うつくしい人/西加奈子


主人公までではないが、
なんかわかる。


人の目を気にして物事を選択しながら行きてきた主人公ゆりは、些細なことがきっかけで会社を辞めてしまう。気分を変えるため一人で旅行に出かけた。
その先で出逢ったバーテンの坂崎と外国人旅行者のマティアス。二人と出会ったことでゆりが変わっていく。


坂崎とマティアスのことを、
本裏の文ではデリカシーがないふたりだと書かれていた。


果たしてそうなのかな。


人に干渉せず(興味が薄く)、
飾らない。
人目を気にしていない。


読みながら、私にとってそんなふたりは、超居心地が良い人だと感じた。
主人公ゆりもその2人に癒されていくのだけど。


坂崎に関しては“普通”に縛られていない。


マティアスは、
幼い頃亡くした母親から、男の子だからこうしなさい、大人だからこうしなさい、そう教え育てられたが心の中でそれに自分のしたいこととのギャップを感じている。
そして、その教えを大切にするがあまり自分の感覚で物事を判断できなくなっていた。


母親の影響で自分がわからなくなったマティアスと
姉の影響で自分がわからなくなったゆり。

普通とか、こうでいなきゃ、って気持ちが強すぎて
自分を押さえつけていた。



共感できた部分もあって。

でもどちらかといえば、私は人目を気にしないタイプ。

だから、他人の目に左右されるというより
自分はこうでありたいっていうのに
少し自分を押し付けていたのかもしれない。


正解なんてないんだけど、


今何かわからないことがあれば


ネットですぐ答えあわせができる。
正しいのか間違っているのかもわからない情報だけど


知識として蓄えられていく。


何か悩んだ時、howtoコラムを読んだりして
自分がどういう人なのか
どの位置にいるのかどんな気持ちでいるのか
測ったりすることがある。


そんな時、やっぱり答えがあるわけで


これは良くないだとか、正しいのはこうだってのがあるんだよね。


啓発本もしかり。


あくまで人の書いたものだよね。


自分の答えではない。
自分の感じたことじゃない。


自分の本当に楽しいこと
幸せだと感じることに
耳を傾け素直でいれると


きっと身も心も楽でいられるよね。


最近その、自分の好きなことっていうのが


わかってきて


高級なお店のお肉より、自然派の手作りご飯が好きだったり


自然が好きだったり


読書を好きになったり


インスタ映えなんてしないけど(さほど気にしたことないけど)


自分が楽しめることに気づけてきてる気がする。

読んだ後

主人公と共に、少し変われるような。
こころがスキッとするお話でした。



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