親父の話

何故かこんな時に昔の親父の事を思い出した。俺は小学校1年生から少年野球をやっていた。5年生になったとき、親父はチームの監督になった。

昔の親父はめちゃくちゃ厳しくて、しかし周りの人にはめちゃくちゃ優しくて、なんで俺にはこんなに当たり強いんやろうと思ったりしていた。練習の時なんかも、ノックに俺だけ、ほんまに俺だけ剛速球の弾打ってきて、捕球できるわけもなく、しかし取れないと怒鳴られたりして、その理不尽さは周りも絶対わかってたと思う。

まあそんなことはいいとして、親父はどんな小さな試合でも、そのあとにミーティングをした。そして負け試合の後は必ず泣いてた。どんなに小さな試合でも。それを見て6年生の先輩も泣いてたし、みんな泣いてたと思う。しかし、あの頃は何でそんなに泣くの?という事がわからなかった。

今になって思うと、自分の教え子たちが頑張っている姿と勝たせてやれなかったという想いなんかもあったのかなと感じる。自分も先生という職を経験したりして、子供の頑張りなんかを見てグッときたこともあるし、なにより歳をとって涙もろくなったような体感もある。

まあそれでも毎試合泣くような事はないと今の俺は言い切れるけど、あの頃の親父の姿はとても印象に残っている。俺もいつか子供が出来たりしたら、そうなるんかなあ。わからんけど。

じゃあね。

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