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TMR編集室月報23.07|お寺さんの音景色

Podcast「Temple Morning Radio(略称TMR)」編集・配信を担当する遠藤卓也の、お寺や音に関する活動月報

TMR/音の巡礼のこと

7/30(日)、秩父札所32番 法性寺で行なわれたライブイベント「三十二番」に参加した。

秩父では今、令和8年の「午歳総開帳」に向けて各寺院が動き始めている様子。法性寺さんでは、山門の再建築をなさっているところで、ちょうど現在は山門が解体された状態にある。以前お参りした際にあがらせてもらったが、とても古くて立派な鐘楼門だ。

在りし日の山門(2022年5月撮影)

この鐘楼門が前回建てかえられたのはなんと300年前!鐘楼門のない境内の景色は、実に300年ぶりということだ。住職の荒谷哲巨さんは、この景色の中で何かやりたいと考え、音楽会を企画した。ギタリストの笹久保伸さんをはじめとする秩父在住のアーティストたちを招いての演奏、踊り、そしてお経。同じ秩父の曹洞宗のお坊さん、野村圭秀さん、丹羽隆浩さんが太鼓と読経で参加した。

実は、昨年開催した「お寺の音楽会 誰そ彼 Vol.33」に笹久保伸さんがご出演された際、秩父繋がりということでお三方に「般若心経」を勤めていただいた。

その時には、演奏とお経のコラボは実現できなかったが、一年後にこんな素晴らしいロケーションで体験できるなんて嬉しい。
美しい「お寺さんの音景色」だった。


仏教・お寺メディア「お寺のじかん」にて、各月の連載を持たせていただけることになった。
今までずっとトライしてみたかった ”お寺文化” と “音” をかけあわせたテーマで、『お寺さんの音景色』というタイトルにした。
自分の専門性と趣味性を掛け合わせた内容になるので、書いていくのがとても楽しみな連載。(お声がけくださった、近藤玄純さんと横山瑞法さんに感謝)

連載1回目は、6月に訪ねた高岡のおりん工房でのことを書いた。
シマタニ昇龍工房4代目の島谷好徳さんと、富山で「音好き」なお坊さん3人。場をコーディネートしてくれた津森絵理子さんと僕の6人で、わいわい楽しく「おりん」を巡るおしゃべりをしている。
ぜひ多くの方に読んでいただき、おりんの深き音世界に興味を持っていただけたら嬉しい。


お寺のこと

取材で長崎へ。初日は大村 正法寺の長野文さんに長崎の美しい外海をご案内いただき、遠藤が遠藤周作文学館に参るという、長崎がルーツではない遠藤同士の長崎での邂逅が実現。

遠藤 to 遠藤

夜はMr.カレーモンクの吉田武士さんが合流し、ロバート秋山が「メニュー多すぎるだろ」とキレたという地元名店「てん新」へ。確かに多すぎ。割烹をうたいながら、カレーもチーズフォンデュもあった。
そして大村にいる面子が濃過ぎっていう、、、。

「てん新」にて

翌日は念願の「行いがわたしを導く時間」略称おこみちを取材させていただき、正法寺の個性的スタッフ陣と楽しい時間を過ごしました
7月のおこみちは、大汗をかきながらみんなで仏具を磨く、OMIGAKI ROCK FESTIVAL。
本堂の階段で参加者みんなでおやつ食べた時に長野文さんが「お寺はやっぱ最高だわ〜」と一言。その時確かにナム子の降臨を確認

ナム子降臨中

そして大村湾沿いを走るシーサイドライナーに乗って北上。佐世保へ。
和田智暁さんと、教法寺のクリエイティブ担当メンバー達と熱く長い夜を過ごした

九十九島を見渡せる展望台からの絶景

翌朝は教法寺へお参り。九十九島の見える山のほうにもぐるっと連れてってもらって、佐世保情報を一気にインストール。
幼稚園・保育園も経営する教法寺でお聞きした、米海軍の皆さんとのコミュニケーションにおける様々なエピソードは、移民が増えていくこれからの日本社会の先行ケースとして参考になるのかも。
お寺も決して無縁のことではないなあと。

ブランコでたそがれる和田さん

取材記事|桑海一寛さん(岐阜県 臨済宗妙心寺派 大源寺)

#月刊住職 2023年7月号 講座(55)では、岐阜県 臨済宗妙心寺派 大源寺 桑海一寛さんにインタビュー。
桑海さんは檀家数10の大源寺にて市役所に勤めながら、多様なお墓のご縁を増やして、見事に住職専業になられた。その歩みをあらためてお聞きして嬉しかった
今年は未来の住職塾NEXT R-5にて一緒に学んでいます。


取材記事|熊本県宇城市 真宗大谷派 光照寺 糸山公照さん

『地域寺院』7月号「まちに聞く、まちを拓く」に、熊本県宇城市 真宗大谷派 光照寺さんの取材記事が掲載された。
この地で起きる自然災害を忘れずに語り継いでいくために、熊本地震が起きた日にあわせて毎年開催される「防災・減災フェスタ」。人々をつなぐ名人の”糸さん”こと、糸山公照さんを動かし続ける原動力にも迫る記事になった。

今年も九州地方はじめ各地で豪雨災害が発生。台風もやってきている。糸山さんの体験談、光照寺の取り組みが事例として多くのお寺の参考になれば。

糸山さん、フェスタのスタッフの皆さま、ヘルシーテンプルの皆さま、その節はお世話になりました!ありがとうございました。


味の巡礼

てん新(大村)

ミサロッソ(佐世保)

海鮮問屋ふじ丸(小田原)

割烹おおたる(中目黒)

お食事処 麺めん亭(伊豆長岡)


音のこと

たまたま同じ日に二人の友人からお薦めされた映画「 #アフターサン 」ようやく観ることができた。
父親と二人で過ごした最後の夏休みを、その時の父親の年齢になった娘が振り返るという映画。
「最後の」という表現の意味を探しながら、彼女の夏休みを追体験していくと何気ない出来事の一つ一つに段々と不安になったり、涙が出てきたり。
ストーリー展開もさることながら、カメラワークや構図が奇妙で抜群にうまくて、ゆっくりと進む物語も飽きない。画面の色味もいい。
重要なシーンでかかる80年代の曲と90年代の曲。どちらも英国を象徴するような有名曲だけど、(想像しうる)父親の心境とシンクロし過ぎていて痛い。この親子と同じ夏を、僕は日本の高校生として過ごしていた。
サントラに収められたlate 90sのヒットソングは「Beat UK」という深夜のテレビ番組でみてた。当時のMVの派手でやかましい映像の向こうに、この二人の夏もあったんだなあ。


blurの新譜はred vinyl。やさしい歌が詰まっている。ジャケットに「アフターサン」のイメージが重なったり。

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