音を聴くこと 味わうこと - Sawakoさんのこと
2024年3月31日に、サウンドアーティストの Sawako さんがご病気で亡くなられました。友人のひとりとして、とても寂しく悲しい気持ちでいます。追悼の意を表すとともに、Sawakoさんが遺してくれた言葉について、書かせてもらいます。
Sawako さんと出会ったのは、2010年4月に神谷町・光明寺で開催された 12k のショウケースライブ。お寺の本堂にてhofli(津田貴司さん)とのデュオで、こんなにも美しい演奏をしてくれた。
その後、何度か音楽の現場でご一緒することがあり、SNSでお互いの活動を気にしあうくらいの関係が続いていた。
コロナの最中に、自由大学のオンライン講義「DIY音楽研究室」へのゲスト出演を依頼してくれたことがきっかけとなり、「実は最近お寺でフィールドレコーディングをし始めたんです」と打ち明けると、すごく喜んでくれて応援してくれた。
その時のメッセージ。
パイオニアの岡田晴夫さんのことはこの時点で存じ上げていなかったが、一年後に津田貴司さんと柳沢英輔さんの出版記念イベントで、本堂での録音に関する質問をしたところ、終了後に岡田さんが話しかけてくれて、なかよしになった。今思えば、なんだかSawakoさんに予言をされていたような気がして驚く。(岡田さんのことは、また別の記事で書いている)
Sawakoさんにフィールドレコーディングのことを聞きたいと思い、コロナで休止していた「森の音散歩」というワークショップを再開してもらったこともあった。お互いの仲間たちに声をかけて、十数名のメンバーで高尾山の森に入り、音を聞いたり、音を出したりした。(↓その日の音の記録。Sawakoさんの声も入ってる)
そして、今年の2月に久々の連絡があって、病気療養中のため3月末のフィールドレコーディングのイベントをアシスタントしてほしいとの依頼が。病状によっては、遠藤ひとりでやることになるかもしれないとのこと。「素人の僕がアシスタントを務められるかどうか...」と不安を伝えると、こんなことを言ってくれた。
Sawakoさんのそういう視点を素晴らしいと感じて、ぜひ一緒に音を楽しみたいと思ってお引き受けすることにした。 結局(病状が良くなかったのか…)スケジュール的に難しくなり、5月に延期となったというメッセージが最後の連絡となった...再会して一緒に音を録りたかった。
岡田晴夫さんと、いつか3人でどこかのお寺のお山でフィールドレコーディングしようと話していたのに、こんなにも早くにお二人ともいなくなってしまうなんて...今だに信じらない。
やりとりを振り返りながら、こんな言葉も送ってくれていたことを思い出した。僕の拙い録音を聞いてくれた後のお返事として。
これからも録り続けますね。
音を聴くこと、味わうこと。そこには必ず、自分だけのユニークさがあるということを忘れずに。
Sawakoさん、またいつか、どこかで。
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