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音巡りノート

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お経、鐘や周囲の自然環境などが織りなす「お寺の音風景」を録音・収集するプロジェクト「音の巡礼」2020年9月〜2022年10月までの活動記録。
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#巡礼

音のない世界、霊場 恐山

各地の宗教的聖地や霊場の音を巡る「音の巡礼」。今回は縁あって、日本三大霊場のひとつである恐山 菩提寺へお参りしました。 青森空港から車で約3時間、恐山街道と呼ばれるくねくねとした山道を抜けて、視界が開けると車中にまで硫黄の臭気が漂ってきます。 眼前に広がる美しいブルーのカルデラ湖「宇曽利山湖(うそりやまこ)」の周囲は白い岩や砂で覆われ、明らかに異世界の様相を呈しています。 故人へのわりきれない惜別の思いを受け入れている霊場 恐山では、死者が汗をぬぐうための手ぬぐいや、衣服

noteサークル「音巡り講」はじめました

音の巡礼、ガイドの遠藤卓也です。 このnoteをはじめて8ヶ月が経ちました。僕はポッドキャスト「Temple Morning Radio」の編集作業をしながら、"音楽としてのお経"の魅力に気づき、音を頼りとするような新しい巡礼のかたちを模索してきました。 お経を唱えてくださっているお坊さんと、そのお坊さんが預かっているお寺について詳しく紹介する記事や、「聖地の音」に着目して身延山に響く祈りの音や自然音を聴きながらお坊さん同士が対談するオンラインイベントも開催しました。 n

音の巡礼とは

例えば、朝のお寺で読経をしたときのこと。お経の意味はわからなくても、僧侶が読誦する音やお香のかおりの漂う空間に居るだけで、何か感じ入るところがある。自らも読経の発声をした後、外に出てみれば境内に鳴く鳥の声や、清々しい朝の空気に「なんかいいな」という確かな実感が残る。 例えば、何か知りたいことがあって本を開いても、なかなか頭に入ってこないことがある。それが、誰かの薦めでたまたま出会った別の本が糸口となって、突如するすると知的探求が進みはじめる。爽やかな風のような心地よさを感じ

聖地の音を録りにいこう!音の巡礼のススメ 〜身延山の場合〜(後編)

音の巡礼 管理人の遠藤卓也です。 2/17(水)・2/24(水)・3/3(水)の3日間に渡って開催予定のオンライン講座「音の巡礼 山の巡礼 - 身延山編 -」で使用する音素材の録音のために、身延山へ行ってきました。 ひとり聖地に赴き、音を採集するのはまさに「音の巡礼っぽいなあ!」なんて思いながら行ってきたのですが、フィールドレコーダーを携えたひとり旅が予想以上に楽しくて、読者の皆さんにもお勧めします! ※ この記事は 後編 です。前編はこちら。 宿坊の朝は早い朝4:45の

聖地の音を録りにいこう!音の巡礼のススメ 〜身延山の場合〜(前編)

音の巡礼 管理人の遠藤卓也です。 2/17(水)・2/24(水)・3/3(水)の3日間に渡って開催予定のオンライン講座「音の巡礼 山の巡礼 - 身延山編 -」で使用する音素材の録音のために、身延山へ行ってきました。 ひとり聖地に赴き、音を採集するのはまさに「音の巡礼っぽいなあ!」なんて思いながら行ってきたのですが、フィールドレコーダーを携えたひとり旅が予想以上に楽しくて、読者の皆さんにもお勧めします! 準備したものこれまでフィールド録音なんてしたことがなかったのですが、友人

音を通して「体感としての仏教」を起動する。松本紹圭×遠藤卓也「音の巡礼 山の巡礼」キックオフ対談

『Temple Morning Radio』の松本紹圭と、『音の巡礼』管理人の遠藤卓也によるインタビュー記事が、『彼岸寺 higan.net』に掲載されました。 『Temple Morning Radio』と『音の巡礼』が始まった経緯についても詳しく話していますので、それぞれのリスナー/読者のみなさんにも読んでみていただきたい内容となっています。ぜひ!

オンライン連続講座「音の巡礼 山の巡礼 〜身延山編〜」開催のおしらせ

「音の巡礼」はじめてのオンライン連続講座を開催します! 「音の巡礼」では、お経をはじめとする「音」を手がかりとして、あたらしい巡礼の形を提案したいと考えています。今回の講座は宗教的聖地と言える「お山」をテーマに、耳をつかってヴァーチャルな巡礼の旅へと出かける試み。その名も「音の巡礼 山の巡礼」です。 第一弾は「身延山編」として、山梨県にある日蓮聖人の聖地・身延山に精通するお坊さんたちにガイドをしていただきます。 講座概要サンガ×音の巡礼 共同企画 “感じる仏教” シリー