示している。


プテリディニウム

プテリディニウムは約6億年前にオーストラリアに生息していたエディアカラ生物群のひとつで、泥で満たされた袋のような形状をした謎の生物である。名前は「羽っぽいもの」という意味で、ナマコや古生代のコヌラリアのような細かい節が連続したキルト構造をしている。海底にくっついて暮らしていたと考えられており、堆積物中に潜って生活していた可能性もある。


キンベレラ

キンベレラは先カンブリア時代末期のエディアカラ紀に生息していた生物で、学名は「Kimberella quadrata」である。楕円形の体の中軸部にこぶを持ち、こぶの先端から長い吻が出ており、かぎ形の歯が2つ付いているのが特徴である。体長は数センチメートルで、左右相称の体を持ち、活動の痕跡も化石に残されている。

キンベレラはオーストラリアのエディアカラの丘で最初に発見されたが、最近の調査では白海地域で大量に発見されており、年代は5億5800万年前-5億5500万年前と推定されている。当初はクラゲとされていたが、歯舌で引っ掻いた痕のような生痕化石が発見されたことで、現在はおそらく軟体動物とされている。原始的な軟体動物である可能性が高く、海底を引っかいて表面のバクテリアをとって食べていたと考えられている。

キンベレラはエディアカラ生物群の中でも動物として判断できた数少ない一生物であり、その系統の位置は議論の的となっている。この生物の系統の位置はカンブリア爆発の解釈に大きな影響を与えると言われている。


パルヴァンコリナ

パルヴァンコリナはエディアカラ紀にオーストラリアの海に生息していたベント生物で、全長は約2.5cmである。姿から三葉虫の祖先や軟体動物と考えられていたが、より原始的で基盤的な左右相称動物の可能性もあると言われている。


ネミアナ

ネミアナは地球最古の生物群であるエディアカラ動物群に属する化石で、先カンブリア時代末のヴェント紀の地層から産出している。岩板に密着するクラゲやキノコ状の生物で、鉢クラゲの仲間とも言われている。

ネミアナの化石はオーストラリア南部のエディアカラ化石群やロシア白海、ウクライナなどで発見されている。


エルニエッタ

エルニエッタは約6億年前にオーストラリアの浅海に生息していたベント生物で、先カンブリア時代エディアカラ紀に繁栄したエディアカラ生物群に含まれる生物の一種である。直径は約3センチで、コップのような形をしており、下半分はつぼみのような形をしている。体は空洞で、海底の泥の中に下半分を潜らせて直立していたと考えられている。浅い海底に埋まって海中の栄養を摂取していたと考えられている。


ヨルギア

ヨルギアはエディアカラ紀に生息していたベント生物で、ロシアの海で発見された多細胞生物である。名前は発見地周辺を流れるヨルガ川に由来している。

円に似た形をしており、直径は約16cm、体はいくつかの節に分かれているが真ん中で少しずれていて繋がっていない。左右の節が交互に増えて成長し、砂や泥の中の有機物を食べていたと考えられている。

ヨルギアの珍しいところは、動いた跡が発見されていることである。この動いた跡は這い跡と考えられているが、体を引きずった跡は発見されていない。浮かんでは降りて浮かんでは降りてを繰り返していたとも考えられているが、実際どのように移動していたかはよくわかっていない。


スプリッギナ

スプリッギナは約6億年前にオーストラリアの浅海に生息していた先カンブリア紀の動物で、エディアカラ生物群に属する。名前は「スプリッグさん」を意味し、オーストラリアの地質学者であるスプリッグ(レッグ・スプリッグ)に由来している。

スプリッギナは全長3〜5cm、楕円形で体節を有するが癒合した体節はなく、各節は後方に湾曲していることがある。上面は一列の、下面は二列の重なり合ったクチクラの板で覆われており、最初の2体節は「頭部」を形成する。体節の構造からヨルギアとは近縁とされており、主立った盾形動物に比べて体が長細くヒラムシの様な姿をしている。生態はほとんど不明だが体の両端は細い方と太い方があり、太い方が頭ではないかとも言われている。


