SOPHIA TOUR'98「ALIVE」
「自分だけのSOPHIA」
2023年3月に開催されたMTVunplugged。その時に松岡充が伝えてくれたこの言葉は、私の心にずっと残っている。
SOPHIAを想う気持ち、想う方法は人それぞれ。各々の人生にSOPHIAとのストーリーがあって、それぞれが「自分だけのSOPHIA」を大切にしているように思う。何目線だって話だけど、私はそのことをとても愛おしく感じる。(「自分だけのSOPHIA」ということばの表現…やっぱり松岡充ってすごい。)
愛おしいという気持ちがあるからか。SOPHIAとの出会い、初めて行ったライブ、好きな楽曲。Xやnoteを通して、それぞれの「自分だけのSOPHIA」に触れることが、私は大好きだ。
もちろん、自分のSOPHIA話をするのも好きなので。今回は私が初めて行ったSOPHIAのライブについて。というのも「philosophy-Ⅲ」を購入して見たら(VHSしか持っていなかったから買い直した)、懐かしくて懐かしくて書かずにはいられない気持ちになってしまって。良かったらお付き合いください。
私が初めて行ったSOPHIAのライブは、TOUR'98「ALIVE」。CMで流れる『街』をきっかけにSOPHIAに運命を勝手に感じていた私は、どうしてもライブに行きたくて、ALIVEツアーのチケットをどうやったか手に入れた。
そんな当時の私は、そもそもバンドのライブに行ったことも無かったので、親に散々色々言われた。親を安心させようと、ゴキゲン鳥のPVを親に見せて、「ほらスーツ着てる!SOPHIAって真面目なバンドなんだよ。」という意味不明な説得を試みたことが懐かしい。
そんなこんなで向かった会場。会場に足を踏み入れた中学生の私は、生まれて初めての世界の光景に若干怯えながら、同級生と手を握り合って会場に入った。背伸びした世界に足を踏み入れたことに、ちょっとした達成感を味わったことも覚えている。会場にいたお姉さんたちは思い思いのファッションで、気合に満ちてライブに集っていて、そのことはとてもかっこよくて憧れた。
そして始まったライブ。tourDVDを見ていたら一気に記憶が蘇ってきた。
当時のセトリとは一致していないかもしれないけど、DVDに収録されていた楽曲はこちら。
歯車?の映像と共に無機質な音が響くSE。SEが終わった瞬間に流れた『little cloud』。イントロのギターの歪んだかのような爆音に、全身が震えるかのような大きな衝撃を、あの時私は受けた。(ピアノを割と真剣に学んでいて、行ったことあるコンサートはクラシックばかりだった私。あの音は相当な衝撃だった。)
同時に自分を一気に解放できるような気持ちになった。「これがライブか」そう思った。
続いた曲は『Always I miss you』。ライブで初めてこの曲を知った。「こんな美しい曲もあるなんてSOPHIAすご!」と思って、ライブ後にレンタルCD屋さんでアルバム『kiss the future』を借りに行った記憶。(当時中学生の私はそんなに簡単にすぐCDが買えなかった…よ!)ライブで初めての曲に会う幸せ、今思い返すと幸せすぎるな。
中盤には『ー&ー』。SOPHIAの楽曲から1曲選べと言われたらこの曲を選ぶ程、私はこの曲が好き。その理由の一つはこのALIVEツアーでの『-&-』を見たことが関係するのかもしれない。(とDVDを見て思った。)
熱さがほとばしるドラムのイントロに重なって、響き渡る『1,2,3,4』。煽りに煽ってくるかのようなパフォーマンスと音。ステージに没入させられて、客席とステージが呼応する最っ高な世界。今映像で見ても本当にすごい。当時の私、多分この曲を聞いて震えてたんじゃないかな。26年前、こんな世界に出会えて本当に良かったねって思う。なんてかっこ良いんだSOPHIA。
話変わって、DVDを見てびっくりしたのは『ポトス』。勢いとエネルギーがすごい。全国の会場で収録されたと思われる映像が入っているのだけど、ファンの声が…黄色い!
黒ちゃんに「茶色い歓声」と言われるたびに「いやまだ黄色い歓声です」って思ってるけど、黄色い歓声ってこのことなんだろうな。でも言わせていただくと、メンバーの声も今よりワントーン高い気が…する。
あと『アリサマ』がかわいらしいアレンジになっていて、メンバーがそれぞれ替え歌を歌っていた。こういうのってSOPHIAっぽい。好き。DVDに収録されているのは充、都、トモパートのみ。ライブでは黒ちゃんジル君もきっと歌っていたのかな…記憶がない。(どうだったのでしょうか。)
ライブ終盤では『蜘蛛と蝙蝠』。当時アルバムで聞いて優しい曲かと思っていたら、ライブでは全く違って聞こえることにものすごく驚いた覚えがある。手を思いっ切り伸ばしてこの曲を歌った時に感じた高揚感は、自分の人生にはこれまでにないものだった。
続く『街』。『街』が演奏されるとき、私の視線がいつも釘付けになるのは、松岡充が伸ばす指先。今改めてDVDを見ても、この曲で伸ばす指先の美しさ、力強さはずっとずっと変わっていない。復活の武道館でまた見ることができた時は、本当に嬉しかったな。
最後の曲は『ALIVE』。当時思春期真っ只中の私が、この曲を聴いて何を想ったか具体的なことは思い出せない。でもきっと、ステージからの渾身の音と詩声から、計り知れないものを受け取ったのだと思う。
このALIVEツアーは、「Believeをやらなくてファンが泣いた」と今ではネタと化して語り継がれるツアー。当時どうだったかな。「アンコール」の声が鳴り響いても、アンコールがなかったことは覚えているような。
とにもかくにも、私にとっては初めてSOPHIAに出逢えた特別なライブだった。
ライブに行って初めて知った。テレビやアイドル雑誌で見ていたSOPHIA像が、実際は全然違っていたこと。キラキラ輝く世界でただカッコ良く演奏するステージなのかと思っていたら、一人一人の人間である5人がステージにいた。
もちろん遠い存在で特別な存在の5人なのだけど。それでも同じ人間なんだなと思った。人間が持つ心の奥底にある怒り、悲しみ、喜び。そういったものを5人が全身全霊で音や詩に昇華させているステージだった。客席とステージのエネルギーが、交錯し合うような空間だった。叫びでもあるかのような松岡充の詩声は何物にも代えがたく、私の心をただただ震わせた。
この初めて行ったライブからずっと、SOPHIAのライブは私にとって特別な場所となった。黒ちゃんが1年以上前に書いてくれた「変身願望」というnoteの記事が私はとても好きなのだけど、SOPHIAのライブという場所は、私にとってまさしく「変身」できる場所だった。
普段たくさんのものに縛られながら生きている日常の中で、心を解放できる場所。思う存分に声を出せる場所。いつもとは違う自分になれる場所。自分を見つめられる場所。そんな場所がSOPHIAのライブ。
今また、私にとっての特別な場所が、世界に存在していることがとても嬉しい。
そんなことを思いながら、当時のグッズのチラシを見てみたら、ファンクラブの申込書が切り取られていた。私はこのライブを見に行った後、ファンクラブに入会したことを思い出した。
さらに思い出したのは、当時私が買ったグッズがリングとブレスレットだったこと。中学生は身につけるものが欲しかったのかな(笑)。パンフを買ってなかったことが、とっても心残り。でもそれも全部全部SOPHIAと共に過ごした良き思い出。
幸せな気持ちでSOPHIAを語れる今日に、心から感謝。
最後に。長々と思い出話に付き合っていただき、ありがとうございました。