近ごろの話

「親の背を見て子は育つ」とはよく言ったもので、両親は24の時に俺を産んだので、自分もなんとなく24くらいで結婚して子供ができて~といったことをぼんやりと想像しながら生きてきた。24歳だった俺はといえば、新卒で入社した会社を退職し、ほぼパートみたいな英会話教室の先生として安い給料で、隣の部屋のオッサンの咳払いが聞こえるような部屋で自分の生活すらギリギリな状況で生きていた。結婚なんか考える隙は無かったと思う。

そんな俺も今年で31歳、歳をとったな~と感じることも多くなってきた。たまに見るテレビや、Youtubeなどに映っている人の名前がわからない。はやりのドラマを見るのも億劫。それでも音楽だけは好きで今でも色々とアンテナを張って聴いているけど、年齢を調べてみて驚く。みんな若いなぁと思う。けれどもマイナスな感情は無くて、音楽に限らず新しく出会う色々な物事に素直に心を動かされたりして、俺が若い頃にこれがあったら、もっと人生は変わっていたかもしれないと日々感心させられる。そんなちょっとの羨ましさというか、心残りみたいなものを抱えながらも元気に暮らしている。

暮らしでいえば、5~6年ほど住んだ関東から3月に引っ越して地元に帰ってきた。もちろん転職もした。どうしても人生を賭けてでも頑張りたいと思っていた前職だったけど、それよりも大切なことができて転職を決めた。一昨年の夏に付き合い始めた彼女は今では嫁さんになって、憧れの新婚生活。

昔に想像していたタイミングからは随分と遅れてしまったけれども、そんなことは気にしない。まだまだこれから新しいものに触れたり、様変わりした地元を2人で噛みしめるのも良い。この先こどもを授かったら名前はどうしよう?というちょっと恥ずかしい話もしたりもする。これが楽しいのよな。

歳をとって、時代の最先端をゆく世代ではなくなってしまったけど、これから先に待っている色々なことが楽しみで仕方ない。明日のお昼は何食べようか、そんなことを考えながら飲むアサヒスーパードライが今日もうまい。

そういえば、親父もずっと飲んどったな。今の俺みたいな気持ちやったんかな~。

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