ランゲア

ランゲアはエディアカラ紀の主要な生物群である汎花弁動物門のランゲア形類に属する生物である。上から見ると六角形に放射した形状をしており、葉状体の花弁のような形をしている。ランゲアは子孫を残していないと考えられている。


ハオティア

ハオティアはエディアカラ紀に生息していた刺胞動物で、十文字クラゲ綱に属するとされている。現代に生きているジュウモンジクラゲ目の姿によく似ていると言われている。


バージェス動物群

バージェス動物群はカナダのロッキー山脈にあるバージェス頁岩という地層で発見された、約5億2000万年前のカンブリア紀中期の動物の化石群である。オパビニア、ハルキゲニア、三葉虫などの特徴的な姿をした動物の化石が発見されており、カンブリア紀に生物の爆発的な進化が起きた証拠のひとつとなっている。

バージェス動物群に属する生物の特徴は、発達した触手や口器、硬い組織である。そのため当時の水生生物には被食―捕食の関係があったと考えられる。


恐蟹類

恐蟹類は基盤的な節足動物と考えられる古生物の分類群で、分類学上は恐蟹綱(きょうかいこう)と呼ばれる。アノマロカリスなどのラディオドンタ類と、オパビニアなどのオパビニア類が含まれる。

恐蟹類は体の前部に発達した付属肢と、両筋に数多くの鰭を持ち、主にカンブリア紀に生息した海棲動物である。オルドビス紀とデボン紀の種類もわずかに知られている。


ラディオドンタ類

ラディオドンタ類(放射歯類)は古生代に生息した原始的な節足動物のグループで、分類学上はラディオドンタ目(放射歯目)に分類される。アノマロカリス、ペイトイア、アンプレクトベルア、フルディアなど、アノマロカリス科のみに含まれていた経緯の名残から、一昔前は「アノマロカリス類」とも呼ばれてきた。

ラディオドンタ類のほとんどの種類は約5億年前のカンブリア紀に生息し、カンブリア紀を代表するほど有名なグループだが、オルドビス紀(約4億8,000万年前)やデボン紀(約4億年前)に生息した種類もわずかに発見されている。世界中の堆積累層から化石が見つかっているため、節足動物の起源と初期系統発生を示唆する重要な分類群の1つとされています。

ラディオドンタ類の節足動物を大きく分けた分類群(科)の一つにフルディア科がある。熊手状の短い前部付属肢が特徴的で、大きな甲皮と丈夫な体型をもつ種類が多く、ラディオドンタ類の中で最も種を富んで、生息時期が最も長い科である。


オパビニア類

オパビニア類はミエリテリン、ラディオドンタ類、パンブデルリオン、ケリグマケラと共に恐蟹類という綱階級の上位分類群にまとめられている。

オパビニアは約5億年前のカンブリア紀に生息していた海棲の無脊椎動物で、ゾウの鼻のように長く伸びた管の先にギザギザのついたハサミのような口があり、5つの複眼を持っている。体節と櫂に似たひれのような構造が見られ、両筋にはたくさんの鰭と鰓がある。 

オパビニアはアノマロカリスにきわめて近縁な動物で、両者の中間的な形をした動物の化石も発見されている。ラディオドンタ類と似た体制を持ち、吻はラディオドンタ類などに見られるような1対の腕から左右癒合したもので、口はハサミにはなく、頭の下で後に向かって開いている。体の下にパンブデルリオンのように柔らかい脚を持つ可能性があるが、この特徴は化石ではあまりはっきりしない。

オパビニア類の古生物の一属であるオパビニアは、カナダのバージェス頁岩で見つかったオパビニア・レガリスという1種のみ知られている。


アーティオポダ類

アーティオポダ(偶脚類)は三葉虫とその近縁の節足動物のグループである。三葉虫類、光楯類、ケロニエロン類などが含まれる。

三葉虫は古生代のカンブリア紀からペルム紀末にかけて約3億年にわたり、世界の海に生息していた底生性の節足動物である。胴体が中央の軸部とその左右の房状の部分(肋部)の3つに分かれていることから三葉虫という名前が付けられた。種類や成長段階によって大きさは様々で、最大のものは体長90cmほどあったと推測される断片化石があるが、小さいものは成体でも1mm程度である。

大陸の縁辺の海域に生息していた多くは深くない海底を這っていたといわれ、その這い跡や掘った穴の跡の化石も見つかる。肉食で、海底に住んでいるゴカイなどの小さな動物を捕食したり、それらの動物の死体を食べるもの、そして海底に溜まっている小さなゴミのようなもの(有機物粒子)を食べるものがいたと考えられている。

光楯類は古生代に生息した節足動物の分類群で、三葉虫と似た体と剣状の尾をもつのが特徴である。かつて鋏角類と誤認され、後に三葉虫などと共にアーティオポダ類に分類されるようになった。

アーティオポダ類の系統位置は議論的で、基盤的な節足動物、基盤的な鋏角類、もしくは基盤的な大顎類ともされている。


マーレロモルフ類

マーレロモルフとは絶滅した節足動物のグループで、バージェス動物群に属している。マーレラの仲間をマーレロモルフといい、三葉虫にやや近い生物である。マーレロモルフ類と他の節足動物の類縁関係は未だに明確になっていない。


ハイメノカリナ類

ハイメノカリナは節足動物門に分類される動物のグループで、日本語では膜蝦目とも呼ばれる。約5億年前のカンブリア紀に生息していた化石節足動物で、北アメリカ大陸と中国で見つかった種によって知られている。

ハイメノカリナ類には次のような種類がいる。

  • カナダスピス:円筒状の背甲に覆われ、二枚貝のように1対の殻が胴体を覆っている。殻の端から触角と眼がのぞき、付属肢は二枝型で、内側には歩行用に使われた歩脚、外側には呼吸用に使われた鰓脚がある。

  • ワプティア・フィルデンシス:カンブリア紀に生息したハイメノカリナ類(節足動物:ハイメノカリナ目・ワプティア科)の1種である。

  • オダライア・アラタ:カンブリア紀に生息したハイメノカリナ類の1種で、背甲長は2.5~8.5cm、全長は最大15cmである。


メガケイラ類

メガケイラは約5億年前のカンブリア紀に生息していた節足動物のグループの学名である。手のような大付属肢を先頭に持ち、ヨホイアやレアンコイリアなどが属する。

メガケイラ類は古生代カンブリア紀第三期(ドラミアン期/デボン紀前期?)に生息していたと考えられており、その時期は約5億1,800万~5億200万年前、または4億年前頃とされている。分類は真核生物に属し、界は動物界である。


鋏角類

鋏角類(きょうかくるい)は古生代カンブリア紀(約5億年前)に起源した節足動物の分類群で、ハサミ状の角を持つのが特徴である。現生の鋏角類にはクモ類、サソリ類、ダニ類、ウミグモ類などが含まれるが、カンブリア紀には様々な絶滅種も存在していた。

カンブリア紀に生息した鋏角類の化石としては、カナダのバージェス頁岩から発見されたサンクタカリスやモリソニア類などが知られている。サンクタカリスは左右に突出した背甲と平たい尾を持ち、ハベリアなどと共にハベリア類というグループに分類されている。モリソニア類の一種からは鋏角類を定義付ける特徴的な鉤爪様の鋏角のほか、鰓や神経系の構造など、これまでほとんど知られていなかった数々の特徴が明らかになっている。

またカンブリア紀前期の生物化石からは、アラルコメネウスの中枢神経系の配列様式が、現生する節足動物の中で鋏角類に最も類似していることが発見されている。


葉足動物

葉足動物(ようそくどうぶつ)は約5億年前のカンブリア紀で栄えた古生物のグループで、アイシェアイアやハルキゲニアなどが属する。カギムシやクマムシ、節足動物の祖先と考えられており、カンブリア紀の種類を中心としてオルドビス紀、シルル紀、石炭紀にも生息していたと考えられている。

カンブリア紀の地層から中国南西部で発見された葉足動物の一種にディアニアがおり、全長6cmでミミズのような細い胴体と太くて硬い殻、トゲで覆われた太い脚が10対あることから「歩くサボテン」とも呼ばれている。

またカンブリア紀の海に生息した葉足動物の一属にハルキゲニアがあり、細長い脚と7対の発達した棘をもっている。カナダのバージェス動物群で見つかったハルキゲニア・スパルサによって知られ、中国からも複数の種が発見されている。

さらにカンブリア紀中期に中国付近の海域に生息していたミクロディクティオンは、全長25㎜で、8対から10対ほどの脚と硬いリン酸塩製の肩パット上の骨板が生えており、ハルキゲニアに似ている。


鰓曳動物

鰓曳動物門の化石は約6億年前のカンブリア紀からカナダや中国などで多く発見されており、幼体の形状からハリガネムシ類や動吻動物と近縁ではないかと考えられている。

世界中の海では約15種ほどしか知られていないが、近年は海底の砂粒のすき間に潜む超ミニサイズの種も発見されており、今後さらに多くの種が発見される可能性がある。


冠輪動物

冠輪動物(かんりんどうぶつ)はカンブリア紀から知られる動物の分類群で、学名はLophotrochozoaである。軟体動物や環形動物、扁形動物などの動物門を含み、脱皮動物とともに前口動物を二分する分類群である。

本来は螺旋卵割動物(らせんらんかつどうぶつ)より狭い範囲を表すが、しばしば螺旋卵割動物と同義とされている。


ヒオリテス類

ヒオリテスは古生代に生息していた化石冠輪動物の分類群のひとつで、学名もヒオリテスである。長い三角錐や半円錐形の殻を持ち、体長は数cmで、殻の先端には平滑な蓋と触手状の口器がある。一見頭足類の仲間のように見えるが、独立した綱(こう)に分類された絶滅古代生物である。

ヒオリテスはカンブリア爆発によって生まれた謎多き生物のひとつで、北アメリカ、アジア、ヨーロッパなどのカンブリア紀~二畳紀に分布していたと考えられている。殻の開口部には軟体部がいたと見られ、触手を伸ばして捕食行動を取ったと考えられている。

ヒオリテス類は特に軟体動物に似ていると考えられ独自の門に分類されていたが、独特な解剖学的構造と不完全な化石記録のために分類が確定していない。分類学的な位置について多くの議論があり、もし翼足類であるとすると確実な翼足類化石は中生代の白亜紀以降からしか知られていないため、ヒオリテス類の分布するカンブリア紀~二畳紀との間に大きな系統的欠落があることになる。


環形動物

環形動物(かんけいどうぶつ)とは動物分類の門の1つで、ミミズやヒル、ゴカイなどを含む無脊椎動物のグループである。体は細長く円筒状で、頭部と尾部の他はほぼ同じような構造の体節が並んでいて、体内も節ごとの隔膜で仕切られている。左右相称で真体腔を有し、体節ごとに1対の排出器や神経節があり、体をくねらせて運動する。呼吸は体表や腸で行ない、血管系は閉鎖血管系で、神経系としてはしご状神経系を有す。

環形動物は海産、陸、淡水に生息し、貧毛類、多毛類、ヒル類に分けられる。海産のものは幼生を持つが、陸や淡水に生息するものは幼生を持たない。

環形動物にはゴカイ類やミミズ、ヒルなどのほか、シリス、コケムシ、ハイドロゾア、ホヤなども含まれる。シリスはゴカイなどの多毛類の一系統で、様々な海域に棲息し底生生活を送る。多毛類の中でも小型で、海底の泥中にかなりの個体数が住んでいるため、自然界では食物連鎖上、重要な位置を占めるものと考えられている。


多毛類

カンブリア紀中期に生息していた多毛類の属の一つに「カナディア」がある。学名は「Canadia spinosa」で環形動物門・多毛綱に分類され、ゴカイなどの環形動物の仲間といわれている。全長は5~20cmで、1911年にチャールズ・ウォルコットによって発見地のカナダに因んで名付けられた。バージェス頁岩のおよそ5億500万年前の地層から発見されており、葉脚類層からは28個体が発見されている。

また2018年2月5日には多毛類(ゴカイ類)の新種「クートネイスコレックス・バーバレンシス」の化石が発見されている。


毛顎動物

約5億年前のカンブリア紀には、捕食性の毛顎動物が存在していたことがわかっている。グリーンランドのシリウス・パセット動物群からは20cmの平たい体に長い触角と縁を囲んだ鰭をもつ「ティモレベスティア・コプリイ」という毛顎動物の一種が発見されており、基盤的な毛顎動物(ヤムシ)と考えられている。

毛顎動物は動物界の一門で、海洋プランクトンのヤムシ類を指す。体は細長くて頭・胴・尾部からなり、体側と尾にひれをもち口部に顎毛の列がある。顎の両側に鋭い棘毛をもつことが特徴で、動物プランクトンの中では最も活発な肉食性捕食者である。動きも素早く、静から動へ一瞬にして顕微鏡の視野からいなくなってしまうと言われている。


半索動物

半索動物のペタログラプタス モノグラプダスは、古生代シルル紀前期にイギリスで生息していた群体性の海生動物である。キチン質の殻を持ち、カンブリア紀中期から石炭紀にかけて生息した。オルドビス紀からシルル紀にかけては筆石時代と呼ばれるほど繁栄した。


有櫛動物

カンブリア紀の古生物として、有櫛動物(クシクラゲ類)の化石が中国の清江の化石産地などで発見されている。2019年3月には5億1800万年前の清江生物群の化石が発見され、そのうちの半数以上が新発見の生物だった。そのうちダイフア・サンチョンという動物は触手に櫛板があるとされ、基盤的な有櫛動物(クシクラゲ)と考えられている。

有櫛動物はクラゲ類とは別のもので、柔らかな体を持ち、多くのものは無色透明で、組織のほとんどが水分から出来ておりクラゲと似た見た目である。触手を持ち、主にプランクトンなどを補食する。現在発見されているクシクラゲ類は100~150種類である。

有櫛動物のゼラチン質の体を化石として残せるような地層はラーゲルシュテッテン堆積層で、カンブリア紀初期に関する知識を大幅に増やす発見がなされている。


海綿動物

カンブリア紀に生息していた海綿動物には次のようなものがある。

  • チョイア:麦わら帽子のような形をした平板状の体に、放射状に突き出た無数のトゲを持っていた。海底に横たわり、海水を濾し取って食物を摂取していたと考えられている。

  • ハゼリア:澄江動物群の一つで全長は3.4 cmほど、無数の棘を持っている。


古杯動物

古杯動物(こはいどうぶつ)は古生代カンブリア紀に栄えたコップ状やらっぱ状の外形をもち、石灰質の骨格を持つ動物である。海綿動物と考えられており、約5億2100万年前に出現し約5億1000万年前(カンブリア紀前期)に絶滅した。


おわりに

文字だけで見てもピンとこないと思うけど、古代の生物群はめちゃくちゃユニークな見た目でかわいいです。是非とも画像検索してみて下さい。

色々調べてて面白いなぁと思ったのが、先カンブリア時代に捕食者として生き残った強者がカンブリア時代では被食者となって新たな強者に捕食され消えていくという所。進化というのは弱者が生き残る為の手段なんだろうなぁと思いました。

−おわり−


よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは活動費に使わせていただきます